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2015/07/03

【製造業】商品の配送費は製造原価に含めるべき?

著者: パソナ キャリアコーチ(経理担当)

【製造業】商品の配送費は製造原価に含めるべき?

例えば、配送費を固定費にした場合、売上(配送費に含む)によって前後するため、製造原価に入れるべきか迷ってしまうところ。配送費が多いほど売上も粗利も高くなるため、不安定になってしまいます。そのような疑問点も含め、今回は、製造した商品納入時の配送費を製造原価に含めるべきか否か、について説明します。

配送費は製造原価へ含まないのが一般的

上記の例の場合、「商品の納入にかかる配送費」は製造原価へ含めず、「販売費(販管費)」として配賦するのが一般的。

「製造原価」とは、文字通り製造にかかった費用のことですが、配送費や荷造費は、製造されたあとの商品の営業活動(販売活動)に発生する費用ですので、これらは販売費として配賦します。

配送料が製造原価に含まれるケースとは

ただし、すべての配送料が販売費になるというわけではありません。「製造に必要な材料の仕入れ」や「材料の工場への移動」にかかる物流費など、“製造にかかる配送料”は製造原価に含まれます。

配送費は固定費?それとも変動費?

また、配送費が「固定費」なのか「変動費」なのかも判断のポイントになります。つまり、売上の増加で配送費も増えるため、変動費の「売上高によって増減する費用」という定義に合致するようにも思えますよね。

配送の方法にもよりますが、例えば商品の納入をすべて自社でまかなっている場合、商品の保管スペースの賃料や配送スタッフの人件費などは、「固定費」になります。

ただし、配送業者に委託しているなどの場合は、売上によって変化しますので、「変動費」とするのが一般的です。この場合、配送費は総原価のうち製造原価に含まれない「販売費」であり、かつ「変動費」となります。配送費は変動費ですので、それが上下すれば粗利も変わるというわけです。

まとめ

なぜ、原価計算で固定費と変動費を区別するのか。それは、売上高の変動にともなう利益の変動を把握し、利益改善に活かすためです。

粗利を増やすには、変動費を抑える必要がありますが、配送費を変動費にすることで、固定費にしていると見つけにくい“削減できるはずのムダ”が見つけやすくなり、利益改善に役立つのです。

 

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