スキル

2019/08/26

英語スキルが活かせる「英文経理」!お仕事内容や求められるスキルって?

著者: パソナ キャリアコーチ(経理担当)

英語スキルが活かせる「英文経理」!お仕事内容や求められるスキルって?

簿記の知識や英語力を活かしたキャリアアップ・キャリアチェンジを目指す方にオススメの職種が「英文経理」です。

グローバル化が進む変化の激しい時代の中でも、経理の専門知識や英語力があれば、外資系企業や好待遇の企業で働くチャンスにも恵まれるはずです。さらには、将来的に活躍の場を海外へと広げることができるかもしれません。

今回は、そんな英文経理の仕事内容や、企業に求められるスキルなどについてご紹介します。

目次
表記はすべて英語!語学力を活かせる「英文経理」ってどんなお仕事?
英文経理職に就くことで得られる知識・経験
英文経理で求められるスキルや資格とは?
派遣なら、未経験から英文経理に挑戦することも可能

表記はすべて英語!語学力を活かせる「英文経理」ってどんなお仕事?

表記はすべて英語!語学力を活かせる「英文経理」ってどんなお仕事?

英文経理とは、ひとことで言えば“英語を使った経理のお仕事”ですが、「日本独自の会計基準」と「国際的な会計基準」のいずれかに則った方法で、会計処理を行うのが特徴です。まずは、英文経理における2つの会計処理方法について、理解しておきましょう。

英文経理における会計処理方法

日本会計基準に基づいた会計処理

一般原則、損益計算書原則、貸借対照表原則などを含む「企業会計原則」をベースとした、日本独自の「日本会計基準」に則って会計処理を行う方法。日本会計基準で会計処理を行う英文経理のお仕事に就いた場合、勘定科目などの表記が英語となります。

国際会計基準(IFRS)または米国会計基準(US-GAAP)に基づいた会計処理

ロンドンを拠点とする国際会計基準審議会が設定している「国際会計基準」は、世界基準の会計方式。現在、100以上の国や地域で採用されており、EU域内の上場企業では適用が義務化されています。

2019年7月現在、国際会計基準を適用している日本国内の企業は214社にものぼり、今後も拡大していくことが予想されています。一方、アメリカの会計処理方式として採用されているのが「米国会計基準」。一般的にアメリカに進出している日系企業は、米国会計基準を採用しています。

なお、「英文経理」の求人は、日本会計基準でのお仕事が多いものの、国際会計基準・米国会計基準に則った会計処理によるお仕事も年々増えつつあります。

英文経理として活躍できるフィールド

主な就業先には、外資系企業と日系企業の2種類があります。それぞれ、どのような特徴があるのか見ていきましょう。

外資系企業で働く

親会社である外国法人に決算報告を行うため、国際会計基準(IFRS)や米国会計基準(US-GAAP)など、親会社と同じ会計基準で会計処理を行います。また、親会社への決算報告とは別に、日本での税務申告などの必要もあります。

日系企業で働く

海外進出している日系企業などでは、海外の子会社の経理を日本の親会社が一括して行っていることがあります。このような場合、親会社である日本の企業と同じ会計基準で会計処理を行うのが一般的です。

英文経理はこんな方にオススメ!

最低限の簿記に関する知識や経理の経験、英語力が必要となる英文経理ですが、経理としてキャリアアップしたい方や、英語力を仕事で活用したい方にオススメの職種です。以下に当てはまるような方は、ぜひ英文経理を目指してみてはいかがでしょうか。

・経理の実務経験を活かして、キャリアアップしたい、専門性を高めたい
・英語と経理、両方の基礎知識がある。または、働きながらこれらを学ぶ意欲がある
・英語スキルを活かして、経理のお仕事にチャレンジしたい
・専門スキルを磨いて、将来的に海外法人で働きたい、国際的に活躍したい

英文経理職に就くことで得られる知識・経験

英文経理職に就くことで得られる知識・経験

次に、英文経理職に就くことで得られる主なスキルについて具体的にご紹介します。

世界基準の会計知識が身につく

仕事を通して国際会計基準や米国会計基準といった世界基準の会計知識を身につきます。また、さらに知識を深めたい場合は、BATIC(国際会計検定)やIFRS(国際財務報告基準)、USCPA(米国公認会計士)などの専門資格にもチャレンジできるでしょう。

他国の経理スキルが身につく

たとえ世界レベルの会計基準を適用していても、税制、規則、慣習などの細かい部分は、国によって大きく異なります。たとえば、金額の区切り方ひとつとっても国や地域によって違いがあるため、実務を通じてその国ごとの経理方式を知ることができます。

英語を使った経理業務の経験を積むことができる

基本的な簿記の知識をベースに、まずは勘定科目が英語だけのお仕事を経験して専門用語の知識をつけ、英文表記の会計ソフトに仕訳入力に挑戦する…といったように、英語を使う経理業務の幅を徐々に広げていくことができます。

英語力を伸ばすことができる

英文経理の実務をこなすなかで、業務で必要となる英語力も伸ばすことができるでしょう。なお、BATIC(国際会計検定)の学習は、会計知識と英語スキルを同時に伸ばしていけるため、スキルアップを目指す方にオススメの資格です。

国際会計基準の知識や他国の税制・規則などの専門知識を学ぶチャンスがある「英文経理」のお仕事。お仕事を通じてビジネス英語のスキルも向上するため、TOEICのハイスコアを目指すことも可能になるでしょう。専門性の高いスキルを持っていれば、お仕事の選択肢や業務範囲が広がり、理想のキャリアを実現しやすくなります。

また、これからの時代に欠かせない「グローバルな視点」が自然と培われることも、英文経理ならではのメリット。実務を通して幅広いスキルを身につけることで、好待遇のお仕事へのステップアップや、高い英語力が求められる外資系企業へのチャレンジも可能になります。

英文経理で求められるスキルや資格とは?

英文経理で求められるスキルや資格とは?

英文経理は会社や業務範囲によっても、求められるスキルのレベルは変わってきます。ここでは、英文経理を目指す方が身につけておきたいスキルや取得しておくと良い資格を、レベルごとにご紹介します。

未経験から英文経理を目指すときに、あると良いスキルや資格

経理経験や簿記の知識

まずは日商簿記2級程度の知識や、国内企業で通常の経理業務の経験を積んでおくと良いでしょう。

PCスキル

英文経理でも日常的にExcelを使います。関数、ピボットテーブル、マクロなどの集計スキルを磨いておきましょう。

英語を使用した業務経験、英語関連の資格

通常経理の実務経験浅いという方も、英語を実務で使用した経験があれば+αのアピール材料になります。TOEIC(R)を受ける方は、まずは600点のスコアを目指すと良いでしょう。

英文経理としてキャリアを積むときに、必要なスキルや資格

経理経験や簿記の知識

英語力と国際会計スキルを同時にはかるBATIC(国際会計検定)や、IFRS検定(国際会計基準検定)、USCPA(米国公認会計士)など、世界で通用する会計資格を取得すれば、高待遇のお仕事に就ける可能性も広がります。

英語力

英文経理では、海外の支社や本社からの問い合わせ対応や、海外スタッフとのやり取りも多く、ビジネスレベルの英語力が求められます。TOEIC(R)のスコアであれば、700点程度あると良いでしょう。

PCスキル

マイクロソフト製オフィスソフト(Excel、Word、PowerPoint)の実用スキルを証明する「MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)」を取得しておけば、世界で通用する資格として役立つでしょう。

派遣なら、未経験から英文経理に挑戦することも可能

英文経理は、英語力と経理スキルの両方が不可欠のお仕事。それだけを聞くと、敷居が高く感じるかもしれませんが、実は未経験の方でも、派遣社員としてアシスタント業務から英文経理を目指す方法もあります。

英文経理としてのキャリアをスタートするときに何より大切なのは、「やってみたい!」という気持ちと、新しいことを学ぶ意欲。そのふたつがあれば、英文経理未経験でもチャンスを手に入れることができるでしょう。

また、働きながら国際基準の会計知識を学んだり、英語スキルを磨いたりできるのも英文経理の魅力のひとつ。努力次第では、将来的に海外で活躍するといったキャリアプランも不可能ではありません。

また、パソナに登録されている方は、「ベネ・ステ フリーeラーニング」の語学・経理に関するカリキュラムを利用して、スキルアップを目指すことも可能!興味のある方は、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
  

参考サイト:

 

みんなの仕事ラボ(シゴ・ラボ)は、働くすべての方々に向けたキャリアアップ、スキルアップのためのお役立ちサイトです。
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