宛名や金額のない“白紙の領収書”は大丈夫なの?
経費清算をしているときに、宛名が未記入の領収書が混じっていて困った経験はありませんか?
経理担当者から現場の社員に未記入について注意を促しても、「面倒くさい」「忙しかったから」と反論されてしまうと困ってしまいますよね。この場合、経理担当者としてどう対応するのが良いのでしょうか。
今回は、経理側で領収書に記入して大丈夫なのか、そもそも、白紙の領収書は法律上問題がないのかについて解説します。
領収書は、白紙も自分で記入も問題あり!
もしも白紙の領収書を当たり前にしてしまった場合、当然ながらいずれ問題になります。どのようなことになるのか、経理担当者としてどう対応すべきなのかを見ていきましょう。
領収書の記入・改ざんは犯罪です
実際、何も言わないと領収書に宛名を書いてくれないお店もありますし、こちらが急いでいて「宛名は結構です!」と言ってしまうこともあるでしょう。ですが、税務上のルールでは、白紙の領収書は違反になります。
百歩譲って白紙の領収書をもらうところまでは良いとしても、「ま、いっか」と、自分で社名を書き足さないようにしましょう。
領収書は、法律上の証拠書類として機能するもの。ですから、もし発行者以外の人が宛名や金額などの文字を記入したり書き換えたりすれば、「文書偽造」になります。これは立派な刑法違反、つまり犯罪なのです。
このような場合、隠蔽や仮装の事実が発覚したときの追加徴税「重加算税」が課されたり、さらに悪質な場合は、罰金や刑罰が課されたりすることもあるのです。
自分で宛名を書いている疑惑!?
もしそれぞれ別のお店で発行してもらった領収書なのに、どの筆跡もそっくりであれば、「自分で領収書の宛名を書いたのでは!?」と疑われてしまいますよね。先ほどお伝えした通り、これはいけないことです。
税務署に知られなければ良いという問題ではありません。そして、想像以上に見つかる可能性は高いようです。
書き足すより、空欄のまま提出しよう
もし、お金を払った本人が領収書に宛名や金額を書き足そうとしているなら、白紙で出すことを選びましょう。
というのも、仮に税務調査が入った際、領収書の宛名未記入が発覚しても配慮してもらえる可能性が高いと言われています。きちんと内容が帳簿に記載されており、それを証明する書類であることが重要だからです。
ですが、もし発行者でない方が文字を書き足してしまったら、書類の信頼度は一気に地に落ちることに。そういった理由から、書き足すよりも白紙で出すほうが良い、というポイントを覚えておくと良いでしょう。
金額が書かれていない場合は?
ちなみに、金額が空欄の領収書に関しては、論外中の論外です。これに関してはどうにもならないので、必ずお店の方に書いてもらいましょう。
領収書の内容は受け取る際にしっかり確認を
経理担当者は、「領収書の記入・改ざんは犯罪」であることを理解し、違法行為を食い止める役割も担っています。
経理について知らない現場の社員の場合、宛名が空欄の領収書を気軽にもらってきてしまうこともあるでしょう。経理担当者は、内容に不備がないか、一枚一枚しっかり確認することはもちろん、もし不備があった際には、提出者に「なぜいけないのか?」を説明できるようにして、再発を防ぐようにしましょう。
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