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2015/07/23

港の岸壁にそびえ立つ「ガントリークレーン」

著者: パソナ キャリアコーチ(貿易担当)

港の岸壁にそびえ立つ「ガントリークレーン」

今回は輸送で利用されるコンテナとも深い関わりのある「ガントリークレーン」についてご紹介します。ガントリークレーンとは、上の写真の「赤と白のしましまのクレーン」のこと。まずは、この写真をじっくり見てから、記事を読んでみてくださいね。

港湾で貨物の積み卸しを行うガントリークレーン

ガントリークレーン (Gantry Crane) とは、コンテナ船が着く港湾に設置され、“陸から船へ”“船から陸へ”、コンテナ貨物などの積み卸しをする巨大なクレーンのこと。世界中の貿易港のほとんどに設置されていて、貨物の荷役()を行う上で不可欠な機械のひとつです。

*荷役(にやく)…貨物の積み込みや荷下ろし、また、倉庫やコンテナヤードなどへの貨物の入出庫などの作業の総称。

では、実際どのようにガントリークレーンがコンテナ貨物を運んでいるか、イラストとともに説明していきます。

港湾で貨物の積み卸しを行うガントリークレーン

運転席の床は下の様子が見られようにガラス張りになっていて、UFOキャッチャーのようにスプレッダーを下ろし、コンテナ上部の四隅についているコーナーポケット(=穴)にロックピンを挿入して固定し、30〜40トンもあるコンテナを迅速・確実に運搬するのです。

近年は、コンテナ船や貨物の大型化に伴って、高さ48.5mを超える場所から貨物を引き上げる「スーパーガントリークレーン」や、56mを超える「メガガントリークレーン」、20フィートコンテナを同時に2個持ち上げられる「スプレッダ付きのガントリークレーン」も登場しています。

ガントリークレーンの運転士は“港湾の花形”

港湾の荷役作業の中核を担うガントリークレーンの運転士は、通称“ガンマン”と呼ばれ、港湾の花形とも言われています。運転士になるには、「クレーン・デリック運転士免許」 が必要。さらに、免許を取ったからといって、すぐにガントリークレーンの運転士にはなれるわけではありません。港湾にある他のクレーンなどの運転士を経て、その技術を認められたものだけがその職に就くことができるという、まさにクレーン運転士のエリートなのです。

今も世界中の貿易港では、ガンマンたちが貨物をなるべく揺らさぬよう、丁寧な貨物の積み卸し作業を行っていることでしょう。

ちなみに、現在コンテナ1箱の積み卸しにかかる時間は、「3分かからない」とも言われています。しかし、20年程前まではコンテナ1箱に1時間程度かかり、積み卸しには2、3日かかるのが当たり前でした。

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