用語

2016/07/25

「貨物の受渡し条件」を知っていますか?

貿易取引において、売買契約内容の交渉時にとても重要となる“貨物の受渡し場所・時期・方法”に関する「貨物の受渡し条件」についてご紹介します。

目次
そもそも「貨物の受渡し条件」って何?
貨物の受渡し場所・時期・方法
分割船積み、貨物の積替えの可否(船積みの場合)

そもそも「貨物の受渡し条件」って何?

貿易取引では、売り手(輸出者)と買い手(輸入者)が売買契約内容を交渉する際に、商品の種類・数量・品質・インコタームズ(貿易条件)・決済方法など、さまざまな条件をすり合わせて決めていきます。

この、貨物の受渡し場所・時期・方法に関する条件を「貨物の受渡し条件」と言います。言葉自体は、貿易業界の実務でもほぼ口にするものではないのですが、その内容は売買契約に関わるだけにとても大切です。

「貨物の受渡し条件」を大きく分けると、貨物の受渡しに関するもの(場所・時期・方法)と、貨物の輸送内容に関するものの2つがありますので、それぞれ内容をご紹介していきましょう。

貨物の受渡し場所・時期・方法

貨物の受け渡し場所

「貨物の受渡し場所」はインコタームズ(貿易条件)で決まります。

例えば「FCA Sydney」であれば、シドニーが貨物の受渡し場所になりますし、「DDP Tokyo Trading Company」であれば、東京貿易会社(仮名)となり、「インコタームズ ○○○○」の○○の部分が受渡し場所になります。

ただ、ご注意いただきたいのは、○○の部分の受渡し場所で、輸出者と輸入者の責任が切り替わるわけではないということ。

EXW、FCA、DAP、DAT、DDP、FAS、FOBの7条件では受渡し場所にて、輸出者から輸入者へと危険負担、費用負担が同時に切り替わりますが、CPT、CIP、CFR、CIFの4条件は異なります。

仮に「CIP Shanghai Port」なら、実際の貨物を受渡すのは上海港になりますが、輸出者の危険負担は輸出港のコンテナヤードに入れた時点で完了します。つまり、海上運賃・保険料は、上海港まで輸出者が負担します。

そのため、受渡し場所が輸出入者の責任が切り替わるのではなく、インコタームズのルールに基づいているということを覚えておいてください。

貨物の受渡し時期

貨物の受渡し時期は本来、船積時期(Time of Shipment)を意味します。ただ、実務では輸出地での発送時期を基準とするのではなく、輸入地への到着時期(Delivery Time)をもとに取り決められるのが一般的です*。

また、貿易における輸送では、天候や事故による遅延、船会社のスケジュール変更がよく起きることから、ある一定の期間を指定することも多いです(例: at the beginning of August / 8月上旬)。

*会社や取引先によって受渡し時期をどのように決めているかは異なります。過去の売買契約書を調べる、または社内の方に相談するなど、ご確認ください

貨物の受渡し方法

貿易取引では原則的に、貨物が輸出者から輸入者へ直接手渡されることはなく、運送人によって間接的に引渡されます。

船舶輸送なのか航空輸送なのか、または複合輸送なのかなどの輸送方法については、別途取り決める必要があります。

しかし、いずれにしても運送人による“間接引渡し”という点は変わらず、“受渡し方法=間接引渡し”が前提で、方法自体が議論になることはほとんどありません。

ただ、運送人をA社にして欲しいなどの輸送方法を指定する場合や、複合輸送の場合には「どこで誰に引渡すのか」など、受渡し方法について内容を細かく契約書に明記することをオススメします。

分割船積み、貨物の積替えの可否(船積みの場合)

「分割船積みの可否」「貨物の積替えの可否」も、貨物の受渡し条件として、輸出者・輸入者双方で取り決められる内容です。

・分割船積み(Partial shipments):ひとつの契約で交わした商品を複数回にわけて船積みすること
・貨物の積替え(Transshipments):商品の輸送の途中で他の船や飛行機などに積み替えること

信用状取引による売買契約を結ぶ場合には、信用状発行依頼書に「Allowed / Prohibited」の記載をする必要がありますので、通常は契約の際に双方で話し合って取り決めます。

あえて可否を取り決めないケースも

しかし、実務においてこれらの可否を取り決めないこともあります。

その理由は、たとえば、契約時には輸出入者双方が一括で貨物を輸送したい(してもらいたい)と考えている場合でも、輸入者の事情によっては、契約した貨物の受渡し時期(納期)よりも早くに商品が必要になることがあるから。

分割船積みを拒否する契約を交わし、そのような事態になれば、発行した信用状を修正など契約内容の変更で交渉する必要がでてきます。

そのため、契約時には「分割船積みの可否」については“あえて”取り決めないことがあるのです。

 

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参考サイト:

 

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