「No Commercial Value の無償サンプルなのに、なぜインボイスに金額を書くの?」
こんにちは。貿易女子3年生のゆにです。貿易の仕事を続けていたおかげで、最近は淡々と片付けていく、テキパキとこなしていくことも少しはできるようになりました。でも、時々「なぜ、これはこうなっているんだろう…?」と気になることも。そんなとき、私は喫茶カイコクに立ち寄ります。ここのマスターは、コーヒー豆の輸入に携わったことをきっかけに、コーヒーにはまり喫茶店を開業された方で、私の貿易に関する疑問に答えてくださるんです。
いらっしゃいませ。
マスター、こんにちは。コーヒーをお願いします。あと、今日もちょっとご相談がありまして聞いていただけたら嬉しいです。
コーヒーですね。では用意をしながら、お聞きしますね。
ありがとうございます。今日の話は3年目になって聞くのも恥ずかしいのですが…(汗)サンプルを外国に送るときに、インボイスに価格を記載しないといけないのはどうしてなんだろう?ってっことなんです。今日、ふと気になって…。インボイスには「No Commercial Value」と記載しますし、商業用でないのなら「なぜ価格を書かないといけないんだろう?」と思って…。
なるほど。私も不思議に思ったことありますよ。でも、価格は書かなくてはいけませんね。それは、「外国貨物の輸入には関税がかかる」という原則があるからです。おそらく世界各国共通であり、無償サンプルだから免税というルールがあるわけではないからです。
輸入品には関税がかかるというのが原則なんですね。うちの会社で時々仕入れている輸入サンプルには関税がかかっていない気がするんですが、それはどういうことなんですか?
各国で関税制度は多少異なるとは思いますが、一般的に無償だから関税がかからないのではなくて、商業用でないサンプルであること、かつ、記載価格が関税をかける額に満たないから関税がかかってないと理解した方がいいですね。つまり、商業業でないサンプルであっても記載した価格が高ければ、関税がかかる可能性はありますよ。
そうなんですね。
ええ。税関も、書類に「No Commercial Value」と記載され、価格も5ドルと記載されていたとしても、そのサンプルの価値が高く、実際に国内で販売される可能性があるかどうかはチェックしていると思います。だから、税関は輸入者に本当にそのサンプルが非売品なのか、何に使用するのかを確認することもありますし、記載された金額が不相応に低い場合は価格表記に対して注意を促してくることもあります。
なるほど~。
「No Commercial Value」だから、無償サンプルだから、といって、関税がかからないというわけではありません。あくまで、条件が重なって、関税がかかっていないだけなんです。
よくわかりました。勉強になりました!ありがとうございます。
いえいえ、どういたしまして。さて、コーヒーが入りましたよ。ごゆっくりしていってくださいね。
はい!ありがとうございます。いただきます。