海上輸送と航空輸送、どちらの輸入が多い?
島国である日本の貿易は、海上輸送・航空輸送のどちらかで行われています。ではいったいどちらの輸送量が多いのかご存知ですか? 今回は、日本の貿易の輸出入量についてご紹介します。
海上輸送量が多い日本の貿易
前述の質問ですが、海上輸送と航空輸送を比べて、どちらの輸送量が多いのでしょうか? 答えは、輸出でも輸入でも「どちらも海上輸送のほうが多い」が正解です。
その量については、重量で量る方法と金額で量る方法があります。社団法人日本船主協会によれば、2013年度は重量ベースでは全体の99.7%、金額ベースでも76.7%が海上輸送で行われたそうです。
重量と金額で量ると割合に差が出る理由
ではここで、なぜ重量ベースと金額ベースで割合にここまで違いがあるのか、考えてみましょう。
これは一般的に、海上輸送の方が航空輸送より輸送費が安く、重量が重くて単価の安いものは、海上輸送を採択されることが一番の理由。
みなさんもご存知のとおり日本は資源の少ない国で、石油や液化天然ガス(LNG)、石炭、鉄鉱石などの資源をほぼ輸入していますし、小麦や大豆など輸入に頼っている食料品も多数。
また、日本が得意とする車や電化製品などの輸出も航空輸送は不向きで、海上輸送がメインとなり、重量ベースだと99.7%が海上輸送になるというわけです。
また、金額ベースになると、海上輸送の割合が76.7%と下がるのは、貴金属など単価が高く軽量のものは、航空輸送が多く利用されるということを表しています。
※関連記事:『なぜコンテナ船は海上輸送の主流となったのか?』『タンカー、バルカーって何?コンテナ船以外の貨物船の種類』
増え続ける日本の輸出入
みなさんも、身近な食料品や日用雑貨、衣料品、電化製品などから、外国製のものが多いことを実感しているかと思いますが、今やあらゆる産業が貿易を行う時代となりました。
財務省の貿易統計によると、2019年の輸出総額は75兆8,800億円、輸入総額は77兆1,713億円*。波はありますが、輸出量も輸入量も10年前に比べて増加傾向といえます。
*参考:財務省貿易統計
ちなみに1兆円の目安は、東京スカイツリーの総工費は650億円と言われていますので、1兆円では約15本建てられるという計算になります。
つまり、日本は外国へ約1,167本のスカイツリーを輸出し、約1,187本建てられるお金を使って輸入しているという計算になります。今、日本が貿易にどれだけお金を使っているか、少しでもおわかりいただけたでしょうか?
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