SWIFT(スウィフト)コードとは?IBANとの違いや、貿易実務での活用場面を紹介
SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)コードは、銀行経由の貿易取引で国際送金システムを利用するときに必要なコードです。SWIFTコードを使用することで、スムーズに商品代金を取引先へ支払うことができます。今回はSWIFTコードの概要や、実務で活用するメリット、SWIFTコードを調べる方法などを紹介します。
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SWIFTコードとは
SWIFTコードとは、SWIFT(国際銀行間金融通信協会)が定めた金融機関識別コードのことです。送金側の銀行が受取側の銀行を特定するために使用されていて、別名「SWIFTアドレス」「BICコード」とも呼ばれています。
SWIFTコードが割り振られているのは、日本の銀行や信用金庫なども含め、SWIFTに加入している世界の主要金融機関です。世界共通で使えることから、メーカー・商社などが銀行経由の貿易取引を行う際にも活用されています。
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IBAN・CLABEとの違い
SWIFTコードと同様に、国際送金で使われるコードに「IBANコード」や「CLABEコード」があります。この2つのコードとの違いは、導入されている国・地域とコードの桁数です。
世界の金融機関に割り振られているSWIFTコードは、8桁もしくは11桁のアルファベットと数字で構成されています。一方でIBANコードは、欧州や中東地域で中心に導入されているコードで、日本では採用されていません。桁数は最大34桁とSWIFTコードよりも長いことが特徴です。CLABEはメキシコ向けの送金で使われるコードで、計18桁から構成されています。
銀行によってはコードの取り扱いがない場合もあるので、送金時には調べる必要があります。
実務でSWIFTコードを活用するメリット
SWIFTコードを使用せずに送金する場合、銀行名や支店名、口座の種類などの情報が必要です。また、手続きをする際には、取引先に情報を確認したり、口座情報の入力をしたりするので送金まで手間も時間も掛かってしまいます。SWIFTコードを使用することで、送金先の口座番号を入力するだけで送金処理が完了しますので、日々の業務を正確かつスピーディーに行うことが可能です。
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SWIFTコードの構成について
SWIFTコードに含まれるアルファベットや数字には、それぞれ以下のような意味があります。
- 最初の4文字:金融機関コード(4桁の英文字)
- 次の2文字:ISO国名略号(2桁の英文字)
- 次の2文字:所在地コード(2桁の英数文字)
- 次の3文字:支店・部署(3桁の英数文字) ※11桁の場合
日本銀行のSWIFTコードは8桁で「BOJPJPJT」です。支店・部署に関する文字列が不要な本店のSWIFTコードは8桁、支店は11桁で表記されます。
海外銀行の該当コードを調べる方法
SWIFTコードを活用して国際送金を行う場合、取引先のコードが必要になります。取引先に確認して教えてもらうこともできますが、銀行のホームページから調べることも可能です。また、海外銀行のSWIFTコードをまとめているウェブサイトもありますので、活用すると業務がスムーズに進むでしょう。
銀行経由で行う貿易取引の決済方法
SWIFTコードが活用される銀行経由の送金方法には「電信送金(Telegraphic Transfer/T/T)」、「普通送金(Mail Transfer/M/T)」、「送金小切手(Demand Draft/D/D)」の3種類があります。
- 電信送金
電信送金は、国内の銀行間の振込と同じように、銀行間で電信による支払い指図を送る方法です。送金指示のタイムラグが発生しないため、スピーディーなやり取りが可能になります。 - 普通送金
普通送金は、支払い指図を郵便で行う方法です。郵送するため支払いまで時間が掛かるものの、手数料は電信送金よりも抑えることができます。 - 送金小切手
送金小切手は、小切手を使って支払う方法のことです。買主(輸入者)が銀行を通して売主(輸出者)に小切手を送付し、売主が銀行へ小切手を持ち込むことで代金が支払われます。
まとめ
海外の取引先と銀行経由で送金する場合、SWIFTコードを活用することで手続きを簡略化することができます。例えば、取引先との支払い方法が変更になった時には、取引先の銀行を特定できれば、通常入力が必要な銀行名、支店名、口座の種類などの情報を省略し、受取人口座番号(口座コード)を入力するだけで送金処理が完了します。
実務の中で、経理担当者からSWIFTコードについて尋ねられた際に、すぐに対応できるように調べ方や内容を理解しておくと良いでしょう。
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