悩み・質問

2018/01/11

急増している「合同会社(LLC)」という会社の形態をご存じですか?

一般的に、会社といえば「株式会社」を思い浮かべる方が多いと思いますが、「合同会社(LLC:Limited Liability Company)」という形態が、ここ10年で日本でも広まりつつあるのをご存知でしょうか?

そこで今回は、2006年5月の新・会社法施行以降、増え続けている「合同会社」についてご紹介します。日本にとっての貿易主要国であるアメリカ企業でも多いため、貿易実務に携わる方は、ぜひ覚えておいてくださいね。

合同会社って何?どうして増えているの?

合同会社は、2006年5月以降に設立できるようになった比較的新しい企業形態です。そして、2007年に9,547社が登記、2010年には15,736社、2016年には55,526社*と、倍々のペースで増加しています。
*「政府統計の総合窓口」e-Statデータ/[商業・法人登記(年次表)] 種類別 合同会社の登記の件数(平成19年~28年)より

その理由を理解するためにも、まずは合同会社と株式会社の違いについて以下の表をご覧ください。

株式会社と合同会社の違い

株式会社 合同会社
会社の代表者 代表取締役 各社員
代表社員を定めることも可能
意思決定最高機関 株主総会 社員総会
業務執行者 取締役 業務執行社員
業務執行社員を選任しない場合は社員全員
業務執行者と出資者の関係 委任契約(所有と経営が分離している)
株主以外からでも選任可
社員本人(所有と経営が分離していない)
社員以外からは選任不可
業務執行者の任期 通常2年、最大10年 任期なし
決算公告 毎事業年度ごとに必要 不要
出資者の利益配分 株式の割合に応じて配分 出資割合に関係なく社員の合意で自由に配分
株式(持分)の譲渡 自由(譲渡制限をかけることも可能) 社員全員の同意が必要

多くの相違点がある中から特に注目したいのが、合同会社には株式会社と違って「代表取締役が存在しない」「株という概念がない」という点です。

この特徴は会社の運営にも大きく影響し、合同会社は「株主がいない=出資者自らが業務を行う」形態であるため、迅速に意思決定がしやすいというメリットにつながります。そのため、合同会社はベンチャー企業に適しており、知名度の高い大手企業、特に外資系大手企業が、株式会社から合同会社に移行するケースも増えているのです。

加えて、合同会社の設立手続きは株式会社よりも簡易であること、また、節税対策にもなることから、個人事業主が会社化するときに選択されることが多く、そのことも合同会社が増え続けている理由のひとつです。
*昨今の政策において、個人事業主にかかる税率よりも会社(法人)の方が低く抑えられていることも影響していると言われています。

日本の商社や貿易会社の多くは株式会社であることがほとんどですが、それでも比較的新しい小売店やメーカーと取引している方は、合同会社と書かれた名刺を見かけることも増えているのではないでしょうか。また、冒頭でご紹介したようにアメリカ企業では合同会社は多く、契約書や貿易書類に「○○○○ LLC.」と記載されていたら、その会社は合同会社になります。

そもそも、会社って何?

さて、ここまで合同会社についての説明を進めてきましたが、話をさらに原点に戻し、「そもそも、会社って何?」ということを簡単にご説明します。

まず、会社とは「法人」のひとつの形態です。「法人格」という言葉があるように、個人(法律では自然人と表します)とは別に、もうひとつの別人格ができるということなのです。

法人には、個人にかかる所得税の代わりに法人税というものがあり、個人と同じように、法人住民税、法人事業税、消費税を支払う義務を負っています。それは、大勢の人が働いている会社はもちろん、個人が出資して作った一人会社だったとしても、法律上、個人とは別にとらえられ、個人と会社の財布はきっちり別々になるという意味でも、別人格とされているのです。

皆さんが働いている会社の中には、最初は社長が一人で起業した会社もあると思いますが、個人でスタートした事業を会社化する(株式会社や合同会社にする)というのは、個人と会社を切り分ける、さらにいえば、会社の資産と個人の資産を分けることをひとつの目的にしていることでもあるのです。

言い換えると、会社の利益がそのまま個人の儲けとはならない代わりに、会社の借金が個人の借金にならない、ということでもあり、そのことを専門的には「有限責任」と言います。

冒頭でご紹介した合同会社の英名、LLCというのは、Limited Liability Companyの略語ですので、まさに「有限責任をうたっている」ということになるのです。

*個人事業主は事業に対して無限責任があります。また、合同会社、株式会社以外の形態である、合名会社や合資会社は、会社という法人でありながら、出資者の責任が重く、個人事業主の集まりのような形態となります。そのため、個人と会社を分けるために会社を設立する場合には利点が少なく、一般的に選択されることがあまりありません。

 

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