「褒める」技術を磨いて、コミュニケーション上手を目指そう
職場でのコミュニケーションを円滑に進めるためには、相手との信頼関係を築くことが大切です。そして、良好な人間関係づくりのために有効な方法のひとつが、相手を「褒める」ということ。
相手の信頼を得て心を動かすことのできる褒め方について、その重要性を再確認していきましょう。
褒め下手な日本人は損をしている!?良好な関係づくりに「褒め」が効く
一般的に、日本人は感情を伝えるのが下手だと言われています。それに対して欧米などでは「Good Job!」「Excellent!」など、まるで挨拶をするかのように、気軽に褒めるということが行われていますよね。ポジティブな気持ちを言葉で表現することは、とても重要なコミュニケーション手法のひとつ。周りの人を笑顔にし、良好な関係を築き続けるためにも、「褒める」ことを意識的に行ってみてはいかがでしょうか。
褒めることは、相手を認めること
次にお話しておきたいのは、褒めるという行為はお世辞とは異なるということ。お世辞は、いわば相手を喜ばせるために誇張した言葉であり、自分の立場をよくするために言うものです。それに対して「褒める」という行為は、相手への心からの素直な気持ちを伝えること。それは、相手の存在を認めるということでもあります。自分の存在を認めてもらえるということは、その人にとっての大きなモチベーションにもなります。褒め言葉は、時に相手を動かす力となりうるのです。
今日から実践!5つの褒め方レッスン
褒め方レッスン1:褒め言葉をかけやすい空気を作る
褒め上手になるためのファーストステップは、褒めやすい環境づくりです。日ごろからあまりコミュニケーションを取っていない相手に対して、いきなり褒め言葉をかけるのはハードルが高いですよね。欧米人のような気軽さで褒め言葉をかけられるよう、コミュニケーションを取りやすい雰囲気づくりを目指しましょう。と言っても、むずかしいことは必要ありません。積極的にあいさつや声掛けをするだけでOK。気軽に言葉を交わせる相手を増やしていきましょう。
褒め方レッスン2:褒める相手を知る
環境が作れたら、いよいよ「褒め」の実践です!試しに職場の誰かを思い浮かべ、その人を褒める言葉を10個挙げてみましょう。2、3個はすぐに思いついても、10個となると難しいかもしれません。普段から相手の様子や行動を把握し、その人をよく知っておけば、ちょっとした変化や成長にも気づくことができます。「●●さん、この3か月で事務処理のスピードが上がったな」「●●さんの新しい髪型、素敵だわ」「●●さん、最近顔つきがしっかりしてきたな」などの気づきをたくさん持つことも、褒め上手に近づく大切なポイントです。
褒め方レッスン3:相手の行動を褒める
人は、具体的な行動を褒められると「自分の事をちゃんと見てくれている」と感じ、モチベーションが上がります。相手の立場に立ち「この人は、こういう考えのもとに行動したのだろうな」と想像しながら褒める言葉を選びましょう。「いつも植木の水やりをしてくださって、ありがとうございます。気づいていても、なかなかできないことですよ。」「資格合格、おめでとうございます!仕事も忙しい時期なのに、勉強と両立できるなんてすごいです。」など、努力していたことや行動のプロセスを褒めると、きっと相手も喜んでくれますよ。
褒め方レッスン4:自分の思いをプラスする
一般的に、褒め言葉としてよく使われる「すごいですね!」「さすがですね!」などの言葉。これだけでも悪くはないのですが、ぜひ自分の思いを付け加えてみましょう。「すごいですね!私も見習いたいです。」「さすがですね!きめ細やかな心配りにいつも助かっています。」など、自分の思いを伝えることで、より心のこもった褒め言葉になります。ストレートに伝えるのがむずかしい場合は、「いつもすごいですね。●●さんも、そう言っていましたよ。」など、第三者の言葉を借りて間接的に思いを伝えるのもひとつです。
褒め方レッスン5:目上の人を褒める
最後にご紹介するのは、年上の相手や上司を褒めるときのコツです。ポイントは、失礼にあたらないように敬意と感謝を持って適切な言葉を選ぶこと。そして、素直な気持ちを付け加えることが大切です。「どうすれば、あんなに大勢の前で落ち着いて話せるのですか?」「いつも勉強になります。●●さんのように、▲▲▲ができるようになりたいです。」など、自分が感じたことや影響を受けたことなどを伝えると、好意的に受け取ってもらえるでしょう。
まとめ
言葉ひとつで相手をうれしい気持ちにしたり、やる気を引き出したりもできる。褒めることの効果は絶大です。ぜひ、仕事だけでなく、プライベートでも友人や家族を褒める機会を増やしてみてはいかがでしょうか。きっと今よりも、自分の周りに笑顔がますます広がっていくことでしょう。