派遣とアルバイトの違いとは?働き方・給与の違い、それぞれのメリットとデメリットを紹介
お仕事探しをする中で、「自分のライフスタイルにあった働き方をしたいけれど、派遣とアルバイトの違いがよく分からない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?そんな方に向けて、今回はそれぞれの働き方の特徴や、メリット・デメリットをご紹介します。「今すぐには転職を考えていない」という方も、ぜひ今後の働き方を考えるときの参考にしてくださいね。
- 目次
- 派遣とアルバイトの違いとは?
- 派遣社員として働くメリット・デメリット
- アルバイトとして働くメリット・デメリット
- 派遣とアルバイト、それぞれの働き方をおススメしたいのはこんな方!
- 派遣の2種類の働き方
- 派遣からアルバイトなどの直接雇用に切り替えることのメリット・デメリット
- アルバイトから派遣に働き方を切り替えることのメリット・デメリット
- 派遣とアルバイト、自分に合ったお仕事探しをしましょう
派遣とアルバイトの違いとは?
派遣とアルバイトは、自分のライフスタイルに合った働き方を実現しやすいという共通点がありますが、同時に違う点もたくさんあります。派遣とアルバイトふたつの働き方の違いを、雇用期間や仕事内容などの項目別にみていきましょう。
派遣とアルバイトの「働き方・雇用形態」の違い
派遣とアルバイトそれぞれの働き方の違いや雇用形態、お仕事を始めるまでのステップをご紹介します。
派遣
オフィスワークや専門性の高い職種の求人が多く、お仕事探しやキャリアアップの際に、派遣会社のサポートを受けられるのが特徴です。
派遣会社に登録して、仕事内容、勤務時間、勤務地、時給などの希望条件を伝えると、派遣会社が条件に合ったお仕事を案内してくれます。派遣先企業が決まった後に、派遣社員は派遣会社との雇用契約を結び、派遣会社のスタッフとして派遣先企業で就業します。
<お仕事開始までのステップ>
①派遣会社に登録する
②派遣会社からお仕事を案内してもらう
③派遣会社と雇用契約を結ぶ
④派遣先企業にてお仕事をスタート
アルバイト
一般的に補助的な業務や定型業務などが中心で、その分、未経験でも応募できるお仕事が比較的多いのが特徴です。働く時間や期間をコントロールしやすく、学業と両立したい学生やダブルワークの方も多数活躍しています。アルバイトは勤務先と雇用契約を結ぶ直接雇用です。
<お仕事開始までのステップ>
①求人情報を探す
②履歴書を作成して求人に応募する
③面接を受ける
④企業と直接雇用契約を結ぶ
⑤お仕事スタート
※関連記事:『派遣社員と契約社員の違いって何?メリット・デメリットを徹底比較!』
派遣とアルバイトの「雇用期間」の違い
派遣では一部の例外を除き、ひとつの組織で働ける期間が最長3年間と労働者派遣法で定められています。期間は3ヶ月や6ヶ月単位で雇用契約を結ぶ場合が多く、契約終了予定日の30日前までに、派遣会社から次回の契約更新有無の意思確認が派遣先企業とスタッフに対して行われます。三者合意の場合は契約更新となります。
アルバイトの場合、有期雇用ではありますが、あらかじめ雇用期間を定めずに働くことも多いようです。1日だけのイベントワークや催事などの短期募集のお仕事から、長期間のお仕事までさまざまです。
派遣とアルバイトの「仕事内容」の違い
次に、派遣とアルバイトの仕事内容の違いを比較してみましょう。
派遣の「仕事内容」
もちろん派遣でも未経験可能なお仕事はありますが、一般的には即戦力となる人材が求められます。アルバイトで多い接客販売のお仕事もありますが、割合的には事務のお仕事の方が多くなります。お仕事内容が専門的になるほど応募条件のレベルも高くなり、OAスキルや一定年数の実務経験などの条件が必須となることも。
派遣スタッフが雇用契約を結ぶのは派遣会社ですが、実際にお仕事の指示を受ける相手は派遣先企業の担当者です。雇用契約を結ぶ際に就業条件が明示された書類が発行され、そこに書かれた業務内容、始業・終業時間に基づいて勤務します。
働き方もお仕事によってさまざまです。曜日や就業時間が固定されている場合もあれば、シフト制のことも。例えば販売やコールセンターでのお仕事はシフト制が多く、週3日勤務などの募集もあり、アルバイトと同様に日数や時間的な面で比較的柔軟な働き方が実現できるでしょう。
アルバイトの「仕事内容」
アルバイトは職種にかかわらず未経験でも応募しやすい求人が多いのが特徴です。勤務場所は店舗や工場などの現場も多く、1日だけのイベントスタッフや試験監督などのお仕事もあります。任される業務の範囲は、派遣や正社員と比べると限定的になることも多いでしょう。シフト制の勤務が一般的で、週や月単位で予定を組みやすいのも特徴です。
派遣とアルバイトの「給与面」の違い
同じ様なお仕事内容であっても、派遣とアルバイトでは給与が異なる場合があります。次に、派遣とアルバイトの給与面の違いを見ていきましょう。
派遣の給与
派遣の給与は、雇用契約を結んでいる派遣会社から支払われます。そして、派遣はアルバイトよりも高い時給が設定される傾向にあります。その理由は、一般的に高度なスキルが求められ、企業からも即戦力として期待されているから。スキルや経験に対する付加価値として支払われているため、専門性が高いお仕事ほど時給は高く設定されます。
アルバイトの給与
アルバイトの給与は就業先の企業から直接支払われます。お仕事によっては研修期間が設けられることもあり、通常時給よりも50円~100円程度時給が低い設定のこともあるようです。ただし最低賃金は保証されます。
派遣とアルバイトの「福利厚生面」の違い
福利厚生には法律で定められた「法定福利厚生」と、企業が設定する「法定外福利厚生」の2種類があります。法定福利厚生には厚生年金保険や健康保険などがあり、基本的に就業形態での違いはありません。それを踏まえて、違いを比べていきましょう。
派遣の福利厚生
派遣の福利厚生は、雇用主となる派遣会社が定めたものを利用し、要件を満たせば社会保険に加入できます。また派遣先企業での休憩室や更衣室の利用なども、派遣先に利用配慮が求められます。各派遣会社の規則規程に応じて、有給休暇や健康診断、産前・産後休暇や育児休暇取得などの福利厚生を利用できるケースもあります。
更に、スタッフのキャリアアップを応援する研修や資格取得講座の実施、ストレスチェック、相談窓口の設置、派遣会社が契約する施設の優待など、多彩な制度が利用可能です。派遣会社を選ぶ際、希望する福利厚生の有無で判断するのもおススメです。
※関連ページ:充実と安心!イチオシのパソナ福利厚生サービスをご紹介
アルバイトの福利厚生
1週間あたりの労働時間などの加入要件を満たせば、アルバイトも雇用保険や健康保険などの法定福利厚生を受けられます。アルバイトが受けられる法定外福利厚生の代表的なものは、交通費の支給や食事補助などが挙げられます。
派遣社員として働くメリット・デメリット
次に、派遣社員として働くメリット・デメリットをご紹介します。アルバイトとの違いを比較しながら、読んでみてくださいね。
派遣社員として働くことのメリット
- 派遣会社が希望条件に合うお仕事を案内してくれる
- オフィスワークや専門性を活かしたお仕事が多く、スキルアップを図りやすい
- 就業先でトラブルがあったときは、派遣会社の営業担当が間に入ってフォローしてくれる
- アルバイトと比較して、時給が高めに設定されているケースが多い
- 派遣会社が実施する研修や福利厚生などのサポートを受けることができる
派遣社員として働くことのデメリット
- 実務経験が少ない場合、ノンフルタイムや時短勤務のお仕事は競争率が高い
- 直接雇用ではないため、3~6ヵ月ごとに契約更新が発生する
関連記事:『今さら聞けない?!働きかた別メリット・デメリットを知っておこう』
アルバイトとして働くメリット・デメリット
派遣とアルバイトには、お仕事をスタートするまでのプロセスや雇用形態の他にも、さまざまな違いがあります。それぞれのメリット・デメリットを知り、自分に合った働き方を考えてみましょう。
アルバイトとして働くことのメリット
- シフト制が多く、月ごとに働く日数を調整できたり、直前で勤務を交代してもらえたりと、融通が利きやすい
- 採用のハードルが比較的低いので、選考から採用までスピーディに進むことが多い
- 飲食、接客・サービス、軽作業などの求人が多く、条件に幅を持たせれば仕事を見つけやすい
アルバイトとして働くことのデメリット
- お仕事を探す際、自分で求人情報を探して、都度応募しないといけない
- アルバイト先とのトラブルなどが発生したときは、自分で対処する必要がある
- 業務特性上、定型的なお仕事が多いため、職歴としての評価やキャリアアップに結びつきにくい
- アルバイト先によっては、福利厚生が整っていない場合もある
派遣とアルバイト社員、それぞれの働き方をおススメしたいのはこんな方!
「派遣とアルバイトの違いや特性はわかったけれど、どちらが自分に合っているのだろう?」という方は、まず自分が希望する条件を具体的にリストアップしてみることをおススメします。
たとえば、「将来活かせるキャリアやスキルに伴った収入を得たい!」という方は派遣を、「仕事内容を問わず、とにかく自由な時間がほしい!」という方はアルバイトという働き方を選んでみてはいかがでしょうか。
こんな方は派遣がおススメ!
- 時間をコントロールしながらも、しっかり収入を得たい
- オフィスワークがしたい
- 未経験から事務職や事務系専門職(経理・貿易事務・秘書など)に挑戦したい
- 企業での就業経験を積み、スキルアップやキャリアアップがしたい
- 福利厚生やキャリアサポートを受けたい
こんな方はアルバイトがおススメ!
- 自由な時間を確保したい
- 急なシフト変更など時間の融通の利く働き方がしたい
- 今すぐにでも働きたい
- Wワークで土日だけ、もしくは夕方から短時間だけ働きたい
派遣の2種類の働き方
派遣には大きく分けて2種類あります。派遣の仕組みをおさらいしながら、それぞれの特徴をご紹介します。
1.一般派遣
派遣会社から紹介された企業で勤務する働き方です。業務の指示命令は派遣先企業の担当者が行いますが、給与の支払いは雇用契約を結ぶ派遣会社が担います。
1つの派遣先で働ける最長期間は3年と定められており、一般的には3~6ヶ月単位の契約を更新しながらお仕事を続けていきます。契約満了となれば、別の派遣先で新しいお仕事に取り組むこととなります。
2.紹介予定派遣
紹介予定派遣は、一定期間派遣社員として勤務した後に、派遣先企業の正社員ないしは契約社員として直接雇用に切り替える働き方です。まずは派遣先企業との面接を行い、合格すれば最長6ヶ月の派遣勤務を経て、派遣社員と派遣先企業双方の合意をもって直接雇用の契約が結ばれます。
6ヶ月の派遣期間は、お互いを知る期間。働きながら派遣先企業の雰囲気や業務内容が自分とマッチするかを見極め、直接雇用となるか否かを決められます。
派遣からアルバイトなどの直接雇用に切り替えることのメリット・デメリット
さまざまな角度から派遣とアルバイトの違いを解説してきましたが、どちらの働き方が自分に合っているのか分からないという方も多いでしょう。派遣とアルバイト、それぞれのメリットやデメリットを整理することでヒントが見えてくるかもしれません。
派遣からアルバイトなどの直接雇用に切り替えるメリット
直接雇用の大きなメリットのひとつが、同じ企業で比較的長く働き続けやすくなる点です。ただし、直接雇用イコール無期雇用とは限らず、基本的に有期雇用であることを知っておきましょう。
派遣からアルバイトに切り替えるデメリット
自分に合ったお仕事探しや契約条件の交渉など、派遣会社が派遣先企業との間に入って調整してくれていたことは、すべて自分で対応することになります。また、正社員に切り替える場合は、週3日勤務や時短勤務などの働き方が難しくなる可能性がありますし、残業や転勤を余儀なくされるケースもあるでしょう。
個人の融通が利きやすい「派遣ならではの特長」が気に入っている方にとっては、直接雇用はデメリットが大きくなるかもしれません。
アルバイトから派遣に働き方を切り替えることのメリット・デメリット
アルバイトから派遣に切り替える場合のメリットやデメリットを考えてみましょう。
アルバイトから派遣に働き方を切り替えることのメリット
未経験からオフィスワークや事務系専門職(経理・貿易事務・秘書など)に挑戦しやすくなります。また、スキルアップやキャリアアップに挑戦することで高時給のお仕事に就けるため、個人的な時間の融通を利かせながら収入アップが期待できます。
アルバイトから派遣に働き方を切り替えることのデメリット
アルバイトでは、勤務日直前にスタッフ同士でシフトを交代するなどの調整がしばしば行われています。ですが、時間の融通が利きやすい派遣社員において個人間でのシフト交渉はご法度であり、必ず派遣会社を通して調整する必要があります。
派遣とアルバイト、自分に合ったお仕事探しをしましょう
ここまでご紹介してきたように、派遣とアルバイト社員、どちらの働き方にもメリット・デメリットがあり、一概に「アルバイトが良い、派遣が良い」とおススメすることはできません。ですが、「今後どう働きたいか」「将来的にどんな自分になりたいか」という長期的な視点を持ったうえで、お仕事について考えてみることが大切です。
時間の確保を優先するのか、仕事内容や収入、スキルアップ、福利厚生を優先するのか。派遣とアルバイト社員の違いをしっかり理解し、優先順位を考えながら、自分に合った働き方を選んでみてくださいね。
派遣のお仕事に興味がある方や、自分にあった働き方で悩んでいる方派遣とアルバイトは、一度派遣会社のパソナへ相談してみてはいかがでしょうか。
参考サイト:
- さまざまな雇用形態│厚生労働省
- 派遣労働者の皆様へ(PDF)|厚生労働省
- 人材派遣の仕組みについて│一般社団法人 日本人材派遣協会
- 派遣社員WEBアンケート調査│一般社団法人 日本人材派遣協会
- 今さら聞けない?! 働きかた別メリット・デメリットを知っておこう|シゴ・ラボ