Power BIでできる!ソーシャルリスニングに役立つTwitter分析
Power BIはアイデアと工夫次第で、幅広い分野のデータ分析に役立てることができます。日頃、Power BIの公式ブログやデータストーリーギャラリーでは、さまざまな分野でのデータ分析の活用事例が頻繁に紹介されていますが、それ以外でもPower BIの情報を発信する方々が増えています。
今回は、「マイクロソフトのデベロッパーネットワーク(MSDN)」で取り上げられた事例を紹介します。Twitterのデータを使ったインタラクティブなレポート事例なので、マーケティングを学びたい人にとっても、BIの使い方を知りたい人にとっても、興味深い内容となっています。
Twitterユーザーの意見を分析する
【事例の概要】
Twitterを使って定期的に情報を発信している技術者のSamuel Lesterさんが、自身のTwitterアカウント (@SQLSamLester) のデータを分析しました。レポートを作るにあたっては、ある程度のツイート数が蓄積されている必要があります。また、ハッシュタグ分析を行うには、ツイートの中にハッシュタグが含まれている必要があります。
【レポートの作り方】
レポート作成には、Power BIが無料提供している「ソリューションテンプレート」の「the Campaign/Brand Management for Twitter」というテンプレートを使用します。
このソリューションテンプレートには、あらかじめTwitter分析に求められる複数の視覚化がテンプレートとして供給されているので、イチからレポート作成を行わなくても、アカウント情報や分析に使うキーワードを設定することで、スピーディにレポートを完成させることができるのが特長です。
たとえば、ソリューションテンプレートを使ってTwitterユーザーのセンチメント分析(※)、トレンドに上がっている話題の調査、やりとりの盛んな話題の確認、などをレポートとしてまとめることが可能です。
※参考:Twitterのセンチメント分析とは、発言の内容から「否定的」「肯定的」などユーザーの反応(感情)を分析するものです。分析にはテキストマイニングなどのツールが必要となります。
Twitter分析の詳細
インタラクティブなレポートは、以下から閲覧することができます。
6枚のシートで構成されたレポートの中身を順番に紹介します。
シート1:キーワードの追跡①
指定したキーワードが含まれる「つぶやき」やリツイート、メンションなどをレポートにまとめています。こちらはアウトバウンドツイートで、ユーザー自身が行ったツイートやリツイートのデータです。
シート2:キーワードの追跡②
1枚目のシートとよく似ていますが、こちらはインバウンドツイートの分析レポートです。インバウンドツイートとは、ユーザー本人以外からユーザーに対してメンション・リツイートされたツイートのことを指します。日付の部分をクリックしてドリルダウンすると、どんなキーワードに対して反応があったのか、個別に詳しく見ることができます。
シート3:マトリクス図
キーワード同士の関連を示したマトリクス図です。画面の下では、日ごとのツイートのボリュームを棒グラフで確認できます。また、画面の左には、フィルターをかけるためのユーザーの一覧が表示されています。キーワードとつぶやき主の関係を相関図で示しているため、あるキーワードについて誰がメンションしたのか確認できます。それらを時間軸で追うこともできるため、特定のキーワードが盛り上がった原因について、日付を辿って推測することが可能です。
シート4:ハッシュタグに基づく分析
ハッシュタグやユーザー名で絞り込みをかけ、どんな内容がつぶやかれたのか生のツイートを画面で確認することができるレポートです。具体的なツイートを確認すると同時に、円グラフでセンチメントのネガティブ・ポジティブの割合も表示できます。また、ツイートの絞り込みはハッシュタグとあわせ、期間を指定する複合的なフィルタリングも可能です。
シート5:センチメントの分析
ツイッターのつぶやきからセンチメントを分析したグラフです。ユーザーのセンチメントや、キーワードに対するセンチメントが確認できます。 横軸の右側がポジティブな反応、左側がネガティブな反応です。たとえば、ネガティブな発言の多いユーザーをクリックして発言内容を画面下に表示させ、具体的にどんな内容がつぶやかれたか確認することもできます。
シート6:ツイートのインパクト
もっともインパクトがあったツイートを探し出すことができる分析レポートです。ツイート数やセンチメントなど、複数の変数を指定した上で重要なツイートを探します。影響力のあるツイートを知ることによって、今後のつぶやき内容を検討するのに役立ちます。
いかがでしたか。デジタルマーケティングにおいて、ファンとのつながりを持続させるために必須のツールともなっているTwitter。今回はそのツイートを使い、ユーザーの意見を分析する「ソーシャルリスニング」はどのように行われるのか、実際の事例データを通してイメージできたのではないでしょうか。ソリューションテンプレートの利用は無料。Azureの環境があれば、ぜひ試してみてください。