データベース系のお仕事でニーズが高い「Access」の基礎知識
時代に左右されない将来性のある職種として注目を集めている、データ分析のスペシャリスト「データオペレーション」。データオペレーション業務で活躍するために知っておきたいのが、
データ管理ソフト「Access」の知識やスキルです。今回は「Accessの基礎知識」と題して、Access初心者が知っておきたい情報をまとめました。
※関連記事:『【初心者向け】Accessの使い方解説!データベースの基礎を学ぼう』
データオペレーションとは、データベース・Excel・Accessを活かしたお仕事
本題に入る前に、まずは「データオペレーション」というお仕事についてご説明しましょう。パソナでは、データ集計・分析、VBAを使ったツール作成、データベースの知識やスキルを活かしたお仕事を「データオペレーション」と呼んでおり、具体的なお仕事内容を以下の3タイプに分類しています。
・集計・分析系
ピボットテーブルやVLOOKUP関数などを使ったExcel上でのデータ加工・集計を行い、将来的にはBIツールを使ったレポート作成なども担当します。
・VBA系
Excel・AccessいずれかのVBA(処理を自動化するプログラミング言語)を用いたお仕事です。VBAの修正からスタートし、ゆくゆくはVBAでのツール作成や小規模システムの開発などを担当します。
・データベース系
主にAccessを駆使した大量データを扱うお仕事です。Accessの選択クエリを使用したデータ抽出から、集計クエリ作成・リレーショナルDB作成・基礎的SQL発行という順にスキルアップを目指します。
このうち、データベース系のお仕事ではAccessのスキルを磨くことで活躍のチャンスが増えますし、案件によってはExcelとAccessを連携して、集計・分析やツールを作成する業務などが発生する可能性も考えられます。担当業務の幅や、お仕事探しの選択肢を増やす意味でも、Accessのスキルを身につけておくのがオススメです。
そもそもAccessって何なの?
Accessとは、マイクロソフト社が開発したデータベースソフトです。データを管理するという目的においてはExcelと似ているものの、Accessはさらに大量のデータを管理する機能に特化しています。Accessのデータはクラウド化して各種データベースに格納することができ、作成したAccessのアプリを複数のメンバーで共有したり、基幹業務アプリとAccessのデータを統合したりと、データを活用するための機能が充実しているのも特徴。また、MySQLなど他のデータベースソフトに比べて専門的な知識がなくても扱えることから、ビジネスの現場で広く親しまれています。
【参考】データベースとは
大量のデータを簡単に検索・蓄積できるよう、一定のルールで整理された情報の集まりが「データベース」です。決まった形式で情報が集約され、その情報を共有したり、検索したりできることから、紙の住所録や辞書などもデータベースといえます。
※関連記事:『ExcelやAccessスキルが活かせる!データオペレーションってどんなお仕事?』
ExcelとAccessの大きな違いは「テーブル」の存在
先ほども触れたとおり、ExcelとAccessは、“データベースの作成やデータの加工・抽出ができる”という点では共通しています。しかし、AccessがExcelと大きく異なっているのは、より多くのデータ管理・集計を行うために“データの集まりを表(テーブル)として管理している”こと。
Excelは1枚のシート上で、表・グラフ作成などの機能が使えるほか、数値だけでなく文字も入力できるので、Wordと同じように文書作成を行うことも可能です。
それに対してAccessは、より大規模なデータベースの管理を効率的に行うために、入力に関するさまざまな制約が発生します。そのひとつが、データ入力を「テーブル」上で行うということ。テーブル上で数値入力を設定した列には、数値以外の文字は入力できない、といった特徴があります。テーブル上にデータが保存されていることで、「クエリ(問合わせ)」や「レポート」などの機能が利用できます。イメージするなら、大きな棚(データベースファイル)の中に引き出し(テーブル)があり、その中に個々のデータが入っている状態です。
また、Accessでは「商品」「売り上げ」など、テーマごとに複数の表を関連付けることも可能です。これは「リレーショナルデータベース」と呼ばれるもので、「会社別の担当者とメールアドレスの一覧が欲しい」「新規取引先の宛名ラベルを印刷したい」といった作業も、Accessなら容易に行うことができます。このように、Accessを使えば大量のデータを効率よく収集でき、さらに複数のテーブルを関連づけて有効活用できるのです。
Accessを使うなら知っておきたい「オブジェクト」とは
Accessを知る上で、テーブルの他にもうひとつ頭に入れておきたいのが「オブジェクト」という概念です。日本語では「物」や「目的」という言葉に訳されますが、Accessの場合はデータベースを構成するパーツやツールの総称を意味します。代表的なオブジェクトをいくつかご紹介します。
●Accessのデータベースを構成するメインのオブジェクト
・テーブル:Accessの基本となるオブジェクトで、データを蓄積・保存する場所です。
・クエリ:条件に合ったデータの並べ替えや抽出、加工を行います。
・フォーム:テーブルへのデータ入力や更新、削除を行います。
・レポート:蓄積されたデータの集計結果などを印刷画面として表示します。
●操作の自動化に関するオブジェクト
・マクロ:操作を自動化するプログラムです。
・モジュール:VBAを使用して、マクロよりもさらに高度な自動化を行うプログラムです。
パソナの講座で効率よくAccessを学ぼう
パソナでは、Accessの実務スキルを向上したい人はもとより、初めてAccessに触れる方向けの講座も充実しています。初級ポイント講座では、リレーショナルデータベースの概念からテーブル作成、クエリなどAccessの基本操作を学びます。少人数制のハンズオンクラスだからこそ、独学でつまずきやすいポイントもしっかりカバーでき、ちょっとした疑問もその場ですぐに解消できます。効率よく学習を進めたい方は、受講を考えてみてはいかがでしょう。
まとめ
Accessを使ったデータベースの作成や、データの集計・抽出ができる人材は、業界を問わず常にニーズの高い存在。さらにデータオペレーションの専門スキルを高めれば、将来的にロボットを使ったお仕事(RPA)や、デジタルマーケティングなどの職種にキャリアチェンジすることも可能です。ぜひ、講座のスケジュールをチェックしてみてくださいね。