【ミス予防】伝票チェック時に気をつけるべきポイントは?
今回は、経理業務の中でも基本中の基本である「伝票」の処理を、ミスなくこなすコツについて紹介します。企業の取引を記録する「伝票」には、業務によってさまざまな種類があることから、経理初心者の頃は特にケアレスミスも発生しがち。この機会にコツをしっかり頭に入れておきましょう。
数多く処理するため、ミスをしやすい伝票処理
最近は会計ソフトやExcelの普及で、ペーパーレスの会社も増えてきましたが、紙の伝票を使っている会社はまだまだたくさんあります。
効率化や業務改善を考えると、デジタル化する流れが世の中にはありますが、業種や会社によってさまざまな事情もありますし、ペーパーレスが当然になるのはもう少し先の話でしょう。
経理業務とは切っても切れない関係を持つ伝票ですが、数多く処理するぶん見落としも起きやすいもの。経理事務のミスを減らすためには、チェックすべきポイントをしっかり理解しておくことです。
そこで、自分が伝票を作る時はもちろん、後輩・部下の伝票を確認する時にも、以下のようなチェックポイントを知っておきましょう。
入金・出金伝票のチェックポイント
・「勘定科目」は合っているか
・「金額」に間違いはないか
・「摘要」は第三者からも理解できる内容になっているか
・「支払先」の記入漏れはないか
・作成者印が押されているか
・上司の承認印をもらったか(あるいは自分が承認印を押したか)
特に「勘定科目」と「金額」は、会計処理をするうえでも非常に重要かつミスしやすいポイント。時間がなくてチェックに十分な時間が取れない時も、最低限この2点だけは間違いがないか確認しましょう。
また、摘要欄がしっかり理解できる内容になっているかも、のちのち重要になってくるケースがありますので要注意です(摘要欄については、後で詳しく説明します)。
振替伝票のチェックポイント
・「貸方合計」=「借方合計」になっているか
・「勘定科目」は合っているか
・「金額」に間違いはないか
・「摘要」は第三者からも理解できる内容になっているか
・作成者印が押されているか
・上司の承認印をもらったか(あるいは自分が承認印を押したか)
振替伝票では、「入金・出金伝票」で挙げた3つの重要ポイントのほか、「借方合計」と「貸方合計」が合っているか、というのも重要なポイントになります。
複式簿記でも意外とイコールになっていないというミスは起きやすいもの。その他の点については、入金・出金伝票と同じようにチェックしましょう。
摘要欄をしっかり書く・チェックすることでミスを減らせる!
毎日たくさんの処理をしていると、個別の会計処理について一つひとつ覚えていられないですよね。だから後日、数字が合わない時に「どのタイミングで、このミスが起きてしまったのか」を確認するのは至難の業。
経理初心者の場合、手当たり次第に帳簿や領収書を突き合わせる力技に頼ってしまいがちですが、効率よくミスを見つけられるテクニックもあります。それが、摘要欄の活用です。
例えば、摘要欄に「ボールペンの10本セット」と書かれているのに、金額欄は「10,000円」となっていたら「ゼロが一個多いんじゃないか?」と気づけるでしょう。このように、摘要欄に詳細がしっかり書かれていることで、ミスを素早く見つけられるかもしれません。
反対に、もし摘要欄に「ボールペン」とだけ書かれていた場合は、本数もわからず、「消耗品」「通販」などでは金額の妥当性すらわかりません。
後から伝票を見返した時に、「どういう取引か」「妥当な取引か」を判断できるように書いておくことが、摘要欄記入のポイントなのです。
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