経理の専門性を高める、どこまでがいいの?
経理・会計職として働くなかで「経理のより深い専門知識をつけようと勉強しているけど、どこまで専門性を高めればいいかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。今回は、経理としてのキャリアアップにつながる「専門性を高める方法」についてご紹介します。
キャリアアップには専門知識を深めることが必要!?
経理といえば、簿記の知識を身につけ、3級→2級→1級とステップアップしながらチャレンジしていく…という方法が一般的かもしれません。しかし、経理としてのキャリアアップのためには、簿記の知識を深めることだけが必ずしも重要とは言えません。それが何故なのか、どうすればキャリアアップにつながるのか、詳しくご説明していきましょう。
専門知識と実務にはギャップがある
簿記の知識は経理としての仕事の基盤となるもので、経理にとって簿記の勉強は不可欠です。しかし、勉強で学んだ全ての知識が実務で活きるかというと、そうとも言えません。せっかく専門知識を深めても、役割や業務内容によっては、実務で役に立たないこともしばしばあります。
そう考えると、「実務をこなすうえでは、基本的な知識さえ身につけていればよい」と考えることもできます。目安としては、簿記2級レベルの知識があれば十分でしょう。
会計士や税理士を目指すといったケースでない限り、すでに簿記2級をお持ちの方は、簿記1級取得よりも過去に学んだ簿記2級の内容を復習して、実務に役立てることをおすすめします。
基礎知識を固めたうえですべきことは?
それでは、経理は基礎知識さえ身につけていればよいのでしょうか?たいていの場合、その答えは「NO」です。経理として活躍するためには、基礎知識を身につけたうえで経理以外の分野について幅広い知識を身につけることが重要です。
具体的には、自社が属する業界の詳しい知識や、給与計算や社会保険等の総務・人事の知識、IT関連の知識、財務の知識など…。実務経験を伴う経理の知識に、このような周辺知識が加われば、確実に「頼りになる経理」として重宝され、その後のキャリアアップにもつながります。実務であまり役に立たない専門知識にこだわるよりも、有用な場合もあります。
幅広い知識を自分の強みにしよう!
もちろん「経理のエキスパートになろう」と専門性を高める勉強に励むのも、一つの道です。しかし、「現場で本当に頼りにされる経理になりたい」という方は、経理以外の幅広い知識を身につけることも重要です。そのうえで、自分だけの得意分野を持てるようになれば、さらに重宝されることでしょう。