経理へ転職・復帰したい!これだけはおさえておきたいポイント
社会人なら、一度は「転職」の文字が頭をよぎったことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ転職をしようとなると、どんな準備が必要なのか、転職前に取得すべき資格はあるのかなど、分からないことが多く躊躇してしまう方も多いはず。
ここでは、経理への転職に悩む方のために、転職活動におけるポイントや、経理未経験者が取得しておくと有利な資格についてご紹介します。また、産休や育休でブランクのある経理経験者が、職場復帰するために押さえておきたいポイントもあわせて解説していきます。
- 目次
- 転職活動を効率的に進める方法
- 【経験者向け】ブランクからの復帰は可能?
- 【未経験者向け】そもそも未経験から経理に転職できるの?
- 【未経験者向け】経理への転職、まずは何を行うべき?
- 履歴書・面接時に失敗しないためのポイント
- 業界や会社規模、転職活動の時期もしっかりチェック!
- 未経験や復職の場合は派遣からという道も
転職活動を効率的に進める方法
転職活動を始める際、「とりあえず」や「なんとなく」で動きだしたり、応募したりしようとしていませんか?しかし、方向性が決まっていないまま進めてしまうと、いつまでたっても転職できないということも・・・。転職活動は、2つのポイントを踏まえて計画的に行うことで、効率よく進めることができます。詳しく見ていきましょう。
自分がどんな企業に就職したいのか明確にする
まず、「自分がどんな企業に転職したいか」というイメージを明確にすることからスタートしましょう。会社のイメージや所在地といった条件だけで探す方は意外と多いのです。
しかし、少ない条件だけで探そうとすると軸が定まらないため、多くの求人から自分の希望に合致する求人情報を探し出すのは困難です。気がついたら、時間をかけたのに結局応募したい求人が見つからない、ということにもなりかねません。
自分に合った企業を明確にするには、転職したい企業のイメージを強く思い描き、業界、会社規模、事業内容や業務内容など、思い浮かんだ希望条件をすべて書きだすようにしましょう。その後、それらの条件を取捨選択し、まとめていくことで、何を基準に求人情報を探せばいいのかはっきりするはずです。
なるべく求人はまとめて応募する
自分が転職したい企業が明確になったら、次は応募についてです。イメージに近い1社が見つかったから応募し、あとは面接まで待ち、不合格だったからまた探す・・・、ということを繰り返していると、大きな時間のロスになってしまいます。また、1社ずつ進めていると、比較・検討もできないため、なるべくまとめて応募するようにしましょう。
複数社同時に進めていると、面接日が重なってしまう可能性もあります。しかし、そこはどれかを諦める、2日に分けるのではなく、面接時間を調整して、複数社の面接を1日で済むようにしたり、休みが取りにくい場合は事情を説明して、平日の遅い時間に面接をしてもらったり、自らスケジュールをコントロールするようにしましょう。
【経験者向け】ブランクからの復帰は可能?
経理としての経験があっても、ブランクが長いと、復帰できるか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、「復帰できるか否か」という問題に関しては、あまり大きな不安を感じる必要はありません。経理職の場合は、たとえブランクがあったとしても、これまでの経験は新しい職場で活かせる、大きなアドバンテージになります。
なお、経理業務に関係の深い税法は、よく改定が行われるので、知識のアップデートをしておきましょう。復帰までに最新の参考書や問題集などで勉強しなおすことで、復帰後スムーズに業務を行えるようになるはずです。
参考記事:「経理職に復帰したい……。正社員と派遣のそれぞれの魅力とは?」
【未経験者向け】そもそも未経験から経理に転職できるの?
経理は専門職のイメージが強く、「未経験者でも転職できるの?」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。もちろん、専門的な知識やスキルがあるに越したことはありませんが、実際に経理で重要視されるのが「PCスキル」「コミュニケーションスキル」「作業の正確さと仕事に慎重に取り組む姿勢」の3点です。ここでは、この3つが経理の実務で必要とされる理由について、掘り下げていきます。
PCスキル
経理と切っても切り離せないのが、excelや会計ソフトを使いこなすPCスキルです。経理は、使わない日はないくらいExcelや会計ソフトを日々の業務で使用するので、まずは基本的なPCスキルを身につけておきたいところです。入社直後は日常経理業務の補助レベルからスタートし、実務を通してスキルアップしていけるようにしましょう。
コミュニケーション能力
経理職は他部署と連携し、仕入れや売り上げなどの情報を共有、確認しながら仕事を進めていきます。ときには、社外の税理士や公認会計士とやり取りすることも。経理の実務をスムーズに行うためには、さまざまな人と円滑にコミュニケーションを取る能力も必要とされます。
作業の正確さと仕事に慎重に取り組む姿勢
経理は小さなミスが原因で、大きな問題に・・・、ということも起こりうる仕事です。「慣れているから」「先輩がチェックしてくれるから」と気を抜かず、ミスがないよう細かい点まで確認する慎重さと、強い責任感が不可欠です。
【未経験者向け】経理への転職、まずは何を行うべき?
経理は専門職のため、転職の際は先ほどご紹介したスキル・姿勢だけでなく、経験も重要視されます。しかし、未経験者の場合、実務経験はありませんので、経理として活躍できそうかという資質やポテンシャルを見られるほか、「資格」の有無も評価の材料になります。そこで、経理未経験の方には資格の取得をオススメします。
簿記の王道とも言われる「日商簿記」は、日本商工会議所が主催している検定です。日商簿記は4級→3級→2級→1級と難易度が上がっていきますが、4級は学生向けとされているため、未経験から経理への転職を検討しているのであれば、最低でも3級の取得を目指しましょう。2級以上になるとグッと難易度は上がるので、経理に転職した後のスキルアップの目標とするのもいいのではないでしょうか。
「MOS」も転職の際に、PCスキルを証明することができる資格です。「MOS」とは「Microsoft Office Specialist(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)」の略で、WordやExcel、PowerPointなどマイクロソフト系ソフトのスキルを証明できる資格のことです。
経理未経験ながら資格を取得することで、「本気で経理職へ就きたい」というアピールになること間違ないなしです。
参考記事:「未経験から経理職になるためのオススメ方法」
履歴書・面接時に失敗しないためのポイント
ここまで、転職活動を有利に進める方法や、取得しておきたい資格などをご紹介しましたが、履歴書や面接時の対応をきちんと押さえておくことも、転職を失敗しないためのポイントです。そこで、ここからは履歴書の書き方、面接時のポイントについてご説明します。
履歴書の書き方について
氏名や性別、メールアドレス、出身校や職歴などに誤字脱字や誤りがないようにし、「きちんとした人」という印象を与えましょう。手書きが苦手な人は、パソコンを使って作成するのもひとつの方法です。
「免許・資格」欄には、本当に必要と思われる免許や資格だけを記載するようにしましょう。経理にあまり関係ない資格まで記載してしまうと、「経理のことをよく分かっていないのでは?」と思われてしまう可能性もあります。
続いて、志望動機についてみていきましょう。志望動機は自分をアピールする重要なポイントです。自分が「なぜ」その企業を志望していて、自分のこれまでの経験を踏まえながら「どのように」自分のスキルを発揮できるかを明確に書きます。そのためには、普段から企業研究や自己分析を徹底して行うことが大切です。
参考記事:「経理職に就くための志望動機の書き方ポイント4つ」
面接の受け方について
履歴書の失敗しないためのポイントについて分かったところで、次は面接についてみていきましょう。
面接の合否には第一印象が大きく影響しますので、清潔感のある見た目で挑みましょう。髪が乱れていたり、服にシワや汚れがついていたりすると、だらしない印象を与えてしまいます。
面接官とは、はっきりと大きな声で話すことを忘れずに。丁寧な言葉遣いを心がけることはもちろん、「えーと」や「あのー」「まあ」のような普段使ってしまいがちな口癖を控えることも重要です。面接ではコミュニケーション能力をチェックされることもあるので、面接官との会話のテンポを乱さないように気をつけることも忘れずに。
志望動機をしっかり語ることも重要です。履歴書を書いたときに行った自己分析や企業研究をもとに、自分のスキルをその会社でどのように発揮できるかを、はっきり伝えましょう。しかし、自分のやりたいことばかりを話すのはNG。入社してからの貢献度をわかりやすく説明することが、面接官に「有用な人材」と思わせるポイントです。
よく面接の最後に「なにか質問はありますか?」と尋ねられることがありますが、「無事に終わった~」と気を抜かず、積極的に質問するようにしましょう。これはあなたの疑問を解決するだけでなく、その会社にどれくらい入りたいか、という熱意や真剣さを確認するためでもあります。
面接は何回か経験することで、その場の雰囲気に慣れることはできますが、正しい言葉遣いや口癖は、普段の生活で習慣になるものです。「話すのは得意だから何とかなるでしょ!」とは考えず、普段から言葉遣いを意識し、何度も練習をしておくことで、面接に対する気持ちにも余裕を持てるでしょう。
業界や会社規模、転職活動の時期もしっかりチェック!
前半でも自分が入社したい企業の決め方についてご説明しましたが、経理の場合はほかにも注意するべきポイントがあります。一口に経理と言っても、業界や会社の規模によって業務内容が異なるので、やみくもに応募するのは控えましょう。
たとえば医療法人の経理として働く場合、「病院会計準則」という厚生労働省が定めるルールに従って経理業務を行う必要があります。財務諸表を作成する際には、医薬品など独自の収支があり、勘定科目が一般的な企業と異なるという点にも注意が必要です。
さらに、会社の規模も自分が希望する業務内容に従事できるかどうか判断するポイントになります。一般的に大企業の場合は、すべての経理業務のうち、一部の役割を与えられることが多く、その道のスペシャリストを目指すのに適した環境です。一方、中小企業やベンチャー企業の場合は、経理担当者の人数も少ないため、幅広い業務に携わることができることが特徴です。このように、会社規模によっても業務内容や範囲が異なるので、チェックするようにしましょう。
また、経理の求人には波があることも覚えておきたいポイントです。3月決算企業の場合、3~4月の決算時期、9~10月や年末の繁忙期を避けて人材を確保する傾向があります。比較的業務が落ち着いている決算前の1~2月、中間決算前の7~8月に求人を出すことが多いのです。
このように、業界や会社規模から自分がイメージしている経理の仕事と一致しているかを確認し、時期を考慮しながら転職の計画を立てるようにしましょう。
未経験や復職の場合は派遣からという道も
ここまで、経理に転職するためのポイントをご紹介してきましたが、「未経験でいきなり経理の世界に飛び込むが不安」「久しぶりの仕事復帰なのでいきなりフルタイムで働くのは不安」という方は、派遣からスタートするというのも視野に入れてはいかがでしょうか。
派遣の場合、登録してすぐにお仕事を紹介されるケースもあります。未経験の方は、データ入力やファイリングといった経理のサポート業務から始めることもできるため、実際の業務に触れながら経理の実務や知識を身につけることが可能です。
また、正社員と比べて、派遣社員は勤務時間や出社日数を自由に選ぶことができます。「家庭と仕事を両立したい」という場合など、自分のライフスタイルに合わせて勤務時間や出社日数を設定できるので、ブランクのある経理経験者が、職場復帰の第一歩として派遣を選ぶのもおすすめです。
今回ご紹介したポイントをおさえて「自身がどういった働き方をしたいか」を考え、さまざまな選択肢を検討しながら転職活動を進めてみてはいかがでしょうか。そうすることで、きっと納得のいく転職ができますよ。
パソナへのご登録はこちら