キャリアアップ

2018/10/14

経理職に就くための志望動機の書き方ポイント4つ

著者: パソナ キャリアコーチ(経理担当)

経理職に就くための志望動機の書き方ポイント4つ

経理職は専門職のため、「異なる職種から経理職への転職は難しい」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、経理職はほかの職種で培ったスキルや経験を活かして働ける、ある程度門戸の開かれた職種でもあるのです。

ただし、ほかの職種から経理職への転職を成功させるためには、選考においていくつか押さえるべきポイントがあります。今回はそんな中でも、履歴書や職務経歴書の志望動機を書く際にぜひ意識したいポイントを4つご紹介します。

目次
経理職に向いているのってどんな人?
経理の現場で求められるスキルとは
志望動機を書く前にまずやること
志望動機の書き方ポイント4つ
未経験者は経理職への想いを伝えることが非常に大切

経理職に向いているのってどんな人?

そもそも、経理職はどのような方に向いている仕事なのでしょうか。まず、経理は会社の大切なお金を扱う仕事のため、小さなミスであっても許されないことを知っておきましょう。ほんのひとつの数字の誤りが、大問題に発展する可能性があるので、経理職には慎重で几帳面、細かな確認を行うのが苦でない性格の人が向いています。

また、経理職は勘定科目をはじめとして、専門的な用語をよく使う職種でもあります。専門用語を多く覚えていたほうが、スムーズに業務を進められることもあり、記憶力の良い方も経理職向きと言えるでしょう。

経理の現場で求められるスキルとは

経理職では簿記の知識や経理の実務スキルはもちろん、PCやITのスキルが必ず求められます。また、プレゼンテーションスキルやコミュニケーションスキルが高いことも、経理としてはとても大きな強みです。以下では、それぞれのスキルの概要と求められる理由についてご説明します。

簿記の基礎知識

経理職に転職を考えるのであれば、簿記の資格を取得しておくことをおすすめします。資格を持っていると、簿記の基礎知識が備わっていることの証明になるからです。実務スキルは経理職として働きながら身につけていくしかありませんが、ベースとなる簿記の基礎知識は転職の前にきちんと身につけ、自分の“強み”にすることができます。また、資格を取得することによって、経理職の仕事に対する熱意をアピールすることも可能です。

PC・ITスキル

経理職として働くうえで、簿記の知識と同様必須となるのが、Excelや会計ソフトを使いこなすPC・ITスキルです。まずは基本的な関数が使える程度のExcelスキルを身につけ、普段の経理業務を補助できるようになりましょう。そして、ゆくゆくはピボットテーブルで集計したり、マクロを組んだりできるレベルを目指してください。各種会計ソフトも経理の仕事では必ず使うものなので、経理職への転職が決まったらしっかりと勉強し、実務につきながら使い方をマスターすることが必要です。

プレゼンテーションスキル

経理の業務は、「数字や書類を処理することだけ」と思っていないでしょうか。実は、経理は処理した情報をもとに経営陣や営業部門に改善策を提案したり、他部署の課題を指摘したりといった役割も担っています。そのため、データを整理し、経営陣や他部署にわかりやすく伝えるプレゼンテーションスキルは経理職にとって不可欠な能力と言えるのです。

コミュニケーションスキル

経理は経費の申請に関するお願いをしたり、請求書発行に関わる納品の確認をしたりと、他部署と関わることの多い仕事でもあります。そのため、人当たりの良さや柔軟性といったコミュニケーションスキルが欠かせません。もちろん、締めるところはしっかり締める頼もしさも求められます。これらのコミュニケーションスキルは、自分のためだけでなく、部署全体の業務を円滑に進めるにあたって、とても必要とされる能力です。

ここまで紹介したスキルを転職前からすべて持っている必要はありませんが、ひとつでも持っていると大きなアピールポイントになるでしょう。また、「自分にはアピールできるようなスキルがない…」と不安な方も、これらのスキルは働きながら身につけられるものなので、あまり気負う必要はありません。転職前に不安になる部分があれば、「転職したあとにしっかり身につけよう!」と意識しておくことが大切です。

志望動機を書く前にまずやること

志望動機を書く前にまずやること

経理職に求められる資質やスキルがわかったところで、実際に役立つ志望動機の書き方について学んでいきましょう。

志望動機を書く際は、いきなり内容を書き始めるのはNGです。まずは上記で紹介したような経理職に求められる資質・スキルをしっかりと把握しましょう。そのうえで、今の自分に備わっているスキルがどのようなものかを整理してください。この整理作業を「スキルの棚卸し」と言います。スキルの棚卸しをする中で、自分のスキルを経理の仕事においてどう役立てることができるかについて考える時間を設けることが必要です。

経理職は専門性の高い仕事のため、実務経験があると転職では有利になります。しかし数字を扱う業務の経験やPCスキル、営業や接客などコミュニケーション力が求められる仕事の経験など、経理の実務経験以外にもアピールできる経験・スキルはたくさんあります。自分のこれまでの仕事の経験や、習得してきたスキルから、経理職に活かせるものを探し出しましょう。

志望動機の書き方ポイント4つ

スキルの棚卸しができたら、いよいよ志望動機を書いていきます。ここでは、志望動機のポイントを4つご紹介します。

経理職への志望理由を明確にする

第一にアピールすべきなのは、「自分がなぜ経理職に就きたいのか?」ということ。とくに、まったく違う職種から経理職への転職を希望している場合は、この点をどれだけアピールできるかが勝負だと言っても過言ではありません。

どんなきっかけで経理職に興味を持ち、経理職としてどんなことをしたいのかをできるだけ具体的なエピソードを交えながらわかりやすく語ることで、あなたの経理職への想いや本気度を採用担当者に伝えることができます。

たとえばアパレルショップで働いていた方なら、「ショップの売上管理、在庫管理などの仕事をしているうちに、計算することの楽しさや会社経営における数字の重要性に気づいた。数字を扱う仕事を通して、より深く会社の経営に携われるようになりたい」といったようなエピソードを書くとよいでしょう。

経理で挑戦したいことをアピールする

次に、晴れて経理職への転職が叶ったらどういったことに挑戦したいかを説明しましょう。「どんな業務に関わってどんなスキルを積み上げたいか」「会社にどう貢献したいのか」「最終的にはどんなキャリアを形成していきたいのか」について、できるだけ具体的にイメージし、自分の言葉で書いてください。

前職のスキルや知識をどう経理に活かせるかアピールする

また、今後の展望を語るうえでは、自分の資質や前職で培ったスキル・経験を、経理の仕事にどう活かせるかについても書くとよいでしょう。たとえば「営業や接客業で身につけた調整力を、他部署や金融機関との折衝に役立てることができる」「店舗スタッフとして売上管理の仕事をした経験から、大きな数字を扱うのに慣れている」などといったアピールポイントがあれば、採用担当者の心を掴めるはずです。

志望している会社への興味・関心を伝える

そして、忘れてはいけないのが「なぜ、この会社で経理職に就きたいのか」ということの説明です。いくつかの企業の選考を並行していたとしても、それを悟られてしまっては相手に良い印象を与えられません。

会社の業種や商品・サービスへの興味をアピールすることはもちろん、経営理念や社風などへの共感を記載したうえで、「どうしてもこの会社でなくてはいけないと考えている理由」をしっかり説明できるようになりましょう。もちろん、自分のメリットだけではなく、会社が自分を採用することで得られるメリットをアピールすることも忘れないでください。

履歴書や職務経歴書でチェックされているのは、実務経験のなさをカバーできるスキルや熱意があるかということです。これまでの経験を整理したうえで、自分の能力がどう活かせるか、自分の能力が会社のどんな点を改善できるかを伝えていきましょう。

ただし、たとえスキルや資格を持っていても、経理職と関係が薄いものをアピールすると逆効果なことも。「この人は本当に経理職して働きたいのか?」「経理の業務内容を理解してしないのではないか?」と思われてしまいかねません。自分のスキルをきちんと整理したうえで、経理の仕事に生かせそうなものだけをアピールするほうが効果的です。

未経験者は経理職への想いを伝えることが非常に大切

これまでもお伝えしてきたように、経理職の経験がない方は「なぜ経理職としてこの会社で働きたいのか」という想いを採用担当者に伝えることが、非常に大切です。

中途採用においては、スキルや経験といったスペックも当然求められますが、それ以上にモチベーションの高さが重視されます。いくらスキルのある人でも、高いモチベーションがなければ入社後の成長は期待できず、すぐに辞めてしまう可能性があるからです。なぜ経理職に就きたいかをしっかり伝えることで、あなたのモチベーション、すなわち「伸びしろ」をしっかりアピールしましょう。

経理職への転職を成功させるための志望動機を書くには、まず「経理職として働く自分」をできるだけ具体的にイメージすることが不可欠です。転職を検討している方は、ぜひ「お仕事検索」を通してさまざまな企業の経理職について知り、自分が経理職としてどんな業務に携わりたいのか、どんな業種のどんな企業で働きたいのかを整理してみることをおすすめします。

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