小切手と手形って何が違うの?

経理のお仕事を始めると、小切手や手形を身近に感じるようになります。どちらも現金の代わりになるものですが、中には違いがわからないという方がいらっしゃるかもしれません。

近年は、フィンテックと呼ばれるITを駆使した金融サービス創出の進歩で、小切手や手形を使う場面は減ってきているようですが、業界によってはまだまだ使われるケースも。そこで今回は、小切手と手形の違いについてご紹介します。

小切手と手形の大きな違いは「現金化のタイミング」

小切手も手形も、お金の代わりとして企業間取引などに使われる「有価証券」の一種。どちらも金額や日付といった必要事項を記入して振り出し(発行し)、お金を支払うという点では共通しています。

両者のもっとも大きな違いは、「現金化できるタイミング」です。

受け取った直後からいつでも現金化できる小切手に対し、手形は用紙に記載された期日以降でないと現金化できません。その他にも細かな違いがありますので、それぞれの特徴について触れておきましょう。

小切手

一般的に企業間取引などで使われる小切手用紙は、領収書のように文房具屋さんや100円ショップなどでは購入できず、正式な用紙(統一小切手用紙)を銀行から購入する必要があります。また、現金化するためには、銀行に当座預金口座を開設しなければなりません。

ちなみに、小切手の特徴は“すぐに現金化できる”ということ。ということは、小切手を振り出すには、その時点で当座預金に最低限その金額以上のお金が入っている必要があります。

振り出すときは、金額・振出日・振出人を間違えずに記載。仮に金額を間違えたとしても訂正はできないので、新しい用紙で振り出し直す必要があります。

小切手の支払い

受け取った小切手は、支払銀行で請求して現金化します。ちなみに、小切手の支払期間(呈示期間)は振出日の翌日から10日間。この10日間には、銀行の休業日も含まれます。

ただしこの期日を過ぎたとしても、基本的には振出人が「支払委託の取消」をしない限りは無効にはなりません。できるだけ早く現金化してもらうため、期限を設けているということです。

手形

前述のとおり、手形の特徴は“支払日が指定されていること”。手形を受け取っても、その期日以降にならないと現金化することはできません。

つまりお金を支払う側からすれば、当座預金口座に必要金額がなくても振り出せます。将来入ってくるお金を見越して振り出すことができる、ということです。

「約束手形」と「為替手形」

手形には、振出人が受取人に対してお金を支払う約束をする形式の「約束手形」と、振出人が支払人に委託して、受取人にお金を支払ってもらう形式の「為替手形」があります。

日本国内で発行される手形のほとんどが「約束手形」で、「為替手形」が用いられることは非常にまれ。ちなみに小切手と同様、手形も銀行で交付される統一手形用紙というものを用いるのが一般的です。

手形の支払い

手形も小切手同様、支払銀行で現金化します。手形の支払呈示期間は、支払期日を含めて3日間。この間に確実に受け取れるように、多少余裕を持って銀行へ支払い(取立)の依頼をする必要があります。

ちなみに、振出人が期日までに当座預金口座にお金を用意できなかった場合は、当然支払いはできないことになります。これを「手形の不渡り」と言います。

※関連記事:『【資金繰り】小切手や手形が不渡りになるとどうなる?

振り出す側も受け取る側も確認が大切

小切手は“発行してすぐに現金化できる有価証券”、手形は“信用をもとに期間をおいて現金化する有価証券”、と覚えておけばOKです。

小切手や手形を使うシーンは大きな金額を扱う場合がほとんど。くれぐれも、金額や振出日(支払期日)・振出人・受取人などに不備がないか、確認するのを忘れないようご注意ください。

 

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参考サイト

 

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