「費用」「経費」「損金」の違いを教えて!
経理業務で使う「費用」「経費」「損金」という言葉。何となく大きな意味において「企業が使ったお金」だと理解はしていても、その細かな違いを説明できますか?
今回は、表現のみならず使い方も異なる3つの経理用語について、詳しく解説します。
「費用」は会計、「損金」は税務
まずは「費用」と「損金」のお話から始めます。
費用
一般的に会社が支出した金銭すべてのこと。例えば、材料費や労務費、交際費などです。
企業会計ではこれに加えて、減価償却費(経年劣化によって下がる資産価値)のように、金銭の支出を伴わないものも「費用」に数えます。
つまり、その会社における「経済的価値の減少」が「費用」。損益計算書などの決算書を作る場合には、この「費用」を使います。
損金
法人税の計算時に使う言葉です。「費用」と比べて、対象範囲が少し狭くなっている言葉だと思えば理解しやすいでしょう。
例えば、会計上では「費用」になる「交際費」「役員給与」「減価償却費」あたりは、「損金」にはならない場合があります。
「損金」は節税に関わってくる
「これは損金にできる」「これは損金にできない」というふうに、費用が損金になるか・ならないかがよく話題になります。
なぜかと言えば、「損金」が増えれば増えるほど、税務上の会社の利益が減ってしまうから。つまり、課税対象となる額が少なくなるから、節税になるのです。
※関連記事:『節税に欠かせない「損金」を理解しよう!』
「経費」の定義は状況によって変わる
経費
一般的には「費用」と同じ意味で使われています。ただ、所得税の計算では「損金」の代わりに、「経費」「必要経費」という言葉を使うこともあります。
文脈によって意図する範囲が変わる、ある意味便利な言葉と言えるでしょう。
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