カードの割引ポイントで備品を購入したときの経理処理は?
経理担当であれば、幾度ととなく「この場合はどうやって経費を処理すれば良いの?」と、頭を悩ませる場面に出会うもの。
例えば、会社の備品類を購入する際に、会社用に作ったポイントカードのポイントを支払いに充てた場合。貯まったポイントを使うのは良いですが、ポイントで支払われた経費はどう処理すれば良いのでしょうか?
経理・会計処理の方法は2種類!
まず大前提として覚えておいていただきたいのは、日本ではポイントカードのポイントについて、明確な会計基準がないということ。よって、決まった処理方法はないため、一般的な会計基準に則って処理しましょう。
ここで論点となるのは、「ポイント」とは何なのか、ということ。考え方は2つあります。
ひとつは、ポイントを使った買い物に「値引き」が発生しているという考え方。そしてもうひとつは、付与されたポイントを「収入」とする考え方です。
どちらの考え方で経費処理しても問題ありませんが、2つとも覚えておけばさらにベターです。以下の例を参考にして、処理方法を見ていきましょう。
【例】消耗品購入時にポイントを使用した場合
合計額:¥2,200
消費税:¥200
ポイント使用:500
支払額:¥1,700
1.ポイント分を「値引き」とする考え方
ポイント分を「値引き」とみなして処理するので、合計額から500ポイント(円)を差し引いた額を消耗品費として以下のように処理します。一般的には、こちらのやり方で処理するケースが多いようです。
消耗品費:¥1,700 / 現金:¥1,700
2.ポイントを「収入」とする考え方
ポイントを「収入」とする場合、ポイント分の金額を「雑収入」として計上する必要があります。
消耗品費:¥2,200 / 現金:¥1,700 / 雑収入:¥500
会社でポイントカードを保有していない場合は?
会社でポイントカードを保有していない場合、経費で買い物をしたときに付与されるポイントを自分のカードへコッソリ貯める…なんてことを考えた、もしくは実際に行動へ移した方もいるのでは?
会社のお金で買い物をして得たポイントは、当然、会社の財産です。それを不当な手段で自分のものにしたのですから、横領の罪に問われるかもしれません。
さほど大きな金額でなければ、会社から色々言われることは少ないかもしれませんが、ここで望ましいのは“会社としてルールを定めておく”こと。
何も規定がない場合、備品購入担当など特定の方だけが恩恵を受ける形になって、他の従業員から不満が出ることも大いに考えられるからです。
あらかじめ、会社で管理するカード(ポイント)と管理しないカードをしっかりわけておくなど、線引きをしておくことをオススメします。
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