【会計】退職金の経理処理はどうすればいい?
一人経理で他に相談できる担当者も不在の場合、経理処理に困ることも多のではないでしょうか。
例えば40人ほどの従業員の中で、長く勤続した従業員に退職金を支払うことになった場合、どう会計処理すれば良いのか判断に迷いますよね。
今回は、退職金の経理処理についてわかりやすくご紹介します。
そもそも「退職金」とは
一般的に「退職金」とは、一定期間就労した従業員に対して退職後に支払われるお金のこと。正式には「退職給付」というくくりのなかの、「退職一時金」と呼ばれるものです。
また、一括で受け取るのではなく、一定期間または生涯にわたって年金のように受け取る「企業年金(退職年金)」も、退職給付の一種です。
算出方法によって処理も異なります
退職給付はその算定方法によって、「確定給付型退職給付制度」と「確定拠出型退職給付制度」の2つに分類できます。
算定方法によって経理処理も異なりますので、それぞれを詳しく見ていきましょう。
「確定給付型退職給付制度」の経理処理
「確定給付型」とは、給付額または給付額の算定方法が決まっている退職給付制度のこと。
この制度を採用している場合、法的に企業は従業員に対して“債務”を負っているのと同等となることから、退職給付を引当金として考え、計上します。退職給付引当金の計算式はこちら。
退職給付引当金=退職給付債務-年金資産
ちなみに、退職給付引当金は、所得税法上は「必要経費不算入」に、法人税法上は「損金不算入」となります。
ちなみに、会計ビッグバンによってできた新会計基準で、退職一時金、企業年金、いずれの場合も、企業が将来負担する見込みの退職給付額のうち、期末までに発生している額を「退職給付債務」として計上することを定めています。
この会計処理を行うことで、一度に大きな費用を計上する必要がなくなり、損益計算書に大きく影響を与えることがなくなる、ということを覚えておきましょう。
「確定拠出型退職給付制度」の経理処理
「確定拠出型」というのは、拠出する額(掛け金)、または拠出額の算定方法が決まっていて、年金資産の運用によって給付される額が変動する退職給付制度のことを言います。
この制度を採用している場合は、会計期ごとに、拠出する掛け金を支払った時点で「退職給付費用」として処理すれば良いでしょう。
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