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2020/05/31

経理が忙しいのはいつ?繁忙期の時期とその業務内容について

著者: パソナ キャリアコーチ(経理担当)

経理が忙しいのはいつ?繁忙期の時期とその業務内容について

経理は、残業時間をコントロールしやすい職種のひとつだと言われていますが、忙しい時期がないというわけではありません。

というのも経理のお仕事では、一定期間内に出入りがあった会社のお金を集計し、帳簿や決算書を作成する必要があります。お金を集計する締め切りは、月次や年次で決まっているため、定期的に業務が集中する時期があるのです。

では、経理の業務が忙しくなる「繁忙期」とは具体的にいつ頃を指すのでしょうか。今回は、経理が忙しくなる時期と、その業務内容について詳しくご紹介します。

目次
経理の「繁忙期」とは
経理業務のスケジュールを把握しておこう
【月単位】の繁忙期にやること
【年単位】の繁忙期にやること
経理は繁忙期を想定して、メリハリのある働き方ができるお仕事

経理の「繁忙期」とは

経理の「繁忙期」とは

「繁忙期」とは、顧客の数や業務の量が増え、お仕事が忙しくなる時期を意味する言葉です。一方で、お仕事が忙しくなく、余裕がある時期は「閑散期」と呼ばれています。

一定期間のお金を集計する経理は、月単位や年単位で繁忙期が定期的に訪れるという特徴があります。突発的に忙しくなるお仕事とは違い、繁閑のスケジュールをある程度見越しやすいことから、それに合わせて自分の業務をコントロールしやすい、メリハリがあるお仕事とも言われています。

では、具体的にいつ頃が繁忙期となるのか、月次と年次に分けてご紹介します。

月次の繁忙期:月末、月初

月次業務の処理のために、月末から月初にかけて忙しくなる経理ですが、特に忙しくなるのは、月末よりも月初。

入金確認や売上・支出の集計、帳簿作成など、月末に締め切った後の処理を行う重要な業務が、月初に待ち受けています。

一般的に、これらの月次業務は月初の第1~第10営業日に行います。他にも、経理で給与計算を担当している場合は、給与の締め日から支払い日までは忙しくなるでしょう。

年次の繁忙期:3~4月(3月決算の場合)、12月

3月決算の企業の場合、年度末~年度初めとなる3~4月は、決算関連の業務が集中するため、年間を通して一番忙しい時期となります。場合によっては、6月頃に行われる株主総会の時期まで、繁忙期が続くこともあるでしょう。

また、年末調整関連の業務で忙しくなるのが12月。控除関係の書類を手配・回収し、個々に過不足の精算を行うといった作業が増えます。また、賞与の支払い処理なども発生するでしょう。

上記のように経理における繁忙期は、月次や年次で発生する決算時期と重なるのが一般的です。

決算とは、1ヶ月間や1年間など一定期間における会社の収入・支出を集計し、利益や損失を計算する経理業務のこと。一定期間の末日で締め切った後、集計作業を行う時期に経理は忙しくなります。

※関連記事:『経理の残業時間って?残業が少なめで、ワークライフバランスがとりやすいって本当?

経理業務のスケジュールを把握しておこう

経理業務のスケジュールを把握しておこう

経理のお仕事をする以上、どんな業務担当であっても、経理全体の月次や年次のスケジュールを把握しておくことが大切。そこで、3月決算の企業を例に、経理の月間スケジュールと年間スケジュールの例をご紹介します。

一般的な経理の月間スケジュール

上旬【繁忙期】 取引先からの入金確認
経費精算
月次決算整理、月次決算書作成
源泉所得税、住民税の納付
中旬 月次決算報告資料作成
下旬【繁忙期】 給与計算、支払い
請求書発行
取引先への支払い
社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金)の納付

上記は、一般的な経理の月間スケジュールですが、月によっては年末調整や年次決算などの年次業務も並行して発生します。複数の業務が重なる時期は、さらに忙しくなるでしょう。

一般的な経理の年間スケジュール(3月決算の場合)

年次業務における大きなイベントは、年次決算、各種税金の申告・納付、賞与計算、年末調整など。経理担当の業務範囲によっても異なりますが、ひとつの目安として経理の年間スケジュールの例をご紹介します。

4月 繁忙期 決算整理、台帳繰越作業
5月 繁忙期 税務申告・納付、決算書作成、決算発表
6月 繁忙期 株主総会準備、有価証券報告書の提出、決算公告
7月 閑散期 夏季賞与の計算・支給、社会保険の各種手続き
8月 閑散期
9月 閑散期 中間決算準備
10月 繁忙期 中間決算書作成
11月 閑散期 中間申告、税務申告・納付
12月 繁忙期 冬季賞与の計算・支給、年末調整
1月 閑散期 源泉徴収票、給与支払報告書、法定調書合計表の作成・提出
2月 閑散期 次期予算立案
3月 繁忙期 次期予算確定、決算準備、実地棚卸し

経理にとって最も重要な業務とも言えるのが、3月頃から6月頃までにかけて行われる決算関連業務です。決算月である3月の終わりから、決算発表に向けての準備が始まり、6月まで確定申告や株主総会準備などの業務が続きます。それが終わると、7月には各種社会保険の手続きなどが待っています。

そして、11~12月にあるのが、年末調整業務。1月に年末調整後の申告を済ませたら、次期の決算関連業務が始まります。なお、2月~3月には次期に向けた予算案の作成もあるため、担当者は忙しくなるでしょう。

【月単位】の繁忙期にやること

【月単位】の繁忙期にやること

先ほどもご紹介した通り、月初や月末に忙しくなる傾向にある経理のお仕事。月単位の繁忙期には大きく分けて、月次決算業務、給与関連業務、取引先への請求や入金確認などの業務があります。具体的にどんな業務を行っているのか見ていきましょう。

月次決算業務

・月次決算整理
・帳簿作成
・月次報告

給与関連業務

・給与計算
・給与支払い
・源泉所得税、住民税、社会保険料(健康保険・厚生年金)の納付

請求・入金

・請求書作成
・取引先への入金
・前月末締めの売上・支出・入金のチェック

【年単位】の繁忙期にやること

経理の年間スケジュールを見てもわかるように、1年の間にいくつかの繁忙期があります。

まず、決算月である3月から2ヶ月後の申告期限を迎える5月末までは、決算関連業務が忙しくなる時期です。5月・6月頃には、社会保険、労働保険関連業務も発生。また、年末が近づくと年末調整関連の業務がスタートします。

年次の繁忙期には、具体的にどのような業務を行っているのか、ご紹介します。

決算関連業務

・棚卸し
・決算整理
・帳簿作成
・決算報告

税務・労務関連業務

・労災保険・雇用保険
・社会保険料(健康保険料、厚生年金保険)
・消費税
・法人税
・源泉所得税 など

年末調整業務

・生命保険料控除証明書などの各種控除書類を回収
・1年間の給与合計額と上記控除書類をもとに所得税を再計算
・源泉徴収票、給与支払報告書、法定調書合計表の作成・提出

経理は繁忙期を想定して、メリハリのある働き方ができるお仕事

経理業務の月間スケジュールや年間スケジュールを確認してみると、繁忙期が定期的に訪れることをお分かりいただけたのではないでしょうか。しかし、事前に忙しい時期を想定できる分、経理はそれに合わせてメリハリをつけた働き方ができる職種とも言えます。

繁忙期の忙しさが想像できずに不安になるかもしれませんが、実際のところは会社によって忙しさはケースバイケース。当然ながら経理業務は複数名で分担しながら行いますし、経理の繁忙期の負担を減らすために、業務効率化の取り組みを行ったり、専用ツールを導入したりしている企業もあります。

経理のお仕事を探す際は、繁忙期の業務内容を確認したり、面接時に質問したりしておくと、そのお仕事が自分のライフスタイルに合っているかどうか、じっくりと検討できるかもしれませんね。

また、「残業の少ない経理のお仕事がしたい」という方は、派遣のお仕事も検討してみてはいかがでしょうか。派遣であれば、自分の希望に合った業務時間や条件のお仕事も見つけやすいですよ。どんなお仕事があるのか気になる方は、パソナにご相談ください。

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