アジアの主要な貿易港をまとめました
今回は、日本の貿易相手国として共に発展していくアジア各国の主要港についてご紹介します(今回は東アジアに限定)。貿易の仕事に携わっている方でも、取引がなければ聞き慣れない港の名前もあると思いますが、この機会に知っておきましょう。
アジア各国の港を地図で見てみよう
では早速ですが、東アジア各国の地図を見て全体像をつかんでいただきながら、各国の主要な港をご紹介しましょう。
中国/上海港、天津港、広州港、青島(チンタオ)港、寧波(ニンボウ)港、大連(タイレン)港
国土交通省が発表した世界の貿易港湾取扱貨物量ランキング(2017年)によると、上位10港のうち6港が中国の港となり、第1位は上海港です。
中国は世界の中でも断トツに人口が多い上(13億人以上、世界の人口の1/5と言われます)、「世界の工場」と呼ばれるほど各国のメーカーの工場などがあるため、この結果は当然なのかもしれませんが、あらためてそのマーケットの大きさを実感します。
韓国/釜山(プサン)港
釜山(Busan)港もアジアを代表する港のひとつ。半島の先にある港としての立地の良さと、保税地域(関税自由地域)で事業を行う企業に対して法人税を減免するなど、官民一体になって港を発展させています。
※関連記事:『知っていますか?日本企業も利用する韓国・釜山港のこと』
シンガポール/シンガポール港
シンガポール(Singapore)港は貿易港湾取扱貨物量第1位の上海港に次ぐ、アジア最大級のハブ港です。
1980年代後半から世界に先がけて港湾業務のITインフラ化を進め、ハブ港(海上運送の中継拠点となる港)として利便性の高い港づくりに力を入れ、港で取り扱う貨物の8割は周辺諸国への積み替え貨物だと言われています。
マレーシア/ポートケラン港、タンジュンペレパス港
マレーシア最大の港、ポートケラン(Port Klang)港*は、マレーシアの首都・クアラルンプールより約40kmの場所にあります。貨物の取扱量も多く、2017年度の港湾取扱貨物物量ランキングでは19位となっています。
*現地の言葉では、「ク」の音が「ケ」という音に近いため、ポートケラン(Port Kelang)と表記されますが、英語の正式名称はPort Klang(ポートクラン)です
また、マレーシアには、シンガポールにほど近いタンジュンペレパス(Tanjung Pelepas)港があり、アジア地域内の物流が活発になる中で、存在感を大きくしている港なのです。
タイ/レムチャバン港、バンコク港
タイ最大の貿易港は、レムチャバン(Laem Chabang)港です。タイの首都・バンコクの南東135kmに位置する港ですが、もともと国際港として発展してきたバンコク港の水深が浅く、近代化する国際輸送に対応しきれないことから、1991年に開港しました。
ベトナム/ホーチミン港、カイメップ・チーバイ港
ベトナムは、かつてフランスの植民地だったこともあり、サイゴン(現ホーチミン)の貿易港は古くから栄えてきました。
ホーチミン(Ho Chi Minh)港は、河口から約50km上流に位置する河川港です。また、急増する貨物量に対応するため、ホーチミンの南東60kmにあるカイメップ・チーバイ(Cai Mei-Thi Vai)港も代替港として、大型ターミナルを続々とオープンさせています。
フィリピン/マニラ港、スービック港
大小複数の島から形成するフィリピン最大の国際貿易港は、ルソン島中西部に位置するマニラ(Manila)港。
マニラ港は大きな貿易港ですが、貨物がここに集中することから、混雑緩和のためにマニラから北西110kmにあるスービック経済特別区内の港(スービック自由貿易港)に新しいターミナルを建設するなど、第二の貿易港づくりにも着手してきました。実際スービック港は、貨物取扱量は徐々に増えているようです。
インドネシア/タンジュンプリオク港、タンジュンペラク港
インドネシアは、もともと1万7500余りの島から成る国のため、国際輸送だけでなく、国内輸送においても海運が重要な役割を果たしている国です。インドネシア最大の貿易港は、首都ジャカルタに近いタンジュンプリオク(Tanjung Priok)港で、第二の港湾がスラバヤにあるタンジュンペラク(Tanjung Perak)港になります。
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