キャリアアップ

2019/06/15

秘書の目標設定って、具体的にどう立てれば良いの?

著者: パソナ キャリアコーチ(秘書担当)

秘書の目標設定って、具体的にどう立てれば良いの?

担当上司が業務を円滑に進められるようサポートを行うのが、秘書のお仕事。他のお仕事と同じように、日頃の業務の評価を行うにあたって、上司や会社から「目標設定」を求められることもあるでしょう。

しかし、秘書の場合、業務の特性上「売り上げ○○円を達成する」「コストを〇%削減する」といった実績の数値化がしづらいため、目標を立てるのが難しくもあります。いざ目標を立てようと思ったとき、「どんな指標を設定すれば良いかわからない…」と、戸惑ってしまう方もいるのではないでしょうか。

そこで、秘書にとっての目標設定とは何なのか、目標設定のコツなど、基本的なポイントをご紹介します。

※関連記事:『秘書の仕事って大変?秘書の仕事内容を具体的に解説

目次
どうして「目標設定」をする必要があるの?
秘書が「目標設定」を行う際、押さえるべきポイント
秘書が「目標設定」として立てられることって?
「目標設定」の際に気をつけるべきこととは?
目標を上手に設定してステップアップに役立てよう!

どうして「目標設定」をする必要があるの?

そもそも、物事に取り組むのに、なぜ「目標設定」が必要なのでしょうか。それは、目標を設定することで、「自分が目指す方向性」を明確にすることができ、目標達成に向けた「アクションプラン(行動計画)」を立てることができるからです。

たとえば、「今年中に富士山の頂上に登る」という目標を立てたとします。富士山に登るためには、さまざまな方法や手段があるので「いつまでに」「何を」「どうするか」といった、具体的な自分の「アクションプラン」が必要になるでしょう。つまり、目標を設定すると、そのために必要な手順や道筋を明確にすることができるのです。

また、目標の達成が次のモチベーションの源にもなりますし、達成できなかったとしても目標を振り返ることで、次の目的の改善・検証に使うこともできます。

先ほどの富士山の例でいうと、「頂上まで登るという目標に対し、体力がなくて、五合目までしか登れなかった」のであれば、「頂上まで登れるだけの体力をどうやって身につけるか」という方法論を考えることで、目標達成に向けて、次にやるべきことが明確になります。

これは、働くうえでも同じことです。業務目標と行動計画を具体的に設定することで、仕事への取り組み方や成長にも影響を与えるでしょう。

もっと大きな視点で見ると、目標設定は「なりたい自分」に近づくためにも大切なことです。叶えたい夢や理想の自分を思い描いて目標を設定し、一つひとつ達成していくことが、夢の実現のための近道にもなります。

目標を達成することで、それが周りからの評価や自分の自信にもつながり、新たな目標に挑戦するためのモチベーションにもつながっていくでしょう。

秘書が「目標設定」を行う際、押さえるべきポイント

秘書が「目標設定」を行う際、押さえるべきポイント

では、秘書が目標設定をするには、どうすれば良いのでしょうか。冒頭でもお伝えしたとおり、営業職や販売職のように、目標を数値化しやすい職種と違って、秘書の業務は数値化しづらいため、具体的な目標設定に悩んでいる方もいらっしゃることでしょう。

しかし、ポイントさえ押さえれば、どんなお仕事であっても目標設定ができるようになります。ここでは、まず秘書のお仕事における目標を立て方と、目標を立てる上で大切なポイントをご紹介していきます。

秘書が「目標設定」を行う際に押さえるべきポイント

1、自分の秘書業務を整理する

まずは、自分が現在行っている秘書業務を整理してみましょう。業務を書き出してから、項目別にわけ、それぞれの業務において「今自分がどの程度できているのか?」を把握しましょう。現状を把握することで、今の自分に足りない部分や、もっと伸ばしていける部分もクリアになるはずです。

もし会社全体の目標や、秘書の部署全体の目標に対して自分が関わる部分があれば、その目標に対する自分の達成状況や、自分ができることについて、改めて整理してみましょう。

2、目標達成までの、おおよその期限を決める

期限を具体的に決めることで、より目標達成に近づきやすくなります。ポイントは3ヶ月、半年、1年など、短期~中長期の期限をそれぞれ設定して、定期的に達成できているか確認すること。こまめに振り返ることで、目標がブレにくくなります。

3、具体的に取り組みやすい、実現可能な内容にする

志を高くすることは良いことですが、目標はなるべく取り組みやすく、実現可能な内容にしましょう。たとえば「30分以内にメールを返信する」「1~3つほどに要点を絞って、わかりやすく伝える」など、内面的なことでも目標になります。

設定した内容が達成できたら、少しレベルアップした目標を再度設定しましょう。期間を決めて小さな目標を立て、それを達成した自分へのご褒美も考えておくと、モチベーションにもつながりますよ。

秘書が「目標設定」として立てられることって?

秘書が「目標設定」として立てられることって?

目標設定について少しイメージが沸いてきたでしょうか?では、秘書が目標として設定できる内容を具体的に考えていきましょう。実際の自分の業務を考えながら、目標設定の参考にしてみてくださいね。

秘書が「目標設定」として立てられること

1、日々の定型業務のミスをなくす

秘書業務は日々のルーティンワークもありますが、毎日行っている慣れた業務ほど、ついうっかりミスを起こしてしまいがち。一つひとつの業務をしっかりと意識して行うことで、ミスの削減にもつながります。

ミスをなくすための具体策として、「設定ミスがないか1日1回、上司のスケジュールを再確認する」といった目標を掲げるのも良いでしょう。

2、業務の時間短縮、効率化を行う

さらなるステップアップを目指すなら、今の作業を効率的にできないか、業務の時短化にトライ。例えば、「現在30分かかっている業務を20分でできるようする」など、具体的な数字を入れた目標を立てると良いでしょう。

3、業務マニュアルの作成・見直しや、業務資料の更新を行う

ミスの誘発防止や作業の効率化をはかるためにも、自分が行なっている業務のやり方をもう一度見直しましょう。資料を更新したり、最新の秘書マニュアルを勉強したりすることで、自分自身も成長できます。

4、資格を取得する

秘書のお仕事をする上で、資格は必ずしも求められるものではありませんが、資格の勉強を通じて、秘書業務で役立つ知識を身につけられます。

秘書業務に役立つ資格としては、「秘書検定」や「CBS(国際秘書)検定」などが挙げられます。また、秘書業務で英語を使う機会がある場合は、「TOEIC(R)Listening & Reading Test」を受けて、今の自分のスコアを確認してみるというのもオススメ。資格取得を検討中の方は、現在の自分に合ったレベル・内容のものを調べてみてくださいね。

資格を取得することで、あなたの知識・スキルを「見える化」でき、それを業務に活かすことで、周りからの評価にもつながりやすいでしょう。

※関連記事:『秘書になるために必要な資格って?オススメの資格をご紹介!

5、秘書としてより高度なビジネスマナー、接遇応対を身につける

社内外問わずさまざまな方々と接する機会が多い秘書。秘書の印象がそのまま担当上司の印象にもつながるため、「いかに安心感・信頼感を持ってもらえるか」は、相手と良好な関係性を築き、業務を円滑に進めるために大切なことです。

一般的なビジネスマナーはもちろんのこと、立ち居振る舞いや所作など、秘書としてより高度なビシネスマナー、接遇応対を身につけることも目標となりえるでしょう。たとえば、担当上司の代筆で文字を書くことが多い場合は、美しい文字の鍛錬することもひとつ。

※関連記事:『秘書・受付のお仕事を目指すなら知っておきたい「接遇用語」

「目標設定」の際に気をつけるべきこととは?

秘書の目標設定の「具体例」をご紹介してきましたが、参考になりそうな具体例はあったでしょうか。ここからは自分の立場に置き換えて、目標設定をするときの「注意すべきポイント」についてもチェックしてみましょう。

目標設定には、個人のステップアップだけではなく、働いている会社への貢献や、本人の会社における役割を明確にする、といった目的もあります。つまり、目標設定のためには、多角的な視点も必要になってきます。以下で、目標設定のNG例をご紹介しますので、自分の目標を立てる際に参考にしてみてくださいね。

現実的に達成が難しい、高すぎる目標設定

高い理想を持つことももちろん大事ですが、現実的に達成が難しいと分かっている目標を設定すると、達成できず意欲が下がってしまうことも。「目標を達成した」という成功体験を重ねることが、自分の自信にもつながります。

今の自分がどの程度のレベルかがわからないときや、「この目標が今の自分に合っているのかな?」と迷った際は、信頼のおける同僚や上司に相談するのも良いでしょう。

評価を得るための低すぎる目標設定

「すぐにクリアできそうなことを目標に掲げる」「確実に達成したいから、低すぎる目標設定を立てる」というのもオススメできません。今の自分の状況や周りから期待されている役割をもう一度見直して、今の自分に足りない部分や伸ばした方が良い部分を考えてみましょう。

意欲的に取り組めるような“少し高め”の目標を設定するのがオススメです。

抽象的で評価軸があいまいな目標設定

抽象的すぎて達成が判断できない目標は、評価もされにくいもの。「●●をがんばる」など、あいまいな表現で目標設定をするのは、避けるようにしましょう。

できるだけ目標設定に数字を入れたり、「資格を取得する」「○○の業務をひとりでできるようになる」「改善提案を5つする」など具体性な目標を掲げたりすると良いでしょう。

目標を上手に設定してステップアップに役立てよう!

目標設定は、働くうえでも、自己の成長のためにも欠かせないもの。たとえ、成果が見えにくいお仕事であっても日々目標を持って業務に取り組み、それを達成するというプロセスを繰り返すことで、成長や達成感を味わうことができますよ。

このように、正しい目標を設定することで、着実なステップアップが可能になるでしょう。もし、ひとりで目標設定を立てるのが難しいと感じたときは、パソナ登録スタッフなら無料で利用できるキャリアコンサルティングを活用する方法もあるので、気になった方はお気軽にご相談ください。

まずは、今回ご紹介したポイントを参考に、「秘書の目標設定」にチャレンジしてみてくださいね。

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