働き方

2022/01/14

派遣社員が有給休暇(年次有給休暇)を取得する際に注意すべき点や休める日数など徹底解説!

著者: パソナ キャリアコンサルタント

派遣社員が有給休暇(年次有給休暇)を取得する際に注意すべき点や休める日数など徹底解説!

有給休暇(年次有給休暇)は、一定の条件を満たせば雇用形態を問わず付与されるもの。もちろん派遣社員も取得できますが、「就業先が変わったら?」「どこに申請すれば良い?」「半休は取得できる?」などの不明点をお持ちの方も多いのでは。今回は、派遣社員が有給休暇を取得する際の条件や申請方法、注意点などをご紹介します。

目次
派遣社員の有給休暇(年次有給休暇)の取得条件って?
有給休暇を派遣社員がどのくらい付与・取得しているのか
年5日の有給休暇取得が義務化されたって本当?
有給休暇の申請方法って?
有給休暇をスムーズに取る方法と使う際の注意点
就業先を辞める前にまとめて有給休暇を取得する場合の4つの注意点
派遣で有給休暇が取れないときはどうすべきか
計画的な有給休暇の消化を心がけよう

派遣社員の有給休暇(年次有給休暇)の取得条件って?

有給休暇とは、働く人の心身の疲労回復を目的とした「賃金が発生する休暇」のことです。労働基準法によると、労働者は次の2つの条件を満たせば、有給休暇を取得することができると定められています。

有給休暇が付与される要件

労働基準法では、「雇入れの日から6ヶ月間継続勤務している」「全労働日の8割以上勤務している」これら2つの条件を満たす労働者には、有給休暇を付与すると定めています。

つまり、6ヶ月以上お仕事を続けていても、契約の間に空白期間が生じたり、出勤日数が8割に満たなかったりした場合は継続勤務とみなされないため、有給休暇は付与されません。この法律は、正社員や派遣社員、パートなど、すべての雇用形態に適用されます。

有給休暇の付与日数

有給休暇は雇用元から付与されるため、派遣社員の場合は勤務開始から6ヶ月間の継続勤務をした時点で、派遣会社から10日間の有給休暇が付与されます。

その後は下記の表の通り、勤務年数が長くなるごとに有給休暇の日数が増え、6年6ヶ月以上続けて勤務すると、上限となる年20日の有給休暇が付与されます。

継続勤務年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月以上
付与日数 10 11 12 14 16 18 20

なお、パートや時短勤務など、週の所定労働日数が4日以下(年間の所定労働日数が216日以下)、かつ労働時間が30時間未満の方の有給休暇付与日数は、以下の表の通りです。

週所定
労働日数
1年間の
所定
労働日数



継続勤務年数
6ケ月 1年
6ケ月
2年
6ケ月
3年
6ケ月
4年
6ケ月
5年
6ケ月
6年
6ケ月
4日 169日~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121日~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73日~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48日~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

*週以外の期間によって労働日数が定められている場合

※参考元:厚生労働省『年5日の年次有給休暇の確実な取得わかりやすい解説

有給休暇の有効期限

有給休暇には有効期限があり、取得後2年以内に使わなければ消滅してしまいます。

前年度に取得しなかった有給休暇は翌年度に繰り越すことができますが、2年を越えるとせっかくの休暇がなくなってしまうことに。そのため、有給休暇は計画的に使っていきましょう。

有給休暇が使いづらい場合にはどうするべきか

なかには、有給休暇の取得を言い出しづらいケースがあるかもしれません。ですが有給休暇は働く人にとって平等に与えられた権利。なるべく早めに派遣元に相談したり、就業先企業に休暇を取りたい理由を伝えておいたりするとスムーズに取得しやすいでしょう。

<有給休暇取得の理由例>
・冠婚葬祭:地元で行われる友人の結婚式に参列するため
・子どもの行事:業務時間内に行われる子どもの授業参観に参加するため
・病院関係:自身の通院や検査、親や子どもの通院付き添い、送迎をするため など

有給休暇を派遣社員がどのくらい付与・取得しているのか

東京都産業労働局の「平成30年度 派遣労働に関する実態調査」では、派遣社員に付与された有給休暇の日数は「10~14日」が50%、「15日以上」が27.6%というデータが出ています。有給休暇の取得率は88.6%で、派遣で働く人の大半が有給休暇を取得できていることがわかります。

取得日数の内訳を見ると「5~9日」が23.3%、「10~14日」が21.8%、「1~4日」が20.6%、「15日以上」が12.9%となっています。

年5日の有給休暇取得が義務化されたって本当?

有給休暇は、要件を満たせば誰もが取得できるものです。しかし、日本は有給休暇の取得率が国際的にもきわめて低く、職場や同僚などへの遠慮から休暇を取りにくいという状況がありました。

この状況を打破するため、2019年4月からすべての雇用元は「有給休暇の日数のうち年5日は、時季を指定して取得させること」が義務付けられました。つまり、「付与された有給休暇のうち5日は、付与された日から1年の間に(必要があれば雇用元が取得時季を指定して)必ず取得させなければならない」ということです。

なお、義務化された年5日の有給休暇の時季指定については、「雇用元が労働者の要望を聞き、できる限り希望に沿った取得時季になるよう努めなければならない」とされています。ただし、就業先企業の繁忙期などで業務に大きな支障をきたす場合には、雇用元が「有給休暇の時季変更権」という権利を使って、別の時季に変更してもらう場合もあります。

このように、有給休暇を取得する場合は雇用元とも相談しながら、計画的に消化する必要があるのです。

有給休暇の申請方法って?

有給休暇の申請方法って?

有給休暇の申請先

派遣社員が実際に働くのは就業先企業ですが、雇用元はあくまで派遣会社。そのため、有給休暇を派遣社員に付与するのも派遣会社です。そのため、有給休暇の申請は派遣会社に対して行いましょう。

このとき、状況によっては、派遣会社への申請前に就業先企業へ有給休暇を取得する旨を伝えたり、就業先企業との日程調整・相談が行われたりする場合もあります。日程の変更があった場合は、あらためて派遣会社への連絡や申請が必要です。

有給休暇の申請方法

申請の手順は派遣会社によって異なりますが、パソナの場合は登録スタッフ専用のMYPAGE上にある「有給休暇」の項目から申請ができます。また、残日数の確認や申請日の取り消しなどもすべてMYPAGE上から操作できます。

なお、有給休暇を取得した日の給与は【1日の所定労働時間×1時間あたりの賃金(時給)】で計算します。

派遣会社によっては、半休も取得可能に!

厚生労働省によると、「有給休暇は1日単位で取得することが原則」としていますが、2020年4月より「半休(半日単位の有給休暇)」の取得を可能とする派遣会社も増えてきました。

派遣会社によって異なりますが、パソナでも2020年4月から半日単位(0.5日)での有給休暇の取得が可能となりました。なお、半休の場合、有給休暇を取得した日の給与は【日額(1日の所定労働時間×1時間あたりの賃金)÷2(半分)】となります。

派遣会社によって半休取得の可否や規定が異なるため、気になる方は事前に確認しておきましょう。半休について詳しく知りたい場合は、下記の記事もご覧ください。

※関連記事:『派遣社員は半休を取れる?同一労働同一賃金の制度についてもご紹介!

有給休暇をスムーズに取る方法と使う際の注意点

ここまで、有給休暇の取得条件や申請方法などについてご紹介してきましたが、希望通りに有給休暇を取得するためには、知っておきたいいくつかのポイントがあります。

有給休暇の残日数を正確に把握する

今年は有給休暇を何日取得し、あと何日残っているのか。正確な日数を把握していない方は、意外と多いようです。計画的に取得するためにも、まずは、自分の有給休暇の残日数を派遣会社に確認しておきましょう。

なお、パソナの場合は、スタッフ専用の「MYPAGE」から簡単に残日数を確認できます。

なるべく就業先の繁忙期を避ける

基本的に、有給休暇は本人の好きな日に取得することが可能です。とはいえ、雇用元にも時季変更権があるため、就業先の繁忙期の有給休暇取得はなるべく避けるようにしましょう。繁忙期を避けることで、お休みに入る前の業務引継ぎもスムーズに行えるはずです。

就業先との日程調整を行う

有給休暇を取得する場合、就業先の企業における業務の調整や引継ぎが必要となります。派遣会社へ有給休暇取得の申請を行う際は、およそ1週間前までには就業先企業にも報告して、取得日程の確認・調整をしましょう。周りに迷惑を掛けず、気持ち良くお休みを取るためにも重要なポイントです。

有給休暇後は業務の動きを確認する

休暇が終わって出勤したら、まずは自分が休んでいる間にあったことや、業務に動きがあったかどうかを確認します。メールチェックも念入りに行いましょう。

就業先を辞める前にまとめて有給休暇を取得する場合の4つの注意点

①年次有給休暇は、契約期間内で消化する

基本的には、派遣契約期間を超えて年次有給休暇を取得することはできないため、契約期間内に取得する必要があります。契約終了までに年次有給休暇を取得したいと考える場合は、引継ぎのスケジュールなども考慮する必要があるため、派遣会社や就業先と相談して日程を決めましょう。

②有給休暇を買い取ってもらうことはできない

有給休暇は、労働者が心身の疲労回復をすることを目的としたもの。そのため、有給休暇の買い取り行為は本来の目的から逸脱することになってしまいます。労働基準法でも、通常の有給休暇の買い取り行為は原則禁止されています。

③土日祝日などの休日は有給休暇として消化できない

引継ぎや残務などでの出勤が必要で、契約満了までにすべての有給休暇を取得することがむずかしそうなとき、土日などの休日を有給休暇にしたいと考える人は多いかもしれません。しかし有給休暇は、労働義務のある日についてのみ請求できるものです。就業先が土日祝日を「休日」と定めている場合や、契約書で「休日」と定められている日(創業記念日など)に有給休暇を取得することはできません。

④就業先が変わっても有給休暇はリセットされず、持ち越せる

契約満了後も同じ派遣会社でお仕事をする場合は「継続勤務」となるため、有給休暇を持ち越すことが可能です。ただし、お仕事をしていない期間がしばらく空く場合は有給休暇が消滅してしまいます。その期間は派遣会社によって異なるため、必ず就業規則などを確認しておきましょう。

パソナの特別有給休暇制度

パソナでは、派遣の雇用契約終了後、1年以内に再びパソナからお仕事をスタートした方を対象に、未使用の有給休暇の残日数(最大10日)を、新しい契約の開始日に付与する「特別有給休暇制度」を設けています。特別有給休暇の残日数も、通常の有給休暇と同様にMYPAGEの「有給休暇連絡」からご確認いただけます。

※関連記事:『最大1年間持ち越しOK!パソナ独自の「特別有給休暇」制度って?

派遣で有給休暇が取れないときはどうすべきか

有給休暇を取得しようとしたけれど、就業先に拒否されることがあるかもしれません。そんな事態に備えて知っておきたい時季変更権についての解説や、相談すべき相手を解説します。

①時季変更権の存在

時季変更権とは、有給休暇の取得にかかわる企業の権利です。有給休暇は労働者の権利であるため、本来は本人が希望する日付で取得できるのですが、繁忙期に人が足りず業務が回らなくなるという場合のみ、企業は時季変更権を行使して別の日に変更してもらうことが可能。ただし、企業が時季変更を行使するには、必ず従業員の合意を得ることが必要です。

②派遣で有給休暇を取らせないのは違法

有給休暇の取得は、労働基準法で定められています。時季変更権によって企業が休暇の取得日を変更するようお願いすることはあっても、派遣元や就業先が取得そのものを拒否することはできません。

③就業先の会社から有給休暇取得を拒否された場合

繁忙期でないにも関わらず就業先が有給休暇を取得させてくれない場合には、その経緯がわかるメールや電話でのやりとりを記録し、まずは派遣会社の担当者に相談をしましょう。就業先企業との間に入って、有給休暇が取得できるよう調整してくれるでしょう。

計画的な有給休暇の消化を心がけよう

有給休暇は、法律で認められた労働者の権利であり、心身のリフレッシュのために休みを取得できる制度です。ただし、直前になってから引継ぎや業務調整で慌てることがないよう、取得の際は事前に準備をしておくのがベター。まずは自分の有給休暇が何日残っているかを確認し、余裕を持って計画的に取得していきましょう。

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