働き方

2022/07/29

出向と派遣の違いとは?それぞれの違いやメリット・デメリットについて解説

著者: パソナ キャリアコンサルタント

出向と派遣の違いとは?それぞれの違いやメリット・デメリットについて解説

「派遣」と「出向」は、どちらもよく耳にする言葉ですが、それぞれ何がどのように違うのかと聞かれると、答えに戸惑う方も多いのではないでしょうか。ここでは、両者の違いとそれぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説します。両者についての理解を深めることで、この先の転職活動に活かしていきましょう。

目次
派遣と出向の特徴
派遣と出向の違いとは
派遣と出向のメリット・デメリット
まとめ

派遣と出向の特徴

派遣と出向の特徴

「派遣」や「出向」は、どちらも雇用元の企業内でなくその子会社や関連会社、あるいはまったく別の企業などで勤務する働き方です。両者は一見似ていますが、雇用契約の部分で大きな違いがあります。まずは、派遣と出向それぞれの特徴や違いなどを見ていきましょう。

派遣とは

派遣社員は、企業の人手不足を補う手段として、全国各地で広く活用されている雇用形態です。

派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び、就業先企業に勤務して業務に従事します。雇用主は派遣会社で、就業先企業と派遣社員の間に雇用関係はありません。派遣社員への給与支払いや社会保険加入、福利厚生の適応などは、雇用契約先の派遣会社が実施します。

※関連記事:派遣とは?派遣の種類や特徴、メリット・デメリットについて解説

出向とは

出向とは、出向元の社員のまま子会社や関連会社などで業務を行うことです。出向という働き方には、2つの方法があります。

在籍出向

在籍出向とは、出向元の企業に籍を置いた状態で、出向先となる別の企業に勤務する働き方です。出向元企業と出向先企業との間の出向契約により、出向者はその両方と雇用契約を結びます。雇用契約が二重になるため、実施する際はスタッフに対する責任の所在を明確にしておかなければなりません。

在籍出向は、出向先企業で一定期間勤務し、契約期間終了後には出向元に戻ります。社内では学べない技術を出向先で習得する、出向先に技術のレクチャーをするなどのケースが多く、主に人材育成などを目的として利用されるのが一般的です。

転籍出向

転籍出向は、出向元との雇用契約を解消し、出向先と新たに契約を結ぶ働き方です。業務は出向先の指示に従って行い、就業規則も出向先のルールが適用されます。労働者が出向元に戻ることはないため、実質的な転職とも言えます。人材育成が主な目的の在籍出向とは異なり、労働力削減のための雇用調整や、人事戦略の一環として利用する企業が多い傾向です。

派遣と出向の違いとは

派遣と出向の違いとは

派遣と出向は、雇用の契約方法や期間、労働時間などが異なります。ここでは「派遣」「在籍出向」「転籍出向」それぞれの働き方をご紹介します。

雇用契約の違い

派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び、就業先企業とは雇用契約を結びません。法律上の雇用主は派遣会社のため、事故やトラブルが発生した際の責任も派遣会社が負います。ただし、実際に指揮命令をしている就業先企業が全く責任を負わないわけではなく、派遣会社と就業先で責任を分担します。

一方、在籍出向は出向元企業と出向先企業との出向契約によって、出向元企業と出向先企業の双方と雇用契約を結びます。転籍出向は、出向先企業のみと雇用契約を結び、出向元企業との雇用契約は解消されます。

雇用期間の違い

派遣と出向は、雇用期間にも違いがあります。派遣社員を雇用する際は、同一就業先・同一部署で最短31日以上の雇用期間があることが求められます。30日以内という短期間での雇用契約は、特別な条件を満たしていない限り行えません。また、同一の職場での勤務は3年を超えてはならないと法律で決められています。

一方、雇用期間について、出向は派遣のように厳格な規定は設けられておらず、基本的には各企業の出向ルールが適用されます。半年~数年単位での出向が多く、派遣よりも長期間出向先で働き続けることも可能です。

労働時間の違い

派遣社員の労働時間は契約書に定められています。派遣会社と就業先企業で「労働者派遣契約」を交わして、労働時間や休憩時間、有給休暇の取得管理などは、派遣会社と就業先企業がともに管理します。派遣社員が時間外労働を行うときは、派遣会社と派遣社員が36協定を締結し、届け出をする必要があります。時間外労働で発生する残業代の請求内容は、契約によって異なりますが、労働者派遣契約で定められている労働時間に残業代を加え、合計の労働時間数に応じて計算されます。

なお、出向の場合は、基本的に出向先の規定が適用されます。在籍出向では労働者の在籍管理や給与支払いを出向元企業が行いますが、労働時間は出向先の規定に従います。転籍出向の場合は、在籍管理や給与支払いも出向先の企業が管理します。

給与支払いの違い

派遣社員は、派遣会社から給与を受け取ります。就業先企業が派遣会社に賃金を支払い、必要経費などを除いた残りの金額を、派遣会社が派遣社員に支払う仕組みです。社会保険や有給休暇による費用なども、派遣会社が負担します。

出向者の給与の支給方法は、在籍出向か転籍出向かによって異なります。在籍出向の場合は、出向元と出向先それぞれで雇用契約を結んでいるため、両企業が話し合って給与の支払元を決めます。

一方、転籍出向では雇用契約を結んでいる出向先企業が給与を支払います。

派遣と出向のメリット・デメリット

派遣と出向のメリット・デメリット

派遣と出向はそれぞれ雇用形態や労働時間の規定などが異なるため、メリット・デメリットも違います。自分に適した働き方を判断するためにも、それぞれのメリット・デメリットを正しく把握しておきましょう。

派遣のメリット・デメリット

自分のライフスタイルに合わせた働き方ができる

派遣で働くメリットは、勤務地や勤務時間、勤務日数などの細かい希望条件をもとに、納得のいくお仕事を探しやすいことです。ライフスタイルに合わせた理想的な働き方ができる就業先企業を選べば、お仕事とプライベートの両立も可能でしょう。

自分のスキルやキャリアにあったお仕事が選べる

派遣会社は、登録の際にこれまでの経験やキャリア、保有しているスキルなどをヒアリングし、できる限り本人の希望に近いお仕事を案内します。また、派遣会社のサイトから、希望の条件に合う求人を検索して、自身で応募することもできるので、自分のスキルや経験を活かして働きたいという方にもおススメです。

一方、派遣の主なデメリットは以下のものです。

ひとつの職場で3年以上は働けない

一部例外はありますが、派遣社員が同じ組織で働けるのは原則3年までと定められています。そのため、ひとつの会社で長期的なキャリアを積みたい方にとっては、デメリットと感じるかもしれません。

お仕事は契約で定められた内容に限られる

派遣社員のお仕事は、契約書で定められた範囲内の業務内容に限られます。スキルや経験を活かして働けるのが派遣のメリットですが、責任のあるお仕事や裁量権のあるお仕事を任されることは少なくなります。自分の裁量でお仕事をしたい人にとっては、ミスマッチが生じてしまう可能性もあるでしょう。

出向のメリット・デメリット

責任ある業務を担当できる

出向社員は、出向先の正社員に近い扱いとなるため、責任が伴う業務を担当することができます。責任が大きい仕事は大変ではありますが、社会人として大きな成長が期待できるでしょう。

人間関係を構築できる

出向先では、新たな従業員と関わるため、出向前には得られなかった人間関係を構築することもできます。人脈が広がると、これまで興味がなかった分野の知識や知見を得られることも大きなメリットです。一方、出向の主なデメリットは以下のとおりです。

新しい業務を覚える必要がある

基本的に出向先では、新たな業務を担当することになります。手慣れた業務とは異なる内容の業務を、新たに覚えなくてはならず、ある程度の負担はかかるでしょう。

職場環境、ライフスタイルが変わる

出向に伴い職場が変わるため、出勤時刻や周囲の人間関係なども変化します。人によっては私生活のリズムが崩れたり、職場になじむまでに時間がかかったりするかもしれません。また、出向先が遠方になる場合は転居を伴うこともあり、ライフスタイルの変化が必要になることもあります。

まとめ

派遣と出向、自分はどちらのスタイルを選べば良いのか選択に悩むこともあるでしょう。転職においてどのような雇用形態で契約をするかはとても重要な要素です。似たようなイメージを持ちやすい派遣と出向ですが、実際にはかなりの違いがあります。今後の目指すキャリアやライフスタイルを考えて選択していきましょう。

参考サイト:

みんなの仕事ラボ(シゴ・ラボ)は、働くすべての方々に向けたキャリアアップ、スキルアップのためのお役立ちサイトです。
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