【派遣社員の引き継ぎ】後任への引き継ぎのコツとマニュアル作成ポイント
派遣のお仕事の契約満了が決まった際、行うべきことのひとつが、後任担当者への引継ぎ業務です。
しかし、「どのような流れで引継ぎが行われるのか?」「引継ぎ期間はどのくらいが妥当なのか?」といった不明点が多いと、どれから手を付けて良いのか困ってしまうこともありますよね。
そこで今回は、契約満了が近づいてきた際の「派遣の引継ぎ」に関する疑問にお答えします。お仕事の締めくくりに欠かせない引継ぎ作業のポイントを押さえて、気持ち良く次のお仕事へ進みましょう。
- 目次
- 契約満了日が決まったら、後任への引継ぎ業務を始めよう
- STEP① 引継ぎ事項の整理と、引継ぎ方法の確認のコツ
- STEP② 引継ぎスケジュールの設定や確認はどうすれば良いの?
- STEP③ 引継ぎ作業で重要な「引継ぎ書(マニュアル)」作成のポイント
- 後任者の立場に寄り添った、気持ちの良い「引継ぎ」を心がけよう!
契約満了日が決まったら、後任への引継ぎ業務を始めよう
業務の引継ぎでは、自分が職場を去ったあとも後任者がそのお仕事をスムーズにできるよう、業務フローをしっかりと伝えることが大切です。
もしも、業務に必要な情報が十分に引継がれていなければ、トラブルの発生につながるだけでなく、誰もその業務を実施できないという最悪の事態に陥ることもあります。だからこそ、丁寧に業務を伝え、ヌケ・モレがないよう、次の3つのステップに沿って引継ぎを進めていきましょう。
STEP① 引継ぎ事項や引継ぎ方法を整理する
まずは自分の担当業務を洗い出し、後任者に引継ぐべき事項を整理します。場合によっては対面での引継ぎができないこともあるため、あらかじめ引継ぎ事項や引継ぐ相手を確認しておきましょう。
STEP② 引継ぎスケジュールの確認
最終出社日から逆算して引継ぎスケジュールを組みます。通常業務を行いながら引継ぎ準備を進めるため、余裕を持ったスケジュールにしましょう。
STEP③引継ぎ書(マニュアル)の作成
引継ぎ書(マニュアル)作成にあたっては、初めてその業務を行う人の視点に立ち、丁寧な説明を心がけましょう。手順を細かく説明することはもちろん、自分がこれまでに苦労した点や問題点、その解決ポイントなども振り返って盛り込むと良いでしょう。
STEP① 引継ぎ事項の整理と、引継ぎ方法の確認のコツ
それでは、ステップごとに引継ぎのポイントを詳しくご紹介していきます。
まず取り組むべきは、「何の業務を引継ぐか」という洗い出しと、整理です。基本的には引継ぎ書やマニュアルを用意し、後任者へ口頭でも引継ぐことを想定して、準備を進めます
自分の業務(タスク)の洗い出しや引継ぎ事項の確認
担当業務を細かく説明することはもちろん、月間・年間スケジュールなどを用いて仕事の全体像を説明したり、これまでの業務の履歴をまとめたりして伝えると親切です。
伝達方法の仕分けをする
伝える情報の種類によって、伝え方を工夫することも大切。引継ぎ事項が洗い出せたら、口頭で伝えるものと資料やデータで伝えるものを仕分けましょう。
手順をわかりやすく理解できるように、フローチャートを作成したり、Excelで業務リストを作成したり、どうすれば相手が理解しやすいかを考えてみましょう。
対面で引継げない場合はどうする?
対面で引継ぎができる場合は、引継ぎ書(マニュアル)をもとに口頭での説明や、実際に自分がデモンストレーションをしてみせることができますが、後任者と就業期間が重ならず、対面での引き継ぎができないケースもあります。
そのときは、書面だけで引継ぎをしなければならないため、さらに詳細な記述を加える必要があるでしょう。
また、後任者ではなく、就業先企業の代理の方に引継ぐ場合もありますので、就業先の上司に事前に引継ぎ方法をしっかり確認しておきましょう。
STEP② 引継ぎスケジュールの設定や確認はどうすれば良いの?
通常、引継ぎ期間は1週間~長くても1ヶ月程度であることがほとんどですが、なかには数日で引継ぎをしなければならないこともあります。就業先の上司や同僚、関係者にも確認を取りながら、引継ぎのスケジュールを組むことが大切です。
そのスケジュールに応じて、引継ぎ書を完成させる必要がありますが、基本的には、最終出社日の5日前までには完成させることを目標にしましょう。
引継ぎのスケジュール設定のポイント
・会社の繁忙期や通常業務との兼ね合いを考慮する
・就業先によって引継ぎ期間が異なるため、スケジュールについての不明点があれば、派遣会社担当へ事前に相談する
・契約満了日までに有給休暇の取得を予定している場合は、それを見越したスケジュールを組む
・後任者の理解度に応じて、引継ぎにかかる時間も変わってくるため、余裕を持った予定を組む
・対面での引継ぎができない場合は、引き継ぎ書の作成時間を十分に取る
ガントチャートツールの活用もオススメ
引継ぎでよくあるのが、「思いのほかマニュアル作成に時間がかかり、不完全な仕上がりのまま終わってしまった」という失敗談。なんとしてもスケジュール通りに準備をすすめるためには、進捗管理がとても大切です。
そこでオススメしたいのが、プロジェクトの進捗管理にも使われる「ガントチャート」というツールです。ここでは、Excelを使ったガントチャートの手軽な作成方法と使い方をご紹介します。
Excelガントチャートの作り方
1.カテゴリごとのタスクリストを作成する
図のように、カテゴリとタスクを親子形式で作成します。縦軸にタスク、横軸に日付をとります。
2.タスクごとの所要日数を見積もる
大体で良いので、タスクごとに作業に必要な日数を書き出します。
3.セルを塗って、スケジュールを作る
所要日数に応じて、タスクごとに色を分けてセルを塗りつぶします。有休取得予定日や休日を作業日に含めないように注意してくださいね。
ガントチャートの便利な点
・全体の作業量を把握できる
・いつまでに何をすれば良いかが、明確にわかる
・作業のヌケやモレを防げる
今回は、一番簡単な方法でガントチャートを作る方法をご紹介しましたが、他にもExcelの条件付き書式を使って動的にセルに色を付ける方法などもあります。興味のある方は、調べてみてくださいね。
STEP③ 引継ぎ作業で重要な「引継ぎ書(マニュアル)」作成のポイント
次はいよいよ引継ぎ書やマニュアル作成です。ポイントは、「初めてその仕事をする人でも理解できるように、わかりやすく丁寧な説明をすること」。どうすればわかりやすい引継ぎ書が作成できるのか、ポイントをまとめました。
引継ぎ書のフォーマット
読み手にとって分かりやすいのは、WordやExcel、PowerPointなどのOffice系ソフトを使ってまとめる方法です。とくに社内ルールがなければ、引継ぎ内容をまとめやすいツールや、自分が普段使い慣れているソフトで作ってみてください。
もし既存のマニュアルがあり、それに内容を追加する場合は、ルールに則って、必要箇所をアップデートしていきましょう。
引継ぎ書に記載すべき内容
・業務の目的や役割
・業務の流れ、スケジュール、ルーティン業務(日次・週次・月次など)
・社内の備品や設備などの使い方
・電話応対、郵便物の処理、備品の発注などの庶務業務
・ファイルの命名ルールやデータの格納場所など
・業務で関わる社内の担当者や顧客など、関係者の連絡先リスト
・業務に必要な情報や必要書類の保管先
・ノウハウ集(申し送り事項、過去のトラブルの事例・解決法など)
記載する際に注意するポイント
・年間スケジュールを作ると業務の全体像が伝わりやすい
・日次、週次、月次の単位に分けてやるべきことをまとめるとわかりやすい
・日々の業務を行いながら引継ぎ書を作成すると、記載抜けやモレを防げる
・誰が見ても同じ作業ができるように、わかりやすく丁寧な記載を心がける
・業務の手引きとなるWEBサイトやツール、参考にすべき書籍、困ったときにフォローしてもらえる人なども伝える
※関連記事:『派遣社員の「引継ぎマニュアル」作成方法が知りたい!分かりやすい引継ぎ資料って?』
後任者の立場に寄り添った、気持ちの良い「引継ぎ」を心がけよう!
引継ぎの際は、細かい部分までイメージを膨らませ、後任の方に十分に配慮することが大切です。もしも自分が引継ぎを受ける立場だったら…と想像して、後任者に寄り添った内容の引継ぎを心掛けましょう。今回ご紹介した3つのステップをおさらいすると、次の通り。
① 引継ぎ内容の整理と確認
② スケジュールの確認
③ 引継ぎ書(マニュアル)の作成
スケジュールに余裕を持ち、ヌケ・モレがないか何度も確認しながら、精度の高い引継ぎを心がけましょう。
引継ぎは、次にお仕事をする後任者のために必要な作業ですが、実は自分にとってプラスになる側面もあります。
ひとつは、業務を整理することによって、これまでの自分のお仕事を振り返り、スキルの棚卸しができるということ。そして、引継ぎ書の作成を通じて、情報を整理してまとめる資料作成スキルや、相手にわかりやすく伝えるコミュニケーション能力も磨かれることでしょう。
引継ぎ業務は、あなたのスキルを高めるきっかけにもなるはずですよ。また、しっかりと業務を引き継ぐことで、就業先の信頼感を得ることができ、きっと次のお仕事にも良い影響を与えるでしょう。
引継ぎ業務に関して、就業先に確認しづらいことや、お困りのことがあれば、派遣会社の担当にご相談くださいね。パソナでは、派遣スタッフの皆さんが気持ちよくお仕事ができるような就業中のサポートや、次のお仕事探しもお手伝いしています。
また、「シゴ・ラボ」では、派遣のお仕事で困ったときに役立つ記事を多数紹介しています。他の記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
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