Power BI、PowerPivot、Excel Pivotテーブルとの違いは?
Power BIでビジネスデータの分析をしてみたいけれど、どのバージョンを使うことが自分にとってベストなのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。この記事では、Power BIサービス群の種類や特性を紹介します。どのPower BIがあなたにとって最適でしょうか?
Excel版とPower BIの違い
現在、レポートの作成が行えるPower BIには、大きく以下3つの種類があります。
1)Excel版
2010年に最初にリリースされたOfficeの一部エディションで使用できるExcelアドオン版のPower BIです。Power Query、PowerPivot、Power View、Power Mapの4つのアドオンを追加することにより、Power BIの強力な分析機能をExcelで利用できるものです。利用可能なエディションに制限があり、
・Office 365 Pro Plus
・Office Professional Plus 2016
・Office Professional Plus 2013
・Excel 2013 スタンドアロン
・Office Standard 2013(一部制限あり)
・Office Professional Plus 2010(一部制限あり)
のみとなっています。
2)Power BI Desktop
Excel版に代わって、使用しているOfficeのバージョン等に制限されず、誰でも無料で利用できるようになったスタンドアロンのセルフBIソフトウェアです。2015年に登場し、利用者が急増しています。Power BI Desktopは、Excel版Power BIと同様にクエリの編集や、レポートの作成といったデータベースからのデータを読み込み、ビジュアルな分析レポートを作成するまでの機能が備わっています。
Excel版とPower BI Desktopとでは、だいぶソフトの外観が異なりますが、主要な分析操作については、よく似たインターフェースになっています。どちらかを使ったことがあれば、もう1つも自然と使いこなせるような操作の共通性を持っています。
Power BI Desktopは、毎月アップデートされており、新機能がいち早く組み込まれまれます。その点でもExcel版とは異なります。
3)Power BIサービス
Power BIサービスは、ブラウザを使ってオンラインで利用できるセルフBIツールです。無料で誰でも使うことができ、組織として利用する際はOffice 365の一部として管理・運用が可能です。
Power BIサービスは、レポートの作成やダッシュボードの作成・共有といったセルフBIに欠かせない操作ができますが、クエリ(テーブル)の編集とリレーションの関連づけ操作(Power Queryに該当する機能)が行えません。また、各種データベースからデータを直接インポートできますが、Webページの読み込みには対応していません(これは、データの成形が行えないからと考えられます)。
このようにPower BIサービスは便利な反面、単体では足りない機能もあるので、基本的には、Power BI Desktopとセットで使うイメージでいたほうがよいでしょう。
Power BIのメリットの中でも大きいのは、ブラウザがあればインストールなしにすぐに使い始められる点です。また、高度な分析や視覚化も、クラウドで処理されるのでパソコンの性能を気にする心配がほとんどありません。最新版のモダンブラウザをインストールしていれば、Mac、Windowsの両OSで利用できます。そして、Power BIのモバイル版アプリもセットで利用することで、Power BIサービスで作成したレポートやダッシュボードが、スマートフォンやタブレットでも気軽に閲覧できるようになります。
参考:Power BIサービスとExcel版Power BIについては、「Excel(エクセル)との親和性がアップしたPower BI」もご参照ください。
どのPower BIを使うべきか?
Excelの利用頻度が高く、ExcelのPivotテーブルと併せてPower BI機能を使いたいと考えている方には、Excel版のPower BIがお勧めです。ただし、Officeエディションが対応している必要があります。
Power BIに対応しないOfficeエディションを使用している方や、Excelが使えなくても構わない方は、モダンなデザインのPower BI Desktopをお勧めします。Power BI Desktopのインターフェースは、Excelとよく似ていますが、BI機能に絞り込まれているので、操作は比較的シンプルです。
また、ExcelのPower BI機能と異なり、元となるテーブルデータを更新することでレポート内容を自動的に最新の状態に更新できます。そのため、使い方によっては、毎月の業務を大幅に効率化することもできます。
Power BIサービスは、視覚化による分析や更新データの閲覧を中心に使うことに適しています。Power BIをメインに使うか、Power BI Desktopをメインに使うかは、業務の切り分けによって、自ずと決まってくるでしょう。