Power BI Desktopアップデート:レポートビューに「分析」ペイン、バックアップ機能が新登場
Power BI Desktopの8月のアップデート情報をお届けします。今回は、「分析」ペインの登場をはじめ、レポート機能に複数の改善があるほか、データベースへの接続方法が増えました。
※本機能を使用するには、2016年8月末にリリースされたPower BI Desktopをインストールしてください。
レポートビューの改善
レポートビューの改善という点では、前月に追加された「ドリルダウン」の機能に追加改善が行われました。そのほかにも細かくレポートを書式設定するための機能が複数追加されています。
「視覚化」の新機能ドリルダウンの改良
レポートに階層データがある場合、クリックでドリルダウン可能になる「ドリルダウン」に機能追加や改善が行われました。
まず、視覚化の「折れ線グラフ」ドリルダウンが可能になりました。「軸」に指定するデータをあらかじめ階層のあるデータに指定するか、2つ以上の階層のない単体データをドラッグ&ドロップで指定(https://powerbi.microsoft.com/ja-jp/documentation/powerbi-service-drill-down-in-a-visualization/)することで、作成した折れ線グラフのドリルダウンが可能になります。
また、折れ線グラフの横軸は、デフォルトで「連続」に設定されるため、日付の階層をドリルダウンした際に横軸が動かずに表示されます。
これまでは、ドリルダウンした際に親階層が何だったかが表示されないため、わかりづらくなる場合がありましたが、子階層のラベルに親階層名も表示されるようになりました。たとえば、年度ごとの横軸をドリルダウンし、四半期ごとの表示の場合にも、四半期の親階層の「年度」を表示することで、グラフが見やすくなります。
マトリクスの「書式」に「スタイル」機能の追加
表形式のマトリクスの書式設定に、「スタイル」オプションが登場しました。手早く見栄えを整えたいときに利用すると便利です。チャートを選択した状態で「書式」ペインから設定ができます。
チャート中のフィールドを並び替え
チャートを選択してフィールドの並び順を変更できるようになりました。変更するには、フィールドの「値」の欄で、表示させたい順番にドラッグ&ドロップで項目を並べ直します。
KPIの視覚化にカラーコーディネート可能に
視覚化の「KPI」は、カードの上のエリアに目標数値を表示する視覚化機能ですが、表示される数字にカラー設定ができるようになりました。KPIの結果が、目標値に対して良い/ふつう/悪い場合の3種類の色を指定できます。
KPIチャートを選択すると「書式」ペインで「色の設定」が行えます。
分析ペインの登場
「視覚化」ペインの下にあるパネルに、「分析」ペインが追加されました。任意のチャートを選択すると、「分析」アイコンが表示されます。クリックして表示されたパネルのオプションを使い、チャートに分析線を追加することで、分析の効率をアップします。オプションには、「傾向線」「定数線」「最小値線」「最大値線」「平均線」「中央値線」「百分位線」が用意されています。
図の例では、「値」の平均値を自動で求め、「分析」ペインの「平均線」を使い、破線で追加しました。
データ接続機能の拡充
・Impala DirectQueryをサポート
Impalaのインポートに加え、Impala DirectQueryへの接続が可能になりました。この機能を使うと、Impalaクラスタを選択し、ナビゲーター上で選択したテーブルを取り込むことができるようになります。
・Snowflake Connector
Snowflakeからのデータ取り込みに対応しました。このプレビュー機能を使うには、「オプション&設定」→「オプション」→Under the Global→プレビュー機能のタブで設定をオンにします。あとは「データに接続」の画面で「データベース」以下から、利用できます。
・Web接続の改善:Webページプレビューが追加
Power BIの中でよく使われているのが、Webページ上のテーブルやデータを読み込みできるWeb接続です。ページのURLを指定したあとに表示されるナビゲータービューの画面で、ページのプレビューを見ながら選択したいエリアを確認できるようになり、目的の表を選びやすくなりました。
SAP BWがプレビュー版から基本対応に
SAP BW接続機能が、プレビュー版から基本対応に昇格しました。これからはプレビュー版でなく「データ接続」のデータベースカテゴリーで常に表示されるようになります。
その他の機能
・新しいクエリとして「クエリをマージ」と、「クエリを結合」する機能追加
クエリエディターの「ホーム」リボンにある、複数のテーブルをマージ/結合するボタンに、「新規としてマージ/結合」が加わりました。
これまでは、これらの操作は現在開いているクエリに対してのみ行われましたが、今月のアップデートからは、現在開いているクエリに対して行うか、新しいクエリを作成するかを選択可能になりました。
・デスクトップファイルの自動回復
アプリケーションがクラッシュしてしまった場合、Power BI Desktopの再起動時にデータをリカバリーする機能が追加されました。自動保存の設定は、「オプション」画面で行います。
いかがでしたか? 続々増える新機能で、レポートの作成がよりスムーズになりそうですね。また、「分析」ペインの追加はより分かりやすいレポート作成に役立てられそうです。新機能を使うには、8月末にリリースされた最新のPower BI Desktopをインストールしてください。
リンク:Power BI Desktopのインストール(https://powerbi.microsoft.com/en-us/desktop/?WT.mc_id=Blog_Desktop_Update)
本記事の元ブログ「Power BI Desktop August Feature Summary」
https://powerbi.microsoft.com/en-us/blog/power-bi-desktop-august-feature-summary/