決算業務の落ち着いた5月にやっておくべきこと
こんにちは! 経理男子の彼女・ヒカリです!
前にユーイチ君が「5月は税務申告の締め切りが多くて大変」って言っていましたが、今年は締め切りに余裕を持って書類作成を終わらせることができたようです。それなら少しはゆっくりすればいいのに、ユーイチ君は早くも次の決算に向けて動き出している様子……。一体どんなことに取り組んでいるのでしょうか?
今期の決算の反省を業務改善に生かそう!
ユーイチ君、今年の決算業務は去年よりもスムーズに進行したみたいだね!
うん! 新しい会計ソフトの導入で、決算書を作るのにかかる時間が短縮できたのは大きな成果だったよ。
決算前に前倒しできる作業は早めに手を付けると言っていたしね! ユーイチ君の努力が結果に表れてよかった~!
うん。でも今回の決算業務を終えてみて、まだまだ改善すべき点があることに気づいちゃったんだ。書類のチェック体制とか、部署内での仕事の分担とか。
え~まだ改善の余地があるの? ユーイチ君、もはや業務改善の鬼だね。
今ゆっくりして後で焦るくらいなら、ちょっとずつ仕事を効率化して決算期の負担を軽減したいんだ。6月は住民税の特別徴収税額が新年度に切り替わるのに合わせて会計ソフトの設定を直す作業もあるし、7月は賞与の計算など人件費関係の手続きが集中しているから、手の空いている5月中に決算業務の改善策を考えるようにしているよ。
5月中って言っても、月末は通常の月次業務で忙しいんじゃないの?
そう、よく御存じで。ヒカリの言う通り、経理は月初(帳簿の締切、月次決算書の作成など)と月末(給与計算、社会保険料の納付など)に業務が偏りがちなんだ。月の中頃は比較的余裕があるから、その時間を利用して決算早期化のための業務改善を進めていくよ!
さすがユーイチ君! その発言だけでもう効率の良さを感じるよ!
決算早期化のカギは「情報の集約化」
今回の決算で気づいたのは、決算書類の社内チェックの効率化がいかに重要かってこと。作った資料を第三者が厳しくチェックすることは決算の基本だけど、だからこそチェックにかかる時間と労力を必要最低限に減らしたいものだね。
作成した資料の間違いを見逃さないためには、どんな工夫が必要かな?
まずひとつは、決算業務の中の適切なタイミングに書類のチェックを組み込むことだね。チェック未了の決算資料に基づいて別の決算資料の作成を開始することがないように作業工程を調整しよう。
もとの書類に間違いがあると、他の書類も作り直しになっちゃって二度手間だもんね!
うん。作成者が説明しないと内容を理解できないようなややこしい資料は、誰が見てもわかりやすい書式に改善すべきだよ。それに加えて、資料作成時はデータの入手源や、データを加工した場合の加工過程、そして何らかの判断を伴った場合にはその判断過程を文書化しておくと、何かミスがあってもトラブルシューティングがスムーズになるね。
資料作成した本人でさえ、「あれ? なんでこうなったんだっけ?」って悩むことあるもんね。計算や判断の過程を残しておくことも大切なんだ。
ほかには、似たような資料の作成を1人の担当者に集約することで効率化を図るのも手だよね。
というと?
たとえば、有価証券報告書の「コーポレートガバナンスの状況における株式の保有状況の記載」と「金融商品関係の注記」「有価証券関係の注記」の元資料が、別々の担当者によって作成されている場合は、担当者を一人にまとめたほうがいいね。複数の担当者が別々に同じ数値の計算をするのは時間の無駄だし、別々の担当者が資料を作成することで、開示項目間の整合性が取れなくなるリスクも高まってしまうよ。
私には何と何が似たような資料なのかわからないけど、それは新米の経理さんも同じだと思うから、決算の知識がある人がマニュアルを作って書類作成を効率的に行えるといいね。
あと、経営者の想定した仮定や判断に基づく「繰延税金資産の回収可能性」のような見積項目は、経理が数値の合理性を説明できないと監査の対応に工数をとられることになりかねないよ。第三者が納得できるように、見積もりの根拠は文書に集約しておきたいね。
なるほど。確かにまだ決算の作業工程で改善できるポイントはたくさんあるようね。
そうなんだよ。5月中旬はこれらの問題への改善策を考えて、決算の早期化を目指すぞ~!
決算直後ものんびりしている暇はないのね~!
一所懸命仕事に打ち込むユーイチ君は素敵だけど、息抜きも忘れないでほしいです!
ということで、今回の経理男子萌えポイントはこちら(ドン!)。
- 1.決算業務が落ち着いて余裕がある5月半ばは、業務改善の方法を考えるべし♪
- 2.決算関係の書類は誰が見てもわかりやすく、チェックしやすいことが命♪
- 3.決算を楽にする努力は一年中できる♪←HOT!!