【経理スキル】合わない数字を見つけたときに実践したいこと
3月に年次決算(本決算)を控えている会社の多くは、9月に中間決算を迎えることになります。中間決算とは、事業年度のスタートから半年(6ヶ月)間の会社の経営・財務状況を明らかにするために行われる決算のこと。
この中間決算のために、「6月や7月に比べて、明らかに忙しくなってきた」という経理・会計・財務担当の方も多いのではないでしょうか?
そんな状況のなかで、「慎重にチェックしたのに、帳簿残高と現物の数字が合わない…」といった事態も発生しがちです。
そこで今回は、時間がないときでも効率よく正しい数字を導き出すための豆知識について、ご紹介していきます。9月末に中間決算を控えている経理・会計・財務担当の方は、今のうちに是非知っておいてくださいね!
効率良く正しい数字を導き出すための豆知識
数字が合わなかったとき、すべてイチからチェックし直すのは、かなり非効率な作業ですよね?「そんな時間なんてない!」と嘆きたくなる経理・会計・財務担当者の方も多いことでしょう。ここからは、ありがちな数字のズレの原因と、効率的なチェック方法について、具体例と一緒にご紹介していきます。
その1:「借方」と「貸方」が逆だった
比較的多いのが、入金を出金扱いにしているなど「借方」と「貸方」を間違えているパターン。振替伝票を作成していればあまり起こらないミスですが、入金伝票や出金伝票を見ながらデータ入力している場合には、間違えていることも珍しくありません。借方と貸方を誤っている場合、差異が2倍になるので、差異を2で割ってみて合うようなら、そこが間違っているポイントだと分かるでしょう。
その2:8,000?800?桁の入力ミスがあった
借方と貸方の誤りと同様に多いのが、「桁の入力ミス」です。例えば「8,000円」のところを「800円」で入力していた場合、差異は「8,000-800=7,200(円)」になります。この7,200を9で割ると「800」になり、逆に7,200を0.9で割ると「8,000」ときれいに割り切れます。一桁間違って入力しているかどうかは、この方法でチェックできますよ!
その3:572?527?数字の位を逆に入力していた
「572」という数字を「527」と、誤記してしまうミスもありがちです。こういった位を逆にして入力しているケースでは、差異は9の倍数(572-527=45)になるが、差額を9で割った数字が「9以下」の場合は、1の位と10の位で誤りがあるということなので覚えておきましょう。ちなみに「10以上99以下」の場合は、10の位と100の位に誤りが、「100以上999以下」の場合は、100の位と1000の位に誤りがあはずです。
ミスが積もると間違いが見つけにくくなる
会計業務にPCが導入される以前は、経理・会計・財務がそろばんで手計算をしていたため、計算間違いが多く発生していました。
しかし、現在はほとんどが会計ソフトを使った作業になっているため、単純な集計作業でミスが生じることは、ほとんどないと言っても過言ではありません。入力時のミスは、上記の方法を試してチェックしてみてくださいね。
しかし、財務諸表(決算書)のミスをそのままにして時間が経ってしまったり、ミスがいくつも重なってしまったりすると、合わない数字の原因がわからなくなってしまう可能性もあります。
その場合、中間決算や年次決算の直前に、誤っている箇所を見つける作業が発生してしまいます。そんな事態を避けるために、日々の業務の終わりに、現金だけはしっかりと金額を合わせておくようにすると良いでしょう。