収益と利益の違いって?分類ごとに詳しく図表で解説!
経理・会計・財務の勉強を始めたばかりの方にとって、経理用語は区別がつきにくいものが多いのではないでしょうか。
例えば、経理業務でよく見かける「収益」と「利益」という言葉。同じ意味だと思っている方もいるようですので、今回はこの2つの経理用語の違いについて解説します。
収益と利益の違いとは
収益とは、所定の会計期間で、資本金取引以外の企業の営業活動によって生じた資産増加のこと。その主たるものは「売上高」です。
一方、利益というのは、この収益からさまざまな費用(支出)を差し引いた額のこと。つまり、収益はどれだけ売上があったか、利益はどれだけ儲かったかを示します。
テレビや雑誌などで「年商●億円!」という経営者を見ることがあると思いますが、それは収益(売上)の話であって、利益の話ではありません。
収益のほうが金額が大きく派手だからそう見せているわけですが、実際問題、何億円売り上げていても、経費がかさめば利益がマイナスになることもあります。
つまり、「売上が多いかどうか」と「儲かっているかどうか」は、全く別の話なのです。次からは、収益と利益について、もう少し詳しく解説します。
3つに分類される「収益」
収益の内訳は、大きく「営業収益」「営業外収益」「特別利益」の3つに分類されます。
営業収益
企業の営業活動によって生まれた収益で、「純売上高」が相当します。収益の主な要素です。
営業外収益
企業の営業活動以外から生じる収益のこと。具体的には、預金利息や配当金、不動産賃貸収入などが含まれます。
特別利益
企業の通常の活動以外で生じた、臨時的な利益のこと。具体的には、不動産売却や有価証券の評価による利益、為替差益などが相当します。
5つに分類される「利益」
損益計算書(P/L)上では、利益は5つに分類されます。
売上総利益(粗利益)
売上高から売上原価を差し引いた費用のことで、別名「粗利益」とも言います。企業が提供する商品やサービスが持つ「売り上げる力」を表す指標で、もっとも基本的な利益と言えるでしょう。
営業利益
売上総利益から販売費及び一般管理費(いわゆる「販管費」)を差し引いた利益のこと。企業の純営業活動から生じた利益で、これが大きいほど優良企業だとされています。
経常利益
営業利益に営業外収益を加えた額から、営業外費用(支払利息、社債利息など)を差し引いた利益のこと。「本業以外の営業活動で得た利益」と言い換えることもできます。企業の事業全体の利益を表す数値です。
税引前当期純利益
経常利益に特別利益を加え、そこから特別損失を差し引いた利益のこと。名前が示すとおり、法人税をはじめとする税金を納める前の利益で、「税引前利益」と呼ばれることもあります。
当期純利益
税引前当期純利益から、法人税などの税金分を差し引いた額。つまり、これが企業が最終的に当該会計期内で稼いだ利益になります。
奥が深い「収益」と「利益」
経理・会計・財務といった職業とは無縁の頃は、「収入」や「儲け」という言葉でザックリと捉えていた内容も、見方によっては様々なモノサシがあるのです。
もちろん、これらは企業経営の健全性を客観的に評価したり、今後の経営方針を決定したりするうえで欠かせない指標になりますので、ぜひ覚えておきましょう。
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