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2017/02/03

【勘定科目】インフルエンザなど予防接種費用・消費税を会社負担の仕訳方法

著者: パソナ キャリアコーチ(経理担当)

【勘定科目】インフルエンザなど予防接種費用・消費税を会社負担の仕訳方法

勘定科目は種類が多く、使い分けのルールも様々であることから、仕訳に悩むケースも多いでしょう。

例えば、インフルエンザの予防接種。受けた従業員全員に補助金として一人当たり1,000円を支給することになった場合、勘定科目は「給与」と「福利厚生費」のどちらを使うべきか、すぐに判断できますか? いったいどちらが適切なのか、以下で解説します。

インフルエンザなどの予防接種費用の勘定科目とは

会社は日々の業務を円滑に進めていく必要があり、そのためには従業員の健康管理も必要になります。特にインフルエンザは影響が大きいので、従業員に予防接種を受けさせる会社も多いようです。

受診費用を会社が負担する場合、一般的には必要経費にすることが可能です。そこで経理として気になるのは「勘定科目は何が適切か?」ですよね。結論からお伝えすると「福利厚生費」が良いでしょう。

※関連記事:『「勘定科目」の基礎知識!仕訳に悩む費用についてもまとめて解説

「予防接種費用」はどんな扱い?

個人が負担すべきお金を会社が負担した場合、通常は「給与」になり、原則として所得税が課税されます。

今回のように1,000円を支給する場合はもちろんですが、無償または通常より安い金額で予防接種を受けられるようにした場合は「現物給与」となるので、補助した1,000円はいつもの給与額に上乗せされ、所得税が計算されることになります。

ですが、国税庁が公表している「所得税基本通達」には、「課税しない経済的利益……用役の提供等」の項目で以下のような規定があるのです。

当該用役の提供を受け又は当該施設を利用した役員又は使用人が受ける経済的利益については、当該経済的利益の額が著しく多額であると認められる場合又は役員だけを対象として供与される場合を除き、課税しなくて差し支えない

引用元:国税庁(所得税基本通達)

つまり、さほど高額でなく、かつ従業員全員を対象にしている(希望者全員が受けられる)場合であれば、経済的利益の供与に当たるお金も給与ではなく「福利厚生費」での経理処理が可能となり、所得税は課税されないのです。

ちなみに予防接種費用の消費税は?

ここで気になるのは、やはり消費税でしょう。予防接種費用としての福利厚生費は、課税仕入れになります。

消費税法では、「療養、医療、施設療養に係るもの」は非課税取引となりますが、予防接種はあくまで「予防」で、医療には該当しません。したがって、消費税の課税対象になるということです。

※関連記事:『不課税・非課税・免税の違いって?消費税の基本をわかりやすく解説

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