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2016/12/27

商品の在庫管理を行う「商品有高帳」とは?簿記3級でも出題!

著者: パソナ キャリアコーチ(経理担当)

商品の在庫管理を行う「商品有高帳」とは?簿記3級でも出題!

今回は、商品の在庫管理と切っても切り離せない「商品有高帳(しょうひんありだかちょう)」の用途や記入方法について、分かりやすくご紹介します。

商品有高帳は、経理に欠かせない資格試験・日商簿記で言えば3級の出題範囲になります。簿記3級を受けてみたいという方は、しっかりチェックしておきましょう。

商品有高帳を理解し、一目置かれる在庫管理マスターに

取引が発生すると、まず仕訳帳上で仕訳を行ってから総勘定元帳(GL)に転記します。ですが、総勘定元帳では取引の詳細までは見えません。そうした一つひとつの取引内容をチェックするために、補助簿というものを必要に応じて作成するのです。

商品有高帳はその補助簿の一種で、簡単に言えば「商品の在庫状況を把握できる補助簿」のことです。

商品有高帳は在庫管理のキーポイント

商品有高帳のつけ方はシンプルで、商品を仕入れた時(受入)や売り上げた時(払出)に、商品の種類ごとに数量や単価、金額を細かく記入していきます。

帳簿を見れば、ある時点の在庫状況が明らかになるため、適切な在庫管理ができるというわけです。さらに、総勘定元帳の記録と照らし合わせれば、仕訳帳からの転記ミスを防ぐことにもつながります。

商品の在庫は利益を左右するものなので、しっかり管理しなければなりません。管理費(人件費)や保管代(場所代)もかかりますし、売れ残って不良在庫になるリスクもあるでしょう。

しかし、在庫が全くない状況も困りますので、会社としては適切な管理によって必要最小限の在庫を抱えておくのが理想的です。

商品有高帳に記載する際に注意すべきこと

商品有高帳に記入する際に、注意すべき点が2点あります。

1つが、必ず原価で記入する(値引きを記入しない)こと。そしてもう1つが、商品を販売時の「払出単価」が異なる場合に計算する必要があるということです。例えば、

・12月5日に商品10個を100円/個で仕入れた
・12月10日に商品10個を160円/個で仕入れた
・12月15日に商品15個を売り上げた

というケースがあったとします。その時、12月15日に払い出された商品の払出単価はいくらだと思いますか?

正解は、1つではありません。払出単価の計算方法はいくつかありますが、簿記3級レベルの経理・会計・財務なら「先入先出法」と「移動平均法」を覚えておけば良いでしょう。以下で詳しく説明いたします。

先入先出法

先入先出法は、「先に仕入れた商品から先に払い出した(売った)」と仮定し、払出単価を決める方法です。

上の例では、100円/個で仕入れたものが10個売れ、160円/個で仕入れたものが5個売れたと考えます。先に仕入れた商品から、行を分けて商品有高帳に記入します。
先入先出法
払出単価は、払出金額を個数で割れば出てきます。先入先出法なら、答えは120円となります。

移動平均法

移動平均法は、仕入れ(受入)のたびに在庫の平均単価を計算し、それを払出単価とする方法です。最後に受入が発生したのは12月10日。その時点で在庫の平均単価は130円なので、それがそのまま払い出された商品の払出単価になるのです。
移動平均法

反復練習で覚えよう!

今回は仕入れ(受入)が2回、売り出し(払出)が1回というパターンを例にしましたが、簿記3級の試験問題ではもう少し複雑になるかもしれません。

帳簿の金額などから仕訳を導くというパターン、実際に帳簿に記入させるパターンなどいろいろありますので、問題集などで慣れておくことをオススメします。

 

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