コンテナ船にはRORO船(ローロー船)とLOLO船(ロ・ロ船)がある!
今回ご紹介するテーマは、貿易には欠かせないコンテナ船。貿易事務の方にも意外に知られていないコンテナ船の種類や用途、利用される場所などの違いについて、詳しく取り上げてご紹介します。
積み方で異なる2つのコンテナ船
貿易業界におけるコンテナでは、20フィートコンテナ、40フィートコンテナといった2つの標準サイズがあります。
コンテナ船とは、これらのコンテナを積み重ねることで大量に運ぶことができる貨物船のこと。実際、国際間を走っているコンテナ船は、上の写真のように、荷揚げしたり、降ろしたりする装置(クレーン)は船にはついていないことがほとんど*。
このようなコンテナ船を「LOLO船(Lift on / Lift off Ship/ロ・ロ船)」と呼び、荷役作業は港の岸壁に設置されているガントリークレーンが行っています。
*ガントリークレーンがない港を航海するコンテナ船には船上にクレーンがついています。しかし、主要港路の港のほとんどがガントリークレーンを設置しており、現在では、船上クレーンのあるコンテナ船はほとんど見られなくなっています
LOLO船を定義すると、Lift on、Lift offという言葉が表しているように、コンテナを陸上のガントリークレーン(または本船クレーン)で吊り上げ、荷役を行うタイプ(垂直荷役方式)になります。
一方で、「RORO船(Roll on / Roll off Ship/ローロー船)」というタイプもあります。
RORO船は、船の末尾などにランプウェイと呼ばれる通路をつけて、あるいは船の一部を岸壁に倒して、フォークリフトやトレーラーを船内に直接乗り入れさせ*、コンテナを積み卸しするタイプ(水平荷役方式)です。
*Roll on、Roll offは、自ら乗り、降りることができるという意味です
上図を見て「何か見たことがあるような…」と思った方がいるかと思いますが、それはフェリーではないでしょうか。
いわゆる、車が乗り入れられるフェリーは、RORO船の一種です。
RORO船はコンテナを積み上げて輸送する船ではないので、国際間を走るコンテナ船にはあまり見られません。しかし国内では、主要貿易港から各地の小さな港へと就航する定期船(内航海運)は現役で走っています。
コンテナを積んだトレーラーごと運べるので、着いた先の港から目的地までコンテナを降ろすことなく、ドア・ツー・ドアで届けることができるのが特徴。最近は高速船のRORO船も多く、生鮮食品や日常生活雑貨も運んでいるようです。
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