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2016/10/21

【節税】収入印紙は金券ショップで買っても良いの?

著者: パソナ キャリアコーチ(経理担当)

【節税】収入印紙は金券ショップで買っても良いの?

契約書や領収書に貼る収入印紙は、会社で一括して郵便局や法務局などで購入するのが一般的ですが、金券ショップで買える場合もあります。

郵便局などよりも割安で購入できるので経費削減にはなりますが、ビジネス利用の際に何か問題は起きないのでしょうか。そこで今回は、金券ショップで収入印紙を購入する際の注意点などを詳しくご紹介します。

収入印紙は、金券ショップでも購入可能

領収書や契約書などの課税文書には「印紙税」という税金が課税されます。そして、この課税文書を作成した者が、額面に応じた税金を納めるために書類へ貼る印紙が「収入印紙」です。 5万円以上の領収書や契約書に貼る、というルールを覚えている方もいらっしゃるのでは。

収入印紙が必要になった場合、通常であれば郵便局や法務局のほか、一部のコンビニやたばこ店など、「印紙売りさばき所」の指定を受けた店舗・窓口で購入するのが一般的です。

そして、他にも購入できる場所のひとつが、金券ショップなのです。実際に店頭で「売っている」ということは、裏を返せば「買える」ということでもあります。

お得なのは印紙の価格だけではない?!

金券ショップでは、収入印紙も本来の価格から1~2%程度割引された価格で販売されています。仮に10,000円の収入印紙が1%引きなら、9,900円で買えるのでお得ですよね。実は、お得なのは印紙の価格だけではありません。

金券ショップで買うと消費税の節税に!

郵便局やその他の印紙売りさばき所で収入印紙を購入する場合、「非課税取引」になることが消費税法で定められています。ですが、金券ショップではその定めがなく、「課税取引」になるのです。つまり、金券ショップで10,000円の収入印紙を9,900円で買った場合、以下のような仕訳になります。

借方 貸方
租税公課 9,000円 現金 9,900円
仮払消費税 900円

この「仮払消費税」は、決算時に企業活動における課税取引で受け取った「仮受消費税」と相殺されます(差し引いた残額が、納付する消費税に)。ということは、10,000円の収入印紙を、実質9,000円で買ったことと同じなのです。

1%どころか、なんと10%もお得に買えることに!通常の収入印紙の仕訳と比べると、いかにお得かご理解いただけるでしょうか。とりわけ、高額な取引を頻繁に行う不動産などの業種では、上手に活用すればかなりの節税効果を発揮するでしょう。

デメリットも押さえておこう!

ここまで読んで、「よし、今すぐ金券ショップへ行こう!」と慌てないでください。その前にしっかりデメリットも頭に入れておきましょう。

在庫に限りがある

金券ショップで取り扱われる収入印紙は、一般的に使用頻度の高い200円や400円のものが大半を占めます。反対に、額面の大きい収入印紙はさほど多くは流通していないことから、金券ショップの在庫状況によっては、購入できないことも考えられます。

偽造印紙が流通するリスクがまれにある

確率的には大きなリスクではありませんが、しばしば新聞やニュースなどでも報道されるように、偽造印紙が流通する可能性もまれにあります。リスクが気になる方は、郵便局やその他の印紙売りさばき所で購入しましょう。

 

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