企業の規模別・経理の成長キーポイントとは?
これから経理・会計職に就こうとする方は、あるひとつの選択を迫られます。それは、どれくらいの規模の会社に入るかということ。ひとくちに経理と言っても、企業規模によって任される業務は変わりますし、内容に合わせて成長できるポイントも変わります。
今回は、企業に規模によって経理として身につくスキルはどう変わるか、についてご紹介します。
企業規模によって成長できるポイントが違う!
大企業は安定性の面で比較的有利ではありますが、大企業ならではの苦労がありますし、もちろん中小企業なら中小ならではの大変さがあります。それと同様に、経理として成長する上でのポイントも異なります。
企業規模別の成長のカギとは
今回は大企業・中小企業・ベンチャー企業といった、3つのカテゴリーで考えてみます。
1.大企業の場合
大企業で働く場合、決められた規則の中で仕事を行う姿勢が求められます。
経理業務ひとつをとっても、役割を細かく指示され、業務マニュアルも揃っています。また、職場環境も整備されているケースが大半です。
一般的に、大企業では経理全体の中でも1つか2つの役割を与えられることが多いため、その業務に関してのスキルはどんどん伸ばすことができるでしょう。その反面、会計全体を把握できる業務へ携わるのに、多くの時間を要するかもしれません。
そのため、決められた役割を与えられた際に重要となるのが「想像すること」です。自分へ任された会計業務が、会社全体、会計業務全体のどの部分を担っていて、どんな貢献をしているのかをしっかりイメージするのです。
すると、自然と周辺の経理業務にも興味が湧くようになり、モチベーション維持やスキル向上のきっかけにすることもできます。結果として、より能力の開花が早まることになるでしょう。
2.中小企業の場合
中小企業は、大企業に比べて経理・会計スタッフの人数も少ないため、業務が広範にわたります。
比較的早い段階から、試算表の作成や月次決算などの上流の業務を任されることもあります。つまり大企業とは異なり、全体の経理業務を覚えてから一つひとつの仕事を掘り下げていくことが大切になります。
また、中小企業で成長のカギになるのが、外部とのコミュニケーションです。
小規模の事業所では、金融機関の担当者や税理士などとの折衝を全て経営者が行うことも多いため、そこを任せっきりにしていると、やり取りは不明なままになってしまいます。決算準備などで税理士が来た際などは、同席して積極的にコミュニケーションを図りましょう。
また、経理全体を把握できたり分析ができた上で、その内容を経営陣にプレゼンするための資料作成能力も重要です。要点を押さえたわかりやすい資料作成能力が身につけば、将来重要なポジションの経理になることも可能になるでしょう。
※関連記事:『「一人経理」の特徴って?メリット・デメリットからお悩み解決策までご紹介!』
3.ベンチャー企業の場合
設立から間もないベンチャー企業の場合は、従業員が少ないため経理・会計以外の仕事を兼務することもあるでしょう。時には、「バックオフィス」という大きなくくりの人材として、会社全体の仕組みづくりを任されることもあるかもしれません。
ただ、仕組みづくりは大変な面がある一方で、非常にやりがいがある仕事であるのも事実。経理主導でコントロールしやすいワークフローを整備して、そのまま定着させることもできるのです。
さらに、こうした仕組みづくりの経験は、次のキャリアアップとして転職を考えるときにも活きてくるでしょう。
キャリアアップの“勘所(かんどころ)”を見極めよう
「安定していそうだから」などの理由で大企業の経理職へ転職しても、決められた単純業務しか任せてもらえないケースもありますし、中小企業だからこそ幅広い経験ができるケースもあります。
転職時は「自分が経理としてどう活躍したいか」をしっかり考えた上で企業規模を選定し、自分にとって成長のチャンスがどこにあるのかを見極めることも重要です。
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