建設業界から「建設業経理士」について考えてみる
建設業界の経理は、経理の中でも特殊な部類の仕事とされていますが、実はこの建設業経理士のお仕事に関心を持つ方が増えてきているようです。なぜいま建設業経理士に注目が集まるのか、今回はその理由について紐解いてみましょう。
建設業経理士が“アツい”理由とは?
建設業経理士とは、建設業の会計業務に特化した知識と処理能力のある、建設業経理のスペシャリストのこと。
建設業経理士の資格保持者が社内に多いほど、公共事業を請け負う際の「経営事項審査」における評点が上がるため、建設業者にとっては非常に重要な存在なのです。
※関連記事:『建設業経理士資格を取得するメリットとは?』
そんな建設業経理士への注目度が近年大きく高まっている理由は、いったいどこにあるのでしょうか。
建設業界の現状
一般社団法人日本建設業連合会「建設業ハンドブック2019」によると、国民経済計算ベースでは、2017年に建設業が新たに生み出した価値(生産額)は31.3兆円で、国全体の生産額(国内総生産[GDP])の5.7%を占めています。
また、2018年における建設業就業者数は503万人、産業全体に占める割合は7.5%と、労働者数も極めて多いことがわかります。
建設業の生産労働者の賃金は、1990年代後半より他産業との格差もありましたが、2013年以降は上昇に転じ、現在は縮小傾向にあります。
建設投資の動向
建設投資は、“バブル時代”と呼ばれた1992年度をピークとして減少傾向となり、2010年度にはピーク時の50%程度でした。しかし、東日本大震災による復興需要や民間投資の回復から、次第と増加傾向に。
2019年度は、前年度と比べて「3.4%増」の62.9兆円となる見通しとなっています。
建設業界の未来
2011年の東日本大震災による復興事業や、2020年の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催により、建設業界の需要は高まっています。また、2025年の大阪万博や2027年開業予定のリニアモーターカーに関する工事もあるため、しばらくは需要が高まり続けるでしょう。
建設業界は非常に市場規模が大きく労働者数も多いため、それに伴い、経理・会計職の需要が高まってくる可能性は十分に考えられます。
東京2020大会後に一旦落ち着く可能性はありますが、大阪万博やリニア開業へ向けた需要が続く可能性は高いでしょう。経理としてのキャリアアップを考えている方は、建設業経理士を目指すのも、ひとつの手かもしれません。
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