スキル

2019/09/17

派遣社員のコミュニケーション術って?就業先で良い人間関係を築くためのポイント

著者: パソナ キャリアコーチ

派遣社員のコミュニケーション術って?就業先で良い人間関係を築くためのポイント

職場での人間関係は、社会人なら誰しもが一度は経験するであろう、お悩みのひとつ。派遣社員の場合は、直接の雇用元ではない就業先(派遣先)企業で働くため、なおさら職場での立ち居振る舞いやコミュニケーションに難しさを感じる方も多いようです。つい、受け身の姿勢になってしまったり、遠慮してしまったりすることもあるのではないでしょうか。

ですが、毎日気持ちよく働くために必要なのは、受け身の姿勢や遠慮ではなく、職場で良好な人間関係を築くことです。派遣社員の方が、就業先の方々と上手にコミュニケーションを取り、良い関係性を築くためのヒントをご紹介します。

目次
派遣先との関わり方って?
良い人間関係を築くには「プラス思考」を意識して
職場で好印象を得るためのコミュニケーション術
派遣社員の“人間関係のお悩み”Q&A
常に物事を前向きに捉えて行動しよう

就業先との関わり方って?

担当する業務のスペシャリストとして、就業先企業でお仕事をするのが「派遣」という働き方。業務を円滑に進めるために、職場で良好な人間関係を築くのも、派遣社員にとって大切なスキルです。

では、そのスキルを磨くためには何をすれば良いのでしょうか。そして、就業先の方々とどのように関わり、コミュニケーションを取っていくのが良いのでしょうか。その具体的なヒントを、ステップごとにご紹介していきましょう。

自分から積極的にコミュニケーションを取ろう

良好な人間関係を構築するための第一歩は、自分がどんな人かを相手に知ってもらうこと。それに加えて、誠実な姿勢でお仕事に向き合うことで、新たな職場でも良い印象を持ってもらえるでしょう。

そのためには、できるだけ職場の方々と積極的にコミュニケーションを取ることが大切。「社内で出会う方々すべてに明るく挨拶する」「わからないことは質問する」「何かを教えてもらうときはメモを取り、感謝の気持ちを伝える」「相手の話をよく聞く」など、一つひとつのコミュニケーションを丁寧に積み重ね、前向きな姿勢を伝えましょう。

就業先の企業文化・企業風土に馴染めるように心がける

企業の数だけ、企業文化や職場の雰囲気にも違いがあります。ときには、これまでの自分のやり方や経験が通用しないこともあるでしょう。就業先の企業風土を尊重し、アドバイスをもらったら素直に受け止める姿勢が大切です。

新しいお仕事をスタートする際には、事前に職場の雰囲気や服装などの情報を、派遣会社の担当に確認しておくと良いでしょう。

社会人としてのマナーや自分に求められている役割を理解する

就業先企業での人間関係作りにおいては、社会人として、節度ある対応やほどよい距離感を取ることが重要です。いくら仲良くなったとしても、「敬語を使わない」といったカジュアルな対応は控え、お仕事をする上で欠かせない、基本的なビジネスマナーを忘れないでくださいね。

※関連記事:『派遣社員が知っておきたいビジネスマナーって?派遣会社の無料セミナーで学べるって本当?

派遣社員として、自分が就業先から求められている役割を理解した上で、適度なバランスのコミュニケーションを考えてみましょう。

良い人間関係を築くには「プラス思考」を意識して

良い人間関係を築くには「プラス思考」を意識して

新しい職場でお仕事をスタートするときは、楽しみな反面、多少なりとも不安が生じるもの。そこでオススメしたいのが、常に「プラス思考を意識する」ということです。意識的に「ポジティブに考えるクセ」をつけてみましょう。そのためのポイントをご紹介します。

積極的で肯定的な姿勢を見せる

いつも受け身な姿勢でお仕事に取り組んでいる人より、「お手伝いできることがあればいつでもお声掛けください!」と前向きにお仕事に取り組んでいる人の方が、好感が持てますよね。たとえば、仕事が手一杯のときに急な仕事を頼まれたら、あなたはどう返答しますか?

「申し訳ありませんが、今日は他の仕事で手一杯でお受けできません」

この回答の場合、誠意を持って謝っている姿勢は伝わるとしても、結局仕事を断ってしまっていますよね。そこで、参考にしていただきたい2つのポイントを例文と共にご紹介しましょう。

「あいにく本日中に提出しなければいけない資料を作成しておりまして…明日の午前中ならお引き受けできるのですが、いかがでしょう?」

①肯定表現を使う
同じような内容の発言でも、肯定的な表現を使うことで印象が変わります。ぜひ、覚えておきましょう。

②代替案を出す
代替案を出せば、前向きな姿勢を評価してもらえる可能性が高まります。

※関連記事:『働きやすさは自分でつくる!コミュニケーション上手になるコツは?

プラス思考、プラスな発言を心がける

たとえば業務の締め切りまで残り1日になったとき、「もう1日しかない、どうしよう…」と焦って散漫な気持ちで取り組むのではなく、「まだ1日ある!よし頑張ろう」と気持ちを切り替えて集中して取り組むのとでは、結果も変わってきますよね。

このように、ネガティブな思考や言葉をポジティブに変換する訓練を普段から心がけてみましょう。ポジティブな発信を重ねて周りの空気も良くしていけば、きっと居心地の良い職場になっていきますよ。

※関連記事:『【例文付】派遣初日の挨拶で好印象を与えるためのポイント

ネガティブな噂話や悪口には加担しない

早く職場に馴染みたいという焦りから、ついつい雑談の場で誰かの悪口に同調したり、噂話に耳を傾けたりした経験はありませんか?実は、これが大きな落とし穴。

悪口というものは生産性がないだけでなく、周りからの信用を失うきっかけにもなりかねません。誰かの悪口に相槌を打っただけでも、あなたが悪口に同意したと誤解されてしまう可能性も。

噂話の場に遭遇したときは、空気に流されずに強く自分を持つことが大切。空気を読んで同調するほうが気持ちはラクかもしれませんが、軽はずみな気持ちで悪口に加担したり、同調したりしないことをオススメします。

いつ・誰に対してもフラットで誠実な姿勢を貫けば、結果的に広く信用を得られるはずですよ。

※関連記事:『職場で悪口大会スタート!うっかり巻き込まれたときの対処法

職場で好印象を得るためのコミュニケーション術

職場で好印象を得るためのコミュニケーション術

コミュニケーションのコツ①お仕事への取り組み方

ここまでコミュニケーションを円滑にするためのコツをいくつかご紹介してきましたが、大前提として、より良い人間関係づくりには「お仕事での役割をしっかり果たす」ことが必要です。1日も早く仕事を覚えて貢献できるよう、誠意を持ってお仕事に取り組んでいきましょう。

そうすれば、自然と良い印象を持ってもらえるようになり、仕事上での信頼にもつながるはずです。

コミュニケーションのコツ②第一印象

人の印象は出会って数秒で決まると言われており、その印象を大きく左右するのが服装や表情、ボディランゲージなどの視覚情報です。つまり、初対面のときの挨拶や第一印象が肝心ということ。

出勤初日は、少しかっちりした服装やメイクを心がけ、徐々に職場に合わせて自分の個性を出していくという方法も。なお、挨拶をするときは、「〇〇さん、おはようございます」と、名前を呼びかけると好感度が増します。

コミュニケーションのコツ③発声と話し方

表情や声のトーンを意識することも、印象アップのための方法のひとつ。姿勢を変えるだけでも効果があるので、ポイントを押さえていきましょう。

発声

・背筋を伸ばし、お腹からしっかりと声を出す
・高すぎず低すぎない程度(ドレミ音階の「ソ」が理想)の声を意識することで、心地良いと感じるトーンになる

話し方

・「私たち」「一緒に~しましょう」などの、相手と一体感を持てる言葉を選ぶ
・長くなりそうな話は、適度に区切って話す
・メッセージはひとつに絞って端的に述べる
・大事なところは間を取ってゆっくり話すなど、話し方にメリハリをつける
・クッション言葉を使って、相手の気持ちに寄り添うよう心がける
・結論を先に話すようにする

コミュニケーションのコツ④誠意が伝わる仕事への取り組み方

仕事への取り組み方で大切にしたいのは、「自分には何が求められているか」という視点=役割意識を持つことです。そうすれば、「自分が何をすべきか」を進んで考え、仕事に取り組むことができるでしょう。ぜひ、以下のポイントも心がけてみてください。

・わからないことは遠慮しないですぐに質問する
・ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を徹底する
・教わったことはすぐにメモを取る(メモを取れば忘れずに記憶できるし、相手にやる気を伝えることもできる)。
・自分の意志をはっきりと伝える(あいまいな表現はマイナスイメージにつながりかねない)。

派遣社員の“人間関係のお悩み”Q&A

派遣社員の“人間関係のお悩み”Q&A

次にご紹介するのは、派遣社員の方が抱えがちな「人間関係のお悩み」について。代表的なものをいくつかピックアップしましたので、ぜひ参考にしてくださいね。

Q.派遣先の社員の方からランチや会社の食事会に誘われたら?

A.行きたいときは、遠慮せずに、ご一緒させてもらいましょう。相手も気づかって誘ってくれていることなので、「自分は派遣社員だから」といった壁を作りすぎず、交流の場だと思って参加してみるのもオススメです。お仕事以外のプライベートな話もできて、親交を深めるきっかけにもなりますよ。

ただ、もちろん無理をする必要はないので、気が進まなければ、お弁当持参や、休憩中に済ませたい用事、予定があるといった理由で、やんわり断ってみても。

Q.他の派遣社員の方から就業条件について聞かれたら?

A.同じ雇用形態という共通点から、派遣社員同士で親しくなることもあるでしょう。しかし、時給をはじめとした就業条件は、話題にしないのがマナー。なぜなら、同じ業務内容でも、その方のキャリアやスキル、派遣会社によっても、就業条件が異なるため。

しつこく聞かれてしまったときは、「派遣会社から、就業条件の話をするのは禁止されているので…」と言って、切り抜けましょう。もしも困ったらは、派遣会社の営業担当にご相談ください。

Q.就業先から契約外のお仕事を頼まれたが、断ると人間関係がギクシャクしそうで困っている

A.契約内容に基づく業務に専念できるのが、派遣という働き方の特徴。派遣会社と結んだ契約内容以外のお仕事を受ける必要はありません。就業先から依頼された業務内容が「契約外なのでは?」と疑問に感じたときは、派遣会社の担当者に確認してみてくださいね。

※関連記事:『派遣社員の相談先は?仕事のトラブル・昇給・体調不良etc.困ったときに相談するところをチェック

常に物事を前向きに捉えて行動しよう

就業先との関わり方や人間関係について、派遣を始めて間もない頃は、慣れないこともあるかもしれません。しかし、今回ご紹介したコミュニケーション術をヒントに、前向きな姿勢でお仕事に取り組むことで、きっと就業先の方々に信頼感を持ってもらうことができ、それが充実した働き方につながっていくのではないでしょうか。

もし、人間関係や職場のコミュニケーションで悩むことがあれば、遠慮せずに派遣会社の担当者へ相談してみてくださいね。

またパソナではお悩みの内容に応じて、多様な専門相談窓口を設けています。就業先の悩みは派遣会社の担当者に相談することが一番ですが、直接相談しづらい場合や、お仕事以外のお悩みにも対応しているので、ぜひ活用してみてくださいね。
●パソナの相談窓口はコチラ
  
参考サイト:

みんなの仕事ラボ(シゴ・ラボ)は、働くすべての方々に向けたキャリアアップ、スキルアップのためのお役立ちサイトです。
「仕事はずっと続けるつもりだけど、このままでいいの…?」「何かスキルを身に着けたいけど自分には何が向いているか分からない」「職場でこんなことがあったけど、これって普通?」など、お仕事をする上でのお悩みや困ったをお助けするヒントやちょっとしたアイデアをお届けします。