悩み・質問

2019/06/24

「一人経理」の特徴って?メリット・デメリットからお悩み解決策までご紹介!

著者: パソナ キャリアコーチ(経理担当)

「一人経理」の特徴って?メリット・デメリットからお悩み解決策までご紹介!

読んで字のごとく、すべての経理業務を任され、何から何までをひとりで担当している一人経理。

しかし、対応範囲が幅広いため業務量が多かったり、質問する相手がいなかったりと、一人経理として働くなかで、困りごとやお悩みも抱えていらっしゃることでしょう。

今回はそんな「一人経理」の方に向けて、一人経理の特徴、メリット・デメリット、課題やその解決策について、ご紹介します。

目次
一人経理の特徴とその業務範囲について
【一人経理のメリット】スキルアップのチャンスが多い!
【一人経理のデメリット】一人経理の課題と、その解決策について
一人経理で困ったとき、キャリアの見直しを検討する際はプロに相談を!

一人経理の特徴とその業務範囲について

まずは、改めて「一人経理」の特徴や業務範囲、複数経理との違いについて考えてみましょう。

大企業など規模が大きい会社では、「給与担当」「経費担当」など経理業務を分野ごとに切り分け、複数名で経理業務を行っています。そのため、このような会社の経理になる場合は、担当する特定分野の「スペシャリスト」としての知識・スキルが求められると言えるでしょう。

一方、一人経理の場合は、対応範囲が広いため、経理の総合的な知識を身に付けた「ジェネラリスト」としての能力が求められます。

一人経理の具体的な業務範囲は、次の3つ。

① 資産管理(代金の支払いなど)
② 資金管理(入出金業務など)
③ 決算業務(財務報告書など)

上記に加えて、総務・労務などを兼任することもあり、オールラウンダータイプの能力・知識が必要になると言えるでしょう。

【一人経理のメリット】スキルアップのチャンスが多い!

【一人経理のメリット】スキルアップのチャンスが多い!

ここまで、一人経理の特徴や業務範囲についてご紹介してきましたが、一人経理のメリットやデメリットについても考えてみましょう。

一人経理の最大のメリットは、なんといっても幅広い業務を経験できること。

経理・会計だけでなく、総務、労務、法務などの知識も実務を通して身につき、経理を含むバックオフィス(管理部門)全体の仕事の流れを把握できるようになります。現在、一人経理として活躍中の方は、この利点を最大限活用して、自身のスキルアップにつなげていきましょう。

一人経理のメリット

自分の裁量で仕事を進められる

担当業務が多く、何かと忙しい一人経理ですが、経理職はある程度スケジュールを立てやすいお仕事。自分の裁量で仕事を進められるので、メリハリをつけて働くことも可能です。幅広い業務を経験することで、経理やその周辺の知識を効率よく習得できるでしょう。

幅広い分野の知識、経験を得られる

経営幹部の近くで仕事をするため、経営戦略などの会議に参加する機会に恵まれることも。このような環境のもとでキャリアを積めば、経営管理、マーケティングなどに関する知識・経験も得られます。

加えて、銀行や税理士など外部担当者と関わる場面も多いことから、交渉力やコミュニケーション能力もアップ。また、中小企業などを中心に一人経理の需要は高く、転職をする際も経験者として重宝されるでしょう。

【一人経理のデメリット】一人経理の課題と、その解決策について

【一人経理のデメリット】一人経理の課題と、その解決策について

「幅広い経験を積める」「経理・会計の知識を深められる」など、一人経理だからこそ得られるものがある反面、一人経理としての課題やお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。ここからは、一人経理のデメリットともいえる一人経理の代表的な「課題」について、ご紹介しましょう。

一人経理のデメリット

ミスに気づきにくい

ひとりで業務を担当するがゆえに、「ミスに気がつきにくい」というのは、日常的に発生する「あるある」ではないでしょうか。複数経理の場合は、部署内でダブルチェックを行うこともできますが、一人経理ではそれができません。

この課題を解決するには、上司や経営層にリスクヘッジの重要性を伝え、社内でフォロー体制を整えてもらうのが有効です。万が一、ミスをしても早い段階で気づけるようなフローや、チェック体制を作っておきましょう。また、チェックリストやマニュアルを作り、他の部署のメンバーにダブルチェックをお願いするというのも、ひとつの方法です。

経理業務について相談できる相手がいない

業務上の困りごとを相談できないのも、一人経理の課題。特に、税務関係の困りごとや不明点は、合っているのか確認できないと心細いですよね。

そこで助けとなるのが、国税庁や税務署、日本税務研究センターといった、専門機関の存在です。国税庁ではホームページで、「よくある税の質問」を掲載しており、知りたい情報のフリーワード検索も可能。また、税務署や日本税務研究センターでは、無料の電話相談・面談を受け付けています。なお、税務署での面談は、事前予約となっていますので、まずは最寄りの税務署に問い合わせてみてくださいね。

社内にチェック体制を作ったり、税理士や専門機関など外部に相談できる相手を見つけたりと、助けてくれる協力者を増やすことが、課題解決につながるでしょう。上層部、他部署のメンバー、専門の相談機関など、考えうるすべてのリソースを有効活用し、効率よく業務が進められる方法をひとつずつ模索していきましょう!

※参考情報
・国税庁ホームページ|タックスアンサー(よくある税の質問)
・最寄りの税務署|国税庁「税についての相談窓口」
・公益財団法人日本税務研究センター|ご利用案内
受付時間:月曜~金曜の午前10時~11時30分および、午後1時~3時30分まで

替えの利かない存在だけに、退職には時間がかかることも

会社のお金すべてを管理する一人経理は、替えが利かない重要な存在。そのため、何らかの事情で、「会社を辞めたい」となったときに、意思表示をしてから退職するまでに時間を要するケースもあるようです。

自分の代わりに業務を担当する後任を採用できないと、業務の引き継ぎが進まないことから、転職のタイミングを調整する必要があることも。

一人経理で困ったとき、キャリアの見直しを検討する際はプロに相談を!

ここまで一人経理の特徴やメリット・デメリット、課題解決のポイントについてご紹介してきました。
一人経理としての困りごとや課題があるという方は、お悩み解消のヒントは見つかりましたか?

たしかに大変さや課題はあるものの、一人経理としての知識や経験は、経理としてのキャリアを築く上で必ず役に立ちます。ぜひ、自己成長の機会と前向きに捉え、さらなるスキルアップにつなげていきましょう。

とはいえ、自分のスキルに見合ったお仕事を選び、着実にキャリアアップを実現していきたいという方は、「転職」を検討してみるのも選択肢のひとつ。

パソナでは、登録者の方に向けて、プロのキャリアカウンセラーによる無料のキャリアコンサルティングを実施しています。スキルの棚卸しからキャリアプランの策定、最適なお仕事探しまでをトータルでサポート。

一人経理としてのキャリアについて相談したい方は、ぜひお気軽にご利用くださいね。

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