キャリアアップ

2019/05/26

秘書の将来性・強みって?人気の理由とキャリアアップ方法をご紹介

著者: パソナ キャリアコーチ(秘書担当)

秘書の将来性・強みって?人気の理由とキャリアアップ方法をご紹介

事務系職種のなかでも専門性が高く、時代を問わず安定した人気を誇る秘書のお仕事。

企業からのニーズも高く、スキルを磨き、経験を積むことで、将来的に業界を超えてオールマイティに活躍し続けられるのが秘書の強みです。企業のトップを支える中で得られる学びも多く、大きなやりがいを感じられるお仕事といえるでしょう。

今回は、秘書として働き続けたい方が、将来のために今やっておくべきこと、そして、秘書の将来のキャリアと方向性についてご紹介します。

目次
秘書のお仕事とは?
秘書のキャリアアップ方法とは?
秘書の将来性① 企業秘書として段階的にキャリアアップ!
パソナのSTEP UP MAPを参考にして秘書経験を積もう
秘書の将来性② 秘書経験を活かし、異なる職種へキャリアチェンジ!
自分の「伸びしろ」を知り、将来性のあるスキルを身につけよう

秘書のお仕事とは?

憧れの職業として、人気が高い秘書のお仕事。企業の役員や社長をはじめ、医師や弁護士、政治家を献身的に支える姿が、ドラマや映画などで描かれることもあり、華やかなイメージを持っている方も多いかもしれません。

秘書という職種を端的に表現するならば、「担当上司のサポート」をするお仕事。多くの業務を抱える上司に代わって、スケジュール管理をはじめ、接客・電話応対、資料作成などを行い、上司が業務を円滑に進められるようサポートする“縁の下の力持ち”といった業務が多くを占めています。

地道でコツコツした業務も多いですが、経営層の方々の仕事をその隣で見て、一緒に支えていくことで、会社という組織を動かしていくダイナミックさを感じることもできます。

秘書の業務で習得できるスキルは、スケジュール管理、事務処理能力、コミュニケーション能力、接遇応対など、社会人として身に付けておきたいものばかり。さらに、上司のニーズを的確に把握しながら業務を進めることで、一歩先をいく気遣いや柔軟な対応力、判断力も磨かれます。

企業規模によっても状況は異なりますが、企業の経営者や役員クラスには必ず秘書が必要になるため、時代を問わず一定のニーズがあるお仕事です。

※関連記事:『秘書の仕事って大変?秘書の仕事内容を具体的に解説

秘書のキャリアアップ方法とは?

このように、秘書の業務内容は多岐にわたり、求められるスキルも仕事のレベルや業界特性、担当する上司の役職や専門領域によってもさまざま。では、就業先で上司に求められる秘書となり、さらにキャリアアップするためにしておくべきことは何でしょうか。

まず、何よりも大切なのは「秘書としての基本業務」をしっかりと身に付けておくこと。

担当上司のスケジュール管理、アポイント調整はもちろんのこと、来客・電話応対、書類作成など、基本業務を遂行できることが、一人前の秘書としての第一歩です。

そして、秘書のお仕事の特徴として、「担当する上司が求めるサポートをする」というのが基本原則のため、「相手のニーズを把握する力」は何より欠かせません。

そのことを意識しながら、基本業務を実践していけば、「調整力・交渉力」「接遇・ホスピタリティ」「事務処理能力」などのスキルも自ずと身に付いていくでしょう。もちろん、上司をサポートするうえで足りないと感じるスキルがあれば、自分で勉強し、スキルを磨いていくことも必要です。

その後の秘書のキャリアは、秘書としての専門性を「深める」方向と、他分野の知識・スキルを「広げる」方向という、2つの方向性があります。

基本業務で身に付けた「上司が求めることを先回りして考える機転」「どんな状況でも落ち着いて対処する対応力」など、秘書経験で培ったスキルは、秘書としての専門性を「深める」方向と、他分野へ「広げる」方向、どちらに進むとしても役立つでしょう。

では、秘書スキルをさらに磨いて「深める」キャリアと、秘書プラスαの能力を磨いて「広げる」キャリア、それぞれ具体的にどのようなキャリアアップ方法があるのでしょうか。

※関連記事:『気になる職種をクローズアップ!「秘書」ってどんなお仕事?

秘書の将来性① 企業秘書として段階的にキャリアアップ!

秘書の将来性① 企業秘書として段階的にキャリアアップ!

秘書としての実務スキルを磨き、より役職の高い上司を担当していくことが、企業秘書としてのキャリアアップ方法のひとつ。

一般的に、上司の役職が上がるにしたがって、求められる対応範囲や業務レベルもアップしていきます。まずはアシスタント秘書からスタートし、部門長クラスの秘書、役員クラスの秘書、社長(企業トップ)クラスの秘書へ、といったように段階的にステップアップする方法がオススメです。

また、他の職種と同じように、秘書のお仕事でも「第2秘書から第1秘書へ」「秘書部門のリーダー職」など、マネジメント職へのキャリアアップという道もあります。

さらに、担当する上司の性格や専門領域、企業特性などによって、求められるサポートの種類や内容が異なるのも秘書のお仕事ならでは。例えば、英語のスキルを磨いて、英語を使う秘書のお仕事(バイリンガルセクレタリー)にチャレンジするというキャリアアップ方法もあります。

このように、自身のスキルや希望に合わせて、スキル・経験を積み「秘書のエキスパート」として、キャリアアップしていくのが、秘書の「深めるキャリア」といえるでしょう。

パソナのSTEP UP MAPを参考にして秘書経験を積もう

企業秘書として着実にステップアップするためには、今の自分に足りないスキルを知り、不足しているスキルを中心に強化していくことが大切です。ここでは、秘書のお仕事レベルごとの業務内容や参考資格などについてご紹介します。

資格取得は必須ではないものの、目標設定やスキルの証明に役立ちます。自分の今の業務内容や、スキルと照らし合わせて読み進めてみてくださいね。

【チャレンジ】アシスタント秘書

秘書未経験者や経験の浅い方は、まずは「アシスタント秘書」として、チーム制のセクレタリー部門(秘書課など)で、先輩秘書と一緒にお仕事を進めることがほとんどです。

上司のスケジュール管理やアポイントの調整、来客応対、出張の手配など、秘書の基本業務が中心ですが、ビジネスをするうえでのコミュニケーション能力は必要。書類作成などの事務処理も発生するため、WordやExcelといった基本的なPCスキルも必須と言えるでしょう。

<参考資格>
資格取得を目指す場合は、秘書の経験を積みながら、秘書検定2級を目指すのがおすすめです。

【STEP1】部長・本部長クラスの秘書

基本業務に加え、営業数値や計数管理、予算管理、稟議・申請書の承認進捗管理など、部門長クラスの業務に応じた、より高度な実務スキルが求められます。海外のお客さまとのやりとりがある場合は、英語での電話・メール対応が発生する可能性もあります。

<参考資格>
実務経験にプラスして、秘書検定2級~準1級、CBS(国際秘書)検定プライマリー、TOEIC500点以上、簿記3級などの取得を目指すと+αのスキルとして、評価されやすいでしょう。

【STEP2】役員クラスの秘書

部長・本部長クラスの秘書のお仕事にプラスして、業績やKPI(重要業績評価指標)数値の取りまとめ、経営資料作成、株主総会の運営、広報、メディア対応の業務などを担当する場合もあります。

担当上司によっては、資料の翻訳や、海外からのお客様のアテンドを任されることもあるため、ある程度の英語力が必要になることも。また、法務や財務、マーケティング、メディアなどに関する知識も学んでおくと、プラスαの強みにもなるでしょう。

<参考資格>
このレベルでは、秘書検定準1級~1級、CBS(国際秘書)検定プライマリー、CBS(国際秘書)検定ファイナルなどの資格取得を目指すのがオススメ。業務内容によっては、TOEIC 650点以上、簿記2級、ビジネスコンプライアンス検定、ビジネス実務法務検定、IRプランナー資格などの資格取得を目指すのも良いでしょう。

【STEP3】社長(企業トップクラス)の秘書

経営者の業務を支えるという重要な役割を担うお仕事。秘書業務はもちろん、時には社長の補佐・代理として、高度な調整力を求められる場合もあります。さらに、外部との折衝やVIP対応、出張や社外行事の同行・アテンドなど、多忙な社長をサポートするために、ハイレベルな秘書スキルが求められます。

<参考資格>
CBS(国際秘書)検定ファイナル、マナー・プロトコール検定、TOEIC750点以上を取得すれば、担当業務の幅がさらに広がるでしょう。

※関連記事:『秘書として成長し続けたい!着実にスキルを伸ばすためのSTEP UP MAP

秘書の将来性② 秘書経験を活かし、異なる職種へキャリアチェンジ!

秘書の将来性② 秘書経験を活かし、異なる職種へキャリアチェンジ!

経験を積むことで、接遇応対や調整・交渉力をはじめ、法務・財務といった専門知識を身に付けることもできる秘書のお仕事。秘書業務で培った経験・スキルを活かして、他分野の専門性を高め、異なる分野に活躍の場を広げる方も多くいらっしゃいます。キャリアチェンジを考えている方は、自分が目指す方向性に応じた、プラスαのスキルを磨いていきましょう。

異なる職種へのチャレンジや独立を目指したい方に向けて、キャリアプランの一例をご紹介します。

他の職種へのキャリアチェンジ一例

バイリンガルセクレタリー

語学力を活かしたい方は、英語を使った秘書業務を行う「バイリンガルセクレタリー」への転身もオススメ。バイリンガルセクレタリーは、外資系企業や外国籍の上司のもとで働くケースが多く、グローバルに活躍できることでしょう。

経営企画

上司の下で経営に関する知識やスキルを学んだ方は、経営者のパートナーとして「経営企画」業務にチャレンジすることも可能です。

広報

社内外とのやりとりで磨いてきたコミュニケーション能力・情報発信能力を活かすなら、「広報」のお仕事に転身するのもオススメ。

経理・財務

事務処理能力、特に数字に関する処理が得意なら「経理・財務」への転身も可能です。

法務

契約や法律に関する知識を活かすなら、「法務」への道も拓けるでしょう。なお、会社の運営活動に関わる法律知識やコンプライアンスへの理解が必要となるため、法務の業務範囲は多岐にわたります。

このように、秘書業務で培った専門的なスキルを活かせば、他職種へのキャリアチェンジも可能です。

フリーランスとして独立

秘書業務で培ったスキルを活かして、「会社に所属せずに働く」という選択肢もあります。

例えば、教育・マナーに関する知識やプレゼンテーション能力を発揮して、「マナー講師」や「企業研修の講師」として独立する方もいらっしゃいます。

将来的に独立を検討している方は、フリーランス向けのセミナーや勉強会などに参加すると良いでしょう。また近年では、一人で複数企業の秘書を請け負って活躍する「フリーランス秘書」も増えているようです。

※関連記事:『先輩にインタビュー!【秘書として活躍し続けるためのキャリアプラン】

自分の「伸びしろ」を知り、将来性のあるスキルを身につけよう

秘書は経験を積み、専門性を高めることで、着実にキャリアアップできる将来性のあるお仕事。また、プラスαのスキルを身に付けて、他の分野へチャレンジすることができる職種でもあります。

まずは、“自分の目指す将来像”を思い描き、どんなキャリアを築いていきたいか、そのために今なにをすべきか、自分に足りないスキルは何か、スキルを磨くためにどのような勉強や働き方をすべきなのか、今回お伝えしたことを参考にして、考えてみてくださいね。

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