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2023/07/28

貿易事務職の「商社・メーカー系」と「物流・フォワーダー系」とは?業界や仕事内容の違いについて解説!

著者: パソナ キャリアコーチ(貿易担当)

貿易事務職の「商社・メーカー系」と「物流・フォワーダー系」とは?業界や仕事内容の違いについて解説!

英語や貿易取引の専門用語が飛び交う「貿易事務」のお仕事。最初は戸惑うことが多いかもしれませんが、取引に関する大まかな流れや、基本的な知識を理解しておけば、未経験からでも十分チャレンジ可能なお仕事です。

貿易事務は、勤務先企業の業界・業種やポジションによって、役割や対応内容も変わってきます。
そこで今回は、貿易実務者が行っているお仕事内容についての概要と、「商社・メーカー系企業」と「物流・フォワーダー系企業」で異なる、貿易事務職のお仕事内容について紹介します。

※関連ページ:貿易事務で働く|パソナ

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目次
貿易事務は「モノ・カネ・カミの流れ」を同時並行で管理するお仕事
商社・メーカーで働く方のお仕事内容
物流会社・フォワーダーで働く方のお仕事内容
どの業務でも必要な「コレポン」とは?
アシスタントからキャリアを重ねて貿易事務のエキスパートを目指そう!

貿易事務は「モノ・カネ・カミの流れ」を同時並行で管理するお仕事

貿易実務では、貿易取引における「商品(モノ)」、「代金(カネ)」、「書類(カミ)」の流れを把握して、業務を進めることが大切だと言われています。
最もシンプルな取引は、私たちも普段商品を買う際に行っている、「商品を受け取る」代わりに「代金を支払う」という売買の形(モノとカネの交換)です。

一方、貿易取引は国をまたぐ取引なので、モノとカネの交換に時差が発生してしまいます。また、貿易取引には買主・売主以外に、モノを運ぶ“船会社”や、輸出入の検査を行う“税関”、カネの受け渡しを行う“銀行”など、さまざまな人たちが関わってきます。

そのため、それぞれの場面で求められる「書類(カミ)」も複数あり、商品の移動、商品代金の移動に付随して同時並行で動いていきます。
▼簡易版 貿易取引の流れ(信用状取引の場合)

  • モノ:貨物運送の流れ
  • カネ:金融機関を通じた代金決済の流れ
  • カミ:船会社、銀行、税関などへ提出する書類の流れ

上の図は、貿易取引の流れを簡易化したものです。モノとカネの移動、カネとカミの移動、またはカミだけの移動が複数の関係者間で行われています。

貿易事務は、各種書類のチェックや取引企業のやりとりなど、輸出入の現場を支える重要なお仕事です。そのため、商社やメーカー、フォワーダー、物流企業などどの業種においても、取引の中で、「誰が」「誰に」「何を」「いつ」「どこから」「どこに」といった流れを理解しながら、業務を行うことが大切になってきます。

商社・メーカーで働く方のお仕事内容

商社・メーカーで働く方のお仕事内容

商社やメーカーの貿易事務は、任される業務範囲は会社によって異なりますが、会社規模が大きくなるほど細分化された業務を行うケースが多く、中小企業の場合は幅広い業務を行うことが多い傾向です。

貿易事務未経験者や初心者の方は、業務が細分化されている企業で働くと、担当範囲が定型化していることも多いので、業務に早く慣れることができるでしょう。

<お仕事内容の一例>

  • 商品の受発注
  • 納期調整
  • 輸出者または輸入者とのコレポン
  • 船会社への船腹予約(ブッキング)
  • 貿易関連書類の作成および確認(インボイス、パッキングリストなど)
  • 貨物海上保険の手続き
  • 運送手配、輸出入手続き(フォワーダーと連携して行います)
  • 商品代金決済業務(社内の経理部と連携して行います)
  • 社内システムへの情報入力(輸出入品の数量、価格など)

物流会社・フォワーダーで働く方のお仕事内容

商社・メーカーで働く方のお仕事内容

先ほどの図でも紹介した通り、貿易取引では、モノ・カネ・カミの移動に、さまざまな会社や機関が関わっています。

国際運送手配や輸出入申告を、輸出入者の代理で行うフォワーダー(通関業者・海貨業者)、国際運送を担う船会社や航空会社(または専門代理店)、国際貨物を取り扱う倉庫会社などが代表的ですが、このような物流・貿易業務に特化した企業における、貿易事務のお仕事もあります。

<フォワーダーのお仕事内容の一例>

  • 船会社への船腹予約(ブッキング)
  • 税関への輸出入申告(通関)
  • 海外のフォワーダーや運送会社への連絡
  • 輸出入貨物の管理など
  • 社内システムへの船積書類データ入力など

*フォワーダーには通常、税関への輸出入申告(通関手続き)を行う通関士がいます。「通関士」は貿易関連で唯一の国家資格で、通関士試験に合格した人だけが、輸出入者の通関業務を代行できます。

<船会社のお仕事内容の一例>

  • 入出港するコンテナ船、在来船の運航管理
  • 船荷証券(B/L)の発行
  • 貨物到着案内(アライバルノーティス)の送付
  • 国内外の関係官庁や港湾局、港湾関係会社との連携など

<保税倉庫業務のお仕事内容の一例>

  • 輸出入貨物の入出庫管理
  • 貨物のチェック
  • 改装、仕分け、簡単な加工
  • 倉庫内の整理など

どの業務でも必要な「コレポン」とは?

どの業務でも必要な「コレポン」とは?

貿易実務を行うなかで、現場で良く耳にするのが「コレポン」という貿易用語。初めての方には聞きなれない言葉ですが、コレポンとは英語の「Correspondence(コレスポンデンス)」の略で、貿易実務においては「海外の取引先と、外国語(主に英語)の文章でやりとりすること」を意味します。

コレポン業務は「商社・メーカー系」と「物流・フォワーダー系」いずれの貿易事務において発生することが多い、基本的な業務です。最初は、簡単なビジネスメールの定型文のライティング・読解から慣れていき、簡潔かつ正確に伝わるメールが書けるように、英語力を磨いていきましょう。

なお、海外と日本では商習慣も異なるので、コレポン業務では、相手国のことをよく知っておくことも大切です。

アシスタントからキャリアを重ねて貿易事務のエキスパートを目指そう!

貿易事務のお仕事内容は、就業先の業界・業種によって異なり、それぞれの会社が担う業務範囲や部署、ポジションによってもさまざまです。

未経験者の方は、希望の業務内容に近しい会社の貿易事務アシスタントとして、働き始めるのもひとつの方法です。まずは未経験可の貿易事務アシスタントで、貿易取引の流れを学びつつ、資格取得や英語力UPなど貿易実務に関するスキルを磨いていけば、貿易実務者としてステップアップを目指せるでしょう。

パソナでは「未経験から貿易事務のお仕事にチャレンジしたい」という方にオススメのアシスタント業務から、貿易事務の経験豊富な方向けの高時給業務まで、さまざまなお仕事を取り扱っています。お仕事探しの選択肢として、“派遣の貿易事務職”を検討してみてはいかがでしょうか。

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