スキル

2018/07/03

ヒューマンエラー、いわゆる「うっかりミス」を防ぐ3つの方法

人が起こすミスや失敗を意味する「ヒューマンエラー」。データの入力間違いや個人情報の漏洩など、IT化が進んだことにより、少しの不注意で起きたミスが深刻な問題を引き起こすことも珍しくありません。
誰もが当事者になりうるヒューマンエラーについて、この機会にじっくり考えてみましょう。

ヒューマンエラーをゼロにすることはできない!?

まず初めにお伝えしたいのは、ヒューマンエラーをゼロにするのは不可能だということ。どんなに細心の注意を払っていても、人間というのは必ずミスをしてしまうものであり、ヒューマンエラーは“いくつもの不幸な要因の組み合わせ”によって発生します。いくらセキュリティ面を強化しても、システム運用を標準化しても、機械を扱うのが人間である以上、「うっかりミス」をゼロにすることは不可能。ただ、人間は間違いを起こすからこそ、失敗を教訓にして安全・効率面の向上につながるスキルを得ることもできるのです。

ヒューマンエラー=チーズの穴!?「スイスチーズモデル」とは

ヒューマンエラーというものを考えるうえで、有名な考え方に「スイスチーズモデル」というものがあります。これは、ヒューマンエラーによって起きる事故発生のリスクをチーズになぞらえたもの。製造の過程で内部に空洞ができるスイスチーズは、スライスするといくつもの穴が開いた状態になります。スライスしたチーズを何枚も重ねていくと穴をふさぐことができますが、偶然穴の開いた部分が重なって穴が貫通してしまうことがあります。この状態が「事故発生」、スライスしたチーズは「防御対策」、チーズの穴は「事故に結びつく要因」です。このようにどんなに防御対策をしていても、偶然にも事故に結びつく要因が重なり、事故が発生してしまうケースはありえるのです。
そこで、スイスチーズには必ず穴ができる=「ヒューマンエラーは必ず起きるもの」という前提のもとに、いかにチーズの穴(事故に結びつく要因)を小さくするか、またはどのように穴をふさぐか(多方面からの複数の防御対策)を考えなければなりません。

必ず起きるヒューマンエラーへの対策

では、私たちはどうやってヒューマンエラーと向き合っていけばよいのでしょうか。必要な対策は、大きく分けて二つ。ヒューマンエラーを減らすために、「ミスが起きにくい環境を作ること」と、リスクを最小限に抑えるために、「ヒューマンエラーの発生をすばやく検知すること」です。なお、ここに挙げた対策はほんの一例です。試行錯誤しながら、自分の環境に適した対策を常日頃から考えておきましょう。

●ヒューマンエラーが起きにくい環境を作る

・コミュニケーションをしっかり取る
「わからないことはよく確認してから始める」「おかしいと思ったらすぐに報告する」など、日頃からコミュニケーションがよく取れている組織では、ヒューマンエラーを未然に防ぐ環境が整っているといえます。
・ガイドラインやマニュアルを整備し、判断基準を統一する
安全に仕事を進める上では、ガイドラインやマニュアルを作ることが必要不可欠です。さらに、できるだけ作業手順を簡略化し、わかりやすくすることも大切です。
・デスクの上を常に整理整頓しておく
5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)が行き届いている環境では、効率だけでなく仕事の質も上がり、ヒューマンエラーが起きにくいとされています。
・適度に休憩を取る
集中力の低下は、ヒューマンエラーを引き起こします。作業が続く時は、適度にリフレッシュする時間を作りましょう。

●ヒューマンエラーの発生を早く検知する

・チェックシートを使用する
チェックシートを使ってセルフチェックを行います。指さし確認や、数字や漢字などの間違えやすい文字を声に出して読み合わせをするのも効果的です。
・複数の担当者でチェックを行う
業務によっては、ダブルチェックやトリプルチェックを設けている組織も。複数の担当者がチェックすることで、ミスに気づきやすくなります。

ヒヤリハットをミス予防に役立てる

ヒューマンエラー予防策として、もう一つ有効な方法が「ヒヤリハット」と呼ばれる情報の活用です。これは、「大事な書類をシュレッダーにかけそうになった」などのヒヤリとしたことや、「会社のノートPCを電車の網棚に忘れそうになった」といった思わずハッとするような経験のことで、“あやうく重大な事故につながりそうになった事例の発見”を意味しています。
結果として事故には至らなかったために見過ごされがちですが、1件の重大事故が発生する背景には、29件の軽い事故と300件のヒヤリハットがあると言われています(ハインリッヒの法則)。一般的に、事故が起こりやすい建設や医療の現場などでは、組織単位でヒヤリハット事例を共有して人的ミスや事故の防止に役立てており、その原因や改善策を考えることが安全意識の向上にもつながっています。

まとめ

誰しも、ヒューマンエラーをなくすことはできません。だからこそ、ミスを起こしにくい工夫や、リスクを最小限に減らすことを考えることが大切です。自分自身の振り返りとして、手帳やノートに失敗しやすいポイントやヒヤリハット事例をまとめるのもおすすめ。誰からも安心して仕事を任せてもらえるようなビジネスパーソンになるためにも、日々の仕事の振り返りを次に活かしていきたいものですね。

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