スキル

2017/03/14

Power BIでできる!ソーシャルリスニングに役立つTwitter分析

著者: パソナ キャリアコーチ(事務担当)

Power BIでできる!ソーシャルリスニングに役立つTwitter分析

Power BIはアイデアと工夫次第で、幅広い分野のデータ分析に役立てることができます。日頃、Power BIの公式ブログデータストーリーギャラリーでは、さまざまな分野でのデータ分析の活用事例が頻繁に紹介されていますが、それ以外でもPower BIの情報を発信する方々が増えています。

今回は、「マイクロソフトのデベロッパーネットワーク(MSDN)」で取り上げられた事例を紹介します。Twitterのデータを使ったインタラクティブなレポート事例なので、マーケティングを学びたい人にとっても、BIの使い方を知りたい人にとっても、興味深い内容となっています。

Twitterユーザーの意見を分析する

【事例の概要】
Twitterを使って定期的に情報を発信している技術者のSamuel Lesterさんが、自身のTwitterアカウント (@SQLSamLester) のデータを分析しました。レポートを作るにあたっては、ある程度のツイート数が蓄積されている必要があります。また、ハッシュタグ分析を行うには、ツイートの中にハッシュタグが含まれている必要があります。

【レポートの作り方】
レポート作成には、Power BIが無料提供している「ソリューションテンプレート」の「the Campaign/Brand Management for Twitter」というテンプレートを使用します。

このソリューションテンプレートには、あらかじめTwitter分析に求められる複数の視覚化がテンプレートとして供給されているので、イチからレポート作成を行わなくても、アカウント情報や分析に使うキーワードを設定することで、スピーディにレポートを完成させることができるのが特長です。

たとえば、ソリューションテンプレートを使ってTwitterユーザーのセンチメント分析(※)、トレンドに上がっている話題の調査、やりとりの盛んな話題の確認、などをレポートとしてまとめることが可能です。

※参考:Twitterのセンチメント分析とは、発言の内容から「否定的」「肯定的」などユーザーの反応(感情)を分析するものです。分析にはテキストマイニングなどのツールが必要となります。

Twitter分析の詳細

インタラクティブなレポートは、以下から閲覧することができます。

https://msit.powerbi.com/view?r=eyJrIjoiNTU2YmU3OWYtYmM0ZS00MmZhLTg1YzUtM2U2YzQ4YTBiNTAwIiwidCI6IjcyZjk4OGJmLTg2ZjEtNDFhZi05MWFiLTJkN2NkMDExZGI0NyIsImMiOjV9&pageName=ReportSection8

6枚のシートで構成されたレポートの中身を順番に紹介します。

シート1:キーワードの追跡①

指定したキーワードが含まれる「つぶやき」やリツイート、メンションなどをレポートにまとめています。こちらはアウトバウンドツイートで、ユーザー自身が行ったツイートやリツイートのデータです。

シート1:キーワードの追跡①

シート2:キーワードの追跡②

1枚目のシートとよく似ていますが、こちらはインバウンドツイートの分析レポートです。インバウンドツイートとは、ユーザー本人以外からユーザーに対してメンション・リツイートされたツイートのことを指します。日付の部分をクリックしてドリルダウンすると、どんなキーワードに対して反応があったのか、個別に詳しく見ることができます。

シート2:キーワードの追跡②

シート3:マトリクス図

キーワード同士の関連を示したマトリクス図です。画面の下では、日ごとのツイートのボリュームを棒グラフで確認できます。また、画面の左には、フィルターをかけるためのユーザーの一覧が表示されています。キーワードとつぶやき主の関係を相関図で示しているため、あるキーワードについて誰がメンションしたのか確認できます。それらを時間軸で追うこともできるため、特定のキーワードが盛り上がった原因について、日付を辿って推測することが可能です。

シート3:マトリクス図

シート4:ハッシュタグに基づく分析

ハッシュタグやユーザー名で絞り込みをかけ、どんな内容がつぶやかれたのか生のツイートを画面で確認することができるレポートです。具体的なツイートを確認すると同時に、円グラフでセンチメントのネガティブ・ポジティブの割合も表示できます。また、ツイートの絞り込みはハッシュタグとあわせ、期間を指定する複合的なフィルタリングも可能です。

シート4:ハッシュタグに基づく分析

シート5:センチメントの分析

ツイッターのつぶやきからセンチメントを分析したグラフです。ユーザーのセンチメントや、キーワードに対するセンチメントが確認できます。 横軸の右側がポジティブな反応、左側がネガティブな反応です。たとえば、ネガティブな発言の多いユーザーをクリックして発言内容を画面下に表示させ、具体的にどんな内容がつぶやかれたか確認することもできます。

シート5:センチメントの分析

シート6:ツイートのインパクト

もっともインパクトがあったツイートを探し出すことができる分析レポートです。ツイート数やセンチメントなど、複数の変数を指定した上で重要なツイートを探します。影響力のあるツイートを知ることによって、今後のつぶやき内容を検討するのに役立ちます。

シート6:ツイートのインパクト

いかがでしたか。デジタルマーケティングにおいて、ファンとのつながりを持続させるために必須のツールともなっているTwitter。今回はそのツイートを使い、ユーザーの意見を分析する「ソーシャルリスニング」はどのように行われるのか、実際の事例データを通してイメージできたのではないでしょうか。ソリューションテンプレートの利用は無料。Azureの環境があれば、ぜひ試してみてください。

みんなの仕事ラボ(シゴ・ラボ)は、働くすべての方々に向けたキャリアアップ、スキルアップのためのお役立ちサイトです。
「仕事はずっと続けるつもりだけど、このままでいいの…?」「何かスキルを身に着けたいけど自分には何が向いているか分からない」「職場でこんなことがあったけど、これって普通?」など、お仕事をする上でのお悩みや困ったをお助けするヒントやちょっとしたアイデアをお届けします。