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2015/07/27

貨物到着後に必ず確認しよう「フリータイム(Free Time)」

著者: パソナ キャリアコーチ(貿易担当)

貨物到着後に必ず確認しよう「フリータイム(Free Time)」

貿易輸入業務で使われる「フリータイム(Free Time)」とは、輸入されてきたコンテナ貨物を、港のコンテナヤード(CY)や特定の倉庫(CFS)に無料で保管してもらえる期間(コンテナの引き取り猶予期間)のこと。今回は、貨物到着後に必ず確認する、このフリータイムについて詳しくご紹介します。

※関連記事:「『FCL』と『LCL』の違いって?積み込む手順と流れを図式でご紹介

輸入業務では確認必須!コンテナの「フリータイム」

フリータイム(コンテナの引き取り猶予期間)は船会社によって異なりますが、一般的に5〜10日間程度。冷凍機能を持つリーファー・コンテナなど、特殊コンテナのフリータイムは1〜3日間と、より短くなります。

通常、輸入者はこのフリータイム期間内に引き取るため、起用するフォワーダー(Forwarder)に輸入申告に必要な書類や情報を提供するなど、通関準備を依頼します。

フリータイムを超えたら別途料金が発生!

輸入通関許可が下りれば、国内の倉庫や工場など、どこにでも搬入することができますが、実務で気をつけたいのは、搬入先との日程の調整です。

というのも、期間内にコンテナを引き取ることができず、引き続き留置することになれば、「デマレージ(Demurrage)」という「超過保管料」が課されてしまうのです。

フォワーダーが所有する倉庫や自社倉庫は日時の融通が比較的利きやすいですが、混雑など倉庫側の事情で、貨物の搬入を受け入れられない日があるかもしれません。また、顧客の倉庫や工場へ貨物を直送(直接納入)する場合などは、搬入日時の事前連絡が必要なこともあります。

このように、倉庫など搬入先と日時を調整しなければならない時、輸入者はそのスケジュールを立てやすくするためにも、デマレージをとられないためにも、フリータイムの期限日を把握しておくことが大切です。

フリータイムを超えたら別途料金が発生!

輸入者はフリータイムを意識した日程調整を

このように、輸入業務ではフリータイムの期間内に通関許可が下りるように準備し、貨物を搬出入させるのが大切なお仕事のひとつです。

フリータイムの期間は、船会社や地域によって異なり、貨物が到着してからでないとわからないこともありますが、アライバルノーティス(Arrival Notice/貨物到着案内/A/N)が届いたら確認することができます。船会社に直接連絡するか、フォワーダーを通して教えてもらうようにしましょう。

輸入通関後、すぐに倉庫に搬入できる体制であれば容易なのですが、搬入先と搬入日時の調整が必要な場合は、フォワーダーと連絡をとりながら「通関予定日後、フリータイム期限日まで」に貨物の搬出入日を調整しましょう。

 

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参考サイト

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