用語

2017/11/20

保税地域の貨物を廃棄するときに必要な「外国貨物破棄届」「滅却(廃棄)承認申請書」のこと

こんにちは!貿易女子の円(まどか)です。今回は、貿易の仕事を長年していても経験したことがない方もいらっしゃるであろう、ちょっとレアな知識をご紹介します。では、早速ですが始めましょう!

モノを「廃棄」するときには、その地域のルールにしたがう必要がある

いきなり余談になりますが、みなさんの地域には家庭ゴミを廃棄するときに資源ゴミの分別などルールはありますか?

地域(自治体)によってさまざまだと思いますが、どんな場所でも、ゴミの分別をはじめ、指定のビニール袋を購入して捨てなければならない、大型ゴミには市町村指定のシールを購入して廃棄品に貼り付けなければならない、など決められたルールがあります。

今回ご紹介する“保税地域にある貨物=通常は外国から運送され通関にかかる前の貨物(輸入許可前貨物/輸入未許可貨物)の廃棄”についても同じで、決められたルールがあり、そのルールに従わなければなりません。

保税地域の貨物を廃棄するときには税関のルールにしたがう

ご存じのように保税地域は税関の管理下にあり、保税地域で取り出された貨物をやむを得ぬ事情で廃棄するときには、税関に「外国貨物廃棄届」を提出しなければなりません。(関税法第34条)

ちなみに、やむを得ぬ事情で廃棄する物品を大別すると、以下の2つがあります。

・輸入許可が認められないもの
<例>商品に使用された塗料などの成分に輸入禁止物質が含まれているもの、輸送中に腐ってしまい検査をクリアできなかった食品、商標権を侵害しているブランドコピー品など
・本来の用途として使えなくなってしまったもの
<例>使いものにならないほどに破損した機械や商品など

こうした物品は税関に「外国貨物廃棄届」を提出すれば、輸入通関前でも廃棄することができます。

※届出には、貨物の荷主(届出者)の所在地と法人名または個人名、廃棄する物品の品名や数量、蔵置されている場所、廃棄方法などを記載する必要があります。

ただ、ここで注意していただきたいのが、廃棄すれば輸入通関が不要になる(関税・消費税の支払いが不要になる)わけではないということ。関税法では、物品を不用品として廃棄しても経済的価値は残っているとして、廃棄品にも輸入申告を必要です(不用になったとしても、鉄などの金属類や廃プラスチックなど、モノによっては再生・リサイクルできるケースもあるからです)。

輸入申告自体が不要となる「滅却」による廃棄

そのため、輸入者によっては廃棄したい貨物を「滅却」という方法で処分することもあります。滅却というのは、焼却などでカタチをとどめない形態にすること、この世から跡形もなく消し去ることを指し、滅却による廃棄であれば輸入申告も不要(関税納付義務の免除)になります。

ちなみに、滅却という方法で廃棄する場合には、先にご紹介した「外国貨物廃棄届」とは別に「滅却(廃棄)承認申請書」も税関に提出する必要があります。

申請書には、貨物の荷主(申請者)や貨物の情報とともに、滅却(廃棄)の方法や場所の記載が必要で、事前に滅却処分できる方法や場所についてリサーチしておかなければなりません(その案件を依頼しているフォワーダーに相談すると良いでしょう)。提出後、税関長の承認をもらったら、認められた場所、方法で実際に滅却処分を行います。

廃棄する物品によって処分場所や方法は異なりますが、一般的に、食品などの一般廃棄物であれば、市町村のゴミ処理場へ現物を持ち込んで焼却処分する、金属やプラスチック類など産業廃棄物であれば、市町村から許可を得た専門の廃棄物処理業者と委託契約を結んだ上で廃棄処分することが多いようです。

貿易の仕事を長年していても、貨物を廃棄する(滅却する)機会がない方も多くいらっしゃると思いますが、この記事をここまで読んでくださったみなさんには、保税地域の貨物を廃棄するのは時間も手間もかかる…ということは知っておいていただけたらと思います。

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