用語

2017/01/16

貿易事務が「船積み・通関手続き依頼」の前にしていること

こんにちは!貿易女子の円(まどか)です。これまで「貿易用語」では、船積書類の名称など貿易特有の用語を中心に取り上げてきましたが、今回から数週間にわたって貿易事務で、どのように輸出入手続きを行っているか具体的に紹介していきたいと思います。今回のテーマは「船積み・通関手続き依頼」。この業務で押さえておきたいことを私なりにまとめましたので、ぜひご覧ください♪

「船積み・通関手続き依頼」をする前にモノの流れを把握しよう

貿易取引全体の流れは、輸出者と輸入者が契約を交わすところからスタートします。その後、輸出者は輸入者のオーダー通りの商品を用意(手配)し、フォワーダーなど専門業者を通して「船積み手続き」や「通関手続き」を行います※。

※インコタームズ「EXW」条件で取引する場合は“輸入者”が輸出港での「船積み・通関手続き」を行います。それ以外のインコタームズでは“輸出者”が手続きを行います。

ちなみに「船積み・通関手続き」は商品の用意ができた後に行うこともありますが、契約締結後すぐに準備をはじめることも可能です。そのタイミングは貿易事務を行う担当に委ねられていることが多いので、今日お話する「船積み・通関手続き」に必要とされることをきちんと把握しておきましょう。

では、「船積み・通関手続き」にあたって、事前に確認しなければならないこと、決めておかなければならないこと、用意しなければいけない書類についてご説明していきます。

■(輸出者が)確認しなければならないこと

・契約書(商品、商品数、納期、インコタームズなどの取引条件)
・商品を“誰”が手配するのか
・商品を“いつ”出荷できるのか(輸入者への納期も考慮)
・輸出梱包とシッピングマーク
・商品を輸出するにあたり公的書類が必要かどうか

契約書にはさまざまな取引条件が記載されています。輸出者側の貿易事務担当は、契約書通りに輸出できるよう、具体的に商品の手配の流れや梱包内容を把握する必要があります。機械や化学品、食品など商品によっては公的機関の承認が必要だったり、商品の成分などを記した説明書を税関に提出したりする必要があるものも。そうした商品なのかどうかは社内やフォワーダー、関係機関に確認し、必要書類を用意しましょう。

※会社によって異なりますが、輸出者の貿易事務が「商品の用意(手配)」業務に関わることがあります。社内で商品を生産・製造している場合は、社内の関連部署や営業の方と連携することもありますし、外部の取引先から商品を仕入れている場合は、貿易事務が取引先に直接連絡をして商品手配を行うこともあります。

■(船積み・通関手続き依頼者が)決めておかなければならないこと

・フォワーダーの選定
・船会社や船便・スケジュール等の選定(船腹予約)

商社や貿易会社は複数のフォワーダーと取引があることも多く、さまざまな事情に合わせてどのフォワーダーに依頼するか決定します。また、貨物輸送のために船腹予約(Space Booking / Booking of ship’space)も行います。

船腹予約は輸出入者自ら行うこともありますが、実務ではフォワーダーに依頼して代理で予約をしてもらうことも多いです。海上輸送の場合は船会社から、航空輸送の場合、航空貨物代理店から、輸送費の見積もりやスケジュールなどの情報を入手して決定します。

※信用状取引の場合、信用状に船積み期限や分割積み・積み替えの可否など、船積みに関する条件も記載されています。輸出者はその記載を遵守し船便やスケジュールを選定する必要があります。船腹予約をフォワーダーに依頼する場合はその条件も含めてきちんと伝えましょう。

■用意しなければならない書類

・インボイス(Invoice)
・パッキングリスト(Packing List)
・船積依頼書(S/I: Shipping Instruction)
・(公的機関の輸出許可証・承認書)
・(商品の成分などを記した説明書)
・(海上貨物保険の申込書)

輸出者が用意しなければならない書類に、インボイスとパッキングリストがあります。この2つの書類はフォワーダーが貨物の概要(商品や容量)などを把握し船積み依頼する際にも使われますし、輸出通関手続きでも使われます。

船積み依頼書(S/I)は、船積み・通関手続き依頼者が作成する書類です。船会社が発行するB/Lのもとになる書類で、利用するフォワーダーや輸出入者名、船積港や荷降港、商品の品目名や数量などの記載項目があります。船会社に提出するこの書類は、船積み依頼者(輸出入者)が自ら作成することもありますが、実務では船腹予約と同じく、フォワーダーが代理で作成してくれることも多いです。

その他、輸出しようとする商品に輸出許可証・承認証、商品説明書(仕様書)が求められる場合は、公的機関などに申請したり自社で書類を作成したりして、輸出通関に必要な書類を取り揃えておくことも必要です。

また、余談になりますが「船積み・通関手続き依頼」に必要な書類ではないのですが、貨物海上保険をかけるタイミングもこの時期です。船便や航空便が確定したら、保険会社に申請しましょう。(輸出者・輸入者のどちらが保険をかけるのかは取引契約のインコタームズによって異なります。詳しくは「貨物海上保険を申し込むタイミングはいつ?」。)

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