用語

2017/12/25

輸入者の仕事の流れを把握しよう!貿易実務は先読みするとラクになる

こんにちは!貿易女子の円(まどか)です。今回は、「輸出者の仕事の流れを把握しよう!」の続きとして、輸入者の仕事の流れやポイントをご紹介したいと思います。貿易キャラナビでご紹介した記事もリンクしていますので、復習も兼ねてご覧いただければと思います♪では、早速はじめましょう!

貿易実務には決まった流れがある!先読みすることで作業効率をあげよう!

前回の繰り返しになりますが、仕事の現場では、自分自身もそして関係者の方々もスムーズに仕事が運ぶように業務をこなしていくことが求められます。

貿易実務には基本の型(パターン)があるので“ひとつひとつの業務内容を理解すること”、また“その流れを把握すること”が大切です。繰り返し業務をこなしていくことで身についていきますが、ふだんから意識して仕事の全体像をしっかりおさえていれば、どんどん仕事を先読みする力がつきますし、その分、作業効率も上がります。

これまで個別にご紹介してきた「輸入業務の流れやポイント」をまとめてご紹介しますので、この機会に輸入業務の全体像をしっかりつかんでいただけたらと思います。

5W1Hを意識して、輸入業務の流れとポイントをおさえよう!

では、一般的な輸入業務の流れを下図で見ていきましょう。

① 取引相手(輸出者)の選定

貿易取引は輸入者と輸出者の出会いからスタートします。通常、輸入者(買主)は自社の顧客層とマッチする商品、あるいは新しく開拓したい市場にマッチする商品を求めており、そうした商品を製造している会社、技術を持つ会社が集まる国際展示会などの場、関係者やインターネットなどを通じて直接アプローチして出会うことが多いです。

その会社がすでに貿易取引を行っていたら、貿易取引の売買契約の際に必要となる情報(商品価格、製造期間、梱包、決済条件、インコタームズなど)を教えてもらい交渉段階に入るのですが、新規開拓を盛んに行う輸入者の中には、狙いを定めた会社が貿易取引の経験のない、あるいは国際取引に慣れていない会社ということもあります。その場合は、相手と取引条件などひとつひとつ時間をかけてクリアすることが必要になります。

なお、貿易取引の交渉前には、相手企業の信用調査を行うことも大切です。

② 交渉~売買契約を結ぶ

輸入者は輸出者と出会った場で、あるいはその後のメールを通じておたがいに希望条件を伝え合い、交渉を経て合意を得たら売買契約を交わします。一般的に売買契約書は2枚作成し、おたがいにサインをした上で1部ずつ保管します。

※関連記事:「貿易取引における交渉の流れを知ろう!~勧誘・引き合い・オファー~

初めての取引では、輸出者との信頼関係が築けていない状態なので、商品代金を支払って確実に商品を受け取ることができるのかどうかなど不安がつきまといます。そのため、一般的に、輸入者は銀行に間に入ってもらう「信用状取引(L/C取引)」を希望条件として提案することも多いことも覚えておきましょう。

※関連記事:「信用状の役割を知っていますか?

③ 信用状の開設依頼

決済条件(支払条件)が信用状決済(L/C決済)の場合は、輸入者は取引銀行に信用状の開設を依頼します。輸出者と取り決めた売買契約をもとに、信用状開設依頼書を作成し、取引銀行(信用状発行銀行)に提出します。また、貿易取引は外貨での取引も多いので、為替変動リスクに備えて、為替予約をすることも多いです。

※関連記事:
信用状(L/C)開設依頼書の作成ポイント
為替予約は為替変動リスク対策の定番!

④ 輸入貨物到着前の準備

輸入者は、売買契約を交わしたら(信用状(L/C)取引の場合は信用状発行の手続きをしたら)、一般的には、輸出者が輸出準備をするあいだ“待ち”の状態になります。ただ、取り決めたインコタームズにより輸入者が保険をかける必要があるときは、保険会社に貨物海上保険の申し込みをしたり、商品にもよりますが、事前に輸入の許可・承認・届出が必要な場合には、その手続き、または準備にとりかかります。

また、取引によってはサンプルを取り寄せたり、輸出者の製造状況や船積スケジュールなどを確認したり、輸出者が輸入者が希望する商品を納期通りに輸出してもらえるよう管理すること(把握すること)も、この待ちの期間で行う大切な業務のひとつです。

※関連記事:
海外から取り寄せるサンプルについて知っておきたいこと
貨物海上保険を申し込むタイミングは?
貨物海上保険の申し込みに必要な情報

⑤ 船積書類の入手・商品代金の支払い

輸出者の船積手配が完了すると、信用状(L/C)取引の場合は、取引銀行(信用状発行銀行)から連絡が入り、銀行へ商品代金を支払って船積書類を入手します。

※関連記事:「信用状(L/C)取引における輸出入者と銀行の関係を理解しよう

ちなみに、D/P、D/A決済条件での取引では、信用状(L/C)取引と同じように銀行から通知があり、D/P決済では船積書類と受け取りと同時に支払い、D/A決済では為替手形の支払い期日までに支払うことを約束して船積書類を受け取ります。また、送金決済条件での取引では、輸出者から直接書類を受け取り、輸出入者のあいだで取り決めた決済条件(例:B/L発行日から15日後払いなど)にしたがって商品代金を支払います。

なお、通常、貿易取引の決済業務は社内の経理の方と連携して行うことも多いので、経理の方には事前にどんな取引が進んでいるのかを伝えておきましょう。

⑥ 輸入通関手続き・貨物の引取

輸入者は船積書類を受け取ったら、B/Lやインボイス、パッキングリストなど書類の内容を確認します。不備がある場合には、輸出者に連絡し、修正してもらいましょう。そして、通関手続きを行うフォワーダーに船積書類や他の必要書類を引き渡して通関業務を依頼します。

※オリジナルB/Lを用いた取引では、その原本を船会社に提出する必要があります。実務ではフォワーダーの方が引き取りに来られることも多いです。

そして、船会社から貨物到着案内(アライバルノーティス)が届いたら、フォワーダーに引き渡して、輸入通関および貨物の引取準備を依頼します。

※関連記事:
輸入通関手続き・輸入貨物の引き取りはどのように行われているの?
船荷証券(B/L)の記載内容はじっくり確認!
貨物到着案内(アライバルノーティス)は届いたら即チェック!

輸入業務では、貨物(商品)が国内でどのように流通するのかを把握しておくことも大切な仕事のひとつです。たとえば、
・貨物は通関後“どこで”保管するのか(例:フォワーダーと連携)
・貨物に流通加工を施すのか(例:加工部門・業者と連携)
・貨物は“いつ”通関予定か(例:フォワーダーと連携)
・貨物は“いつ”出荷できるのか(例:配送部門と連携)
など、その貨物に関わる方と必要な情報を連携し、その方々にとってもスムーズに仕事が進められるように調整しましょう。

※関連記事:「輸入担当の貿易事務は「輸入許可」が出た後の流れを把握することが大切! 」
フォワーダーに流通加工をお願いするって聞いたけれど、何をするの?

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