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2017/01/06

勘定科目に迷ってつい「雑費」に…何か問題はある?

著者: パソナ キャリアコーチ(経理担当)

勘定科目に迷ってつい「雑費」に…何か問題はある?

経理・会計担当をしていると、帳簿をつける際に何の勘定科目にしたら良いかで迷ったり、わからなかったりしたとき、「あまり良くはないだろうな」と思いつつも、ついつい「雑費」で処理してしまいがち。

特に問題も起こらない場合、そのまま雑費として処理しておくことで、何か問題はあるのでしょうか?

とりあえず「雑費」にしておけばOK!?

そもそも雑費とは、営業活動で使った販管費のうち、該当する勘定科目がなく、かつ重要度の低い、少額な費用を指します。

例えば、以下の費用はよく雑費で処理されています。

・制服のクリーニング代
・清掃代
・ごみ袋代
・証明書などの発行費
・贈答用の花
・振込料

経理・会計の方なら、「経費○○の勘定科目が何なのかよくわからないから、とりあえず『雑費』にしておこう…」と考えたことが、誰でも一度はあるのではないでしょうか。

分類に迷ったものを雑費として処理すること自体は、会計上特に問題はありません。ですが、そこには後々に弊害を生むリスクが潜んでいるのです。

「雑費」が多くなるリスクとは

「よくわからないから雑費に…」という仕訳を繰り返していると、気がつくと膨大な量の雑費を計上していることがあります。ですが、その状態はあまり良くありません。そこには、大きな2つの理由があるからです。

1.使った費用の増減を把握しにくい

勘定科目には、使った費用の使途を明確にするという役割がありますが、雑費にすることで、それがわからなくなるというデメリットが生じます。

例えば、経費削減をしようと考えたとき、いったい何を削ればいいのか具体的に判断しづらくなってしまうことに。

雑費が増えることで、経営分析や経営判断の妨げになる可能性があるのです。

2.客観的な信頼の低下

雑費は「何に使ったかわからない費用」に見えてしまいがちですので、決算書上、なるべく少ないほうが良いでしょう。一般的には、雑費は経費全体からみて5~10%程度に抑えるのが望ましいとされています。

もし、それ以上の雑費が計上されていると、金融機関などから「この会社はちゃんと正しい会計処理をしているのか」と怪しまれたり、税務署に目を付けられて税務調査に入られたりする可能性も。

雑費はできるだけ減らしましょう

すぐに問題が起きるわけではなく、後々良くない状態になっていくということがご理解いただけたでしょうか。ちなみに、冒頭で紹介したものは、以下のように仕訳することができます。

・制服のクリーニング代 ⇒ 消耗品費
・清掃代        ⇒ 衛生費
・ごみ袋代       ⇒ 消耗品費
・証明書などの発行費  ⇒ 支払手数料
・贈答用の花      ⇒ 交際費
・振込料        ⇒ 支払手数料

仕訳時に注意したいのは、処理する方によって別の勘定科目にならないようにすること。勘定科目で迷わないように、あらかじめ社内で処理のルールを細かく決めておくと良いでしょう。

 

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