地方税申告書|経理用語解説

地方公共団体に納める税額を申告!「地方税申告書」

今回の経理用語は「地方税申告書(ちほうぜいしんこくしょ)」。

「地方税申告書」とは、法人が地方公共団体に納める税額を申告する書類を指します。個人の場合は、国や地方自治体が納税額を計算して通知する賦課課税方式であるため、申告は不要です。しかし、法人は自ら納税額を計算して納める申告納税方式を採用しているため、申告が必要になります。

法人が納める地方税は主に以下の3つです。

・法人住民税
「法人住民税」は、「道府県民税」と「市町村民税」の総称です。ただし東京23区に事業所がある法人は、「都民税」のみ課税されます。法人住民税の額は、法人税額に応じて算出される「法人税割」と、従業員数などに応じて算出される「均等割」の合計額に該当します。

・法人事業税
法人の所得を対象に、都道府県から課税される地方税を「法人事業税」と呼びます。一事業年度の所得額に法人事業税率を乗じることで算出されるため、所得額が赤字の場合、法人事業税を納付する必要はありません。税率は課税所得の規模によって分類されます。ただし資本金1億円以上の企業は、法人事業税だけでなく外形標準課税も課されるため要注意です。

・地方法人特別税
「地方法人特別税」は、地域間の税源の偏りをなくすため、平成20年から暫定的な措置として創設されました。厳密には地方税でなく国税に分類されますが、仕組み上は法人事業税と併せて申告納付し、地方自治体から国に全額払い込まれます。その後、地方交付税として再び地方自治体に分配される流れです。地方法人特別税の税額は、法人事業税で算出された所得割額に対して定められた税率をかけて算出されます。

地方法人特別税は平成29年4月1日以後の開始事業年度に廃止される予定だったものの、消費税引き上げ延期の決定により、平成31年10月1日以後の開始事業年度から廃止が適用されることになっています。

経理用語ミニミニ豆知識
法人事業税や地方法人特別税は、納税申告書を申告した年度の損金に算入できます。更正や決定が係るものについては、更正・決定された日の年度分に参入可能です。これは原則として「法人事業税などは『所得』ではなく、『事業』に対して課される税金だから」という見方がされています。損金に算入するかどうかによって財務は大きく変わるため、必ず覚えておきましょう。

経理にとって、決められた期日までに、正しい金額で税金を納めることが大切です。税金についての基礎知識も、ぜひ覚えておいてくださいね。

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